Montreal Journal

Vol04. 雪とWARHOL

25th Nov,2008

ホテルの部屋から外を見るとやっぱり雪が積もっていたので午前10時頃完全防備をして外に出る。ピエールに借りた作業靴がここで役に立つ。ジャケットも借りているし、本当にありがたい。モントリオール作業員ルック全開でレストランにもどこにも行ってます。今日は作業最終日。といっても、出発前は作業が本当に終るかどうか気になって、初日にがーっとやってしまってほとんどやってしまうといういつものパターンだったので作業自体はそんなに無い。

こんなに寒くて雪が積もっている時には普通だったら外で展覧会などやるはずはない。しかし、そんな困難な状態だからこそ、今回の緊急州という祭りは行われるのである。普段は街の中で定住できないまま暮らしている路上生活者の人たちがこの五日間だけは24時間いつでも来て、食べたり、暖をとったり、寝たりできるのである。日本のように温暖ではないし、さらに0円ハウスなんて建てたらすぐ壊されるという厳しい状況の中で、ピエールが10年前に始めたこの企画はみんなから「テント」という愛称で呼ばれ楽しみにされていると言う。素晴らしい企画だと思う。さらにそれにアートやダンスや映画などの催しも含めて総合的にやろうとしているのだ。全てをピエールとアニー夫妻が考えているそうで僕も非常に貴重な体験をしていると思う。

作業はほとんど終っているので、外で設営の手伝いをする。雪かき、雪解け水かきをする。そのうち汗をかいてきた。やっぱり運動をした方がいい。その後、サンドウィッチの差し入れがあり、食べる。

食後、図面のデータをプリントショップにスタッフのカトリーヌと向かい、出力し、帰ってきてマシューと一緒に0円ハウスの残りの作業をする。明日テントから出せば終わりである。後は明日を待つのみ。

今日はその後、Montreal Museum of Fine Artsに向かう。ここでAndy Warholの展覧会をやっていたので見に行く。Warholの音楽に関連した仕事が展示されている。ヴェルヴェットアンダーグラウンド、昔のペン画をやっていた頃のドローイング、手がけたレコードジャケットなど内容はかなり充実している。僕はこの音楽という観点からはとても興味を持っていたので、Exploding Plastic Inevitableのポスターなんかとても痺れた。シルバーファクトリーの部屋の内観も再現していたり、studio54のVIPルームを再現して、VIPになった人へのカードやグッズなどが置かれていたり楽しい。テレビ画面でたくさんの映像も流れていて、日立のテレビをブラウン管だけ取り出してスケルトンになっていたのだがその展示も凄い良かった。こういうイメージが固まっているものを違う視点から見るという試みはなんでこうも面白いのかね。人は一つのものに複数の意味を見出したいものということか。

エルビスは一人、二人、三人全部あった。やった。中は写真が撮れなくてこれはポスター。

夜は気になっていたメキシコ料理屋でコロナとEnchiladasのチキンを食べる。美味。
明日はオープニングだ。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-