Tronto Journal

Vol14. 作業は続く、テレビに出演

30th Sep,2009

お昼に原さんと待ち合わせして、タクシーで、ランディが展示をする予定になっている倉庫へ行く。無茶苦茶かっこいいロケーション。僕たちが展示をする一体は、昔軍事施設だったところで、至る所に大きな工場がある。

ランディとベニーチに会う。麦酒を飲む。

作業も大詰めを迎えてきた。今日で2週間。なんだかトロントに住んでいるような気分になっている。

午後2時から、CITY TVというテレビ局のアナウンサーがやってきて、今日の6時のニュースで流れるインタビューを受ける。今回も、通訳無しで、全部自分でやってみた。正しい英語じゃないのかもしれないが、自分の言いたいことは、この二週間で膨らんでしっかりと固まってきているので、ちゃんと喋れたと思う。僕一人が一番早くこの祭りの現場で仕事をしているだけあって、様々なメディアが興味を持って取り上げてくれている。それはちょっとラッキーだった。

モバイル机に自転車を取り付ける。

仕事が終わったランディと、モントリオールから来た小倉さん、とマーティン。ランディはバンクーバーにある原さんのオフィスに貼ってある、僕のナイロビ自転車の作品を見たときに、「トロントで自転車をやるんだったら、絶対マーティンに会ったほうがいい」と原さんに教えてくれた。そのおかげで今回のマーティンとのコラボレーションが実現した。ランディやマーティンたちはなかなか日本では見られない、大きなコミュニティを持っており、それは60年代、70年代のヒッピーカルチャーとも関わりがあるのだが、とにかく横の繋がりが凄い。

みんなでランディが買ってきたウィスキーを飲みながら作業を続ける。

夜はベトナム料理屋でやきそば。ホテルに帰ってきて、原さんと小倉さんととにかく熱く語り合う。今回の僕の活動は、アートという言葉では括れないものになってきている。僕が普段、言葉を使って表現していることとも違う。とにかく、生身の体で現場に向かい、その都市ごとに存在している、いくつかの特別なソースを見つけ出し、それを組み合わせることによって、作品を作り上げる。それはインスタレーションとも言えないと思う。マーティンと出会い、彼の技術で助けてもらう。トロント市に街中から運ばれてくるゴミの集積所の場所を教えてもらう。スパーマーケットからダンボールをもらう。そうやって、僕の作品にはたくさんの人が、普段では体験できないような特別な方向で関わり合い、一つの新しく生まれてくるもののために、向かっていく。芸術活動というものだけでは、収まり切らなくなってきているのかもしれない。なんてことをみっちり話し合う。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-