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Journal -坂口恭平の毎日-

2010年7月31日(土)

朝9時に帰宅。そのまま就寝。昼過ぎにようやく起きる。その後外出し、いんでぃ庵でチキンカレー大盛を食べる。いつもどおり美味。その後、喫茶店でゆっくりする。そろそろまた長い原稿を書き始めようかなとモゾモゾしている。頭の中はまだ完全に発酵していないが、なんか蠢いてはいる。ということで、パソコン持って書こうとする。しかし、まだなかなか固まらない。色々読みたいし、書きたいし、定まってなくて、集中できていない。ゼロから始める都市型狩猟採集生活は少し自分の技術も高まって、面白く書けたと思う。今度もまた無茶苦茶面白い本を書きたい。ただ書くのではなく、社会の見方が一変するようなものを書きたいし、書かなくてはいけない。夜は、ハンバーグ食べて、ディック読む。

2010年7月30日(金)

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?読み終わる。いつも寝てたけど初めて最後まで通して読む。その後、また図書館へ行き、隈研吾さんの著作とスキャナーダークリーを借りてくる。読む。隈さんは実際の建築の方もトークショー前にはたくさん見ておきたい。あと、三省堂本店で開催予定の出版記念ブックフェアの選書を20冊。「ゼロから始める都市型狩猟採集生活のルーツ」というテーマで。コンティキ号漂流記からアーサーラッセルまで色々と選んでみました。古本屋で佐々木中さんの家にあった世界の名著中央公論社が安売りされていたのでレヴィストロース+マリノフスキーと西田幾多郎を購入。その後、外出。原宿駅へ。歩いて表参道へ。太田出版の梅山くんと映画監督の本田さんと三人で待ち合わせ。近くのカフェへ行き、出来立てホヤホヤの「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」を興奮した梅山くんより受け取る。それを本田さんが撮影していた。いやあ、いい本です。とうとう出来ました。何度も書いては止まり、しかも途中でまさかの精神不良にも遭いながらでしたが、無事に仕事を完成させました。生涯5冊目の本。感激する。デザイナーの有山達也さんのきめ細かい作業で、シンプルで誠実な本になった。感謝である。ということで麦酒で乾杯。その後、void+というギャラリーへ行き、映画監督ペドロコスタのインスタレーションを見て、ペドロコスタ本人と初対面。ヴァンダの部屋で感動していたのでとても緊張するも、すかさず0円ハウスを持って喫煙所にいたペドロコスタと怪しい英語で熱烈に話をする。静かな感じではあったが、かなり食いついてくれ、20分ほど話す。本も手渡す。ぜひメールでインタビューをしたいともお願いすると快くアドレスを教えてくれた。感謝。その後、三人で池袋へ。松江哲明監督作品「ライブテープ」を上映している録音映画祭を見に行く。この映画祭は録音技師である山本タカアキさんが録音した映画作品だけを上映するという僕は初めてみる類の映画祭。ライブテープの録音はとても気になっていたのと、その前にみたペドロコスタの作品がまさに音楽的、空間的でもあったので色々とシンクロする。上映後のトークショーを見る。音楽家前野健太と磯部涼と山本タカアキさんの三人。終わって、打ち上げに勝手に合流。やたらと盛り上がり、結局朝4時半ぐらいまで飲む。その後、小春ちゃんと朝珈琲を飲み、家に帰ってくる。今日も高尾まで行きました。

2010年7月29日(木)

これからの正義の話をしよう、のサンデル先生については全くノーマークであったが、土地は誰のものということについて調べていると、まさに土地は誰のものという題目で講演している動画がネット上にあり、なんか嬉しくなって、ヒントを求めて、食らいついて見る。ジョン・ロックを主軸にして、所有権について話しており、とても面白かった。この本買ってみようかなと思う。とにかく今進めたい仕事がこの土地についての本なのだが、まあ、こっち行ってはぶつかり、あっち行ってはぶつかっている。その点、点はかなりインスピレーションが湧く、重要なツボを押していることは分かっているのだが、まだまだ繋がって来ない。そりゃ、こんな簡単に繋がっては面白くもなんともない、ということにする。そんなことを考えながらも、意識は遠くへふっとんでディックを移動中、喫茶中に読み続ける。本が出来上がってきたらしい、まだ僕は手にしていない。早く見てみたい。部屋が綺麗になったので仕事に対するやる気向上。チャックベリーに憧れるきっかけとなったバックトゥザフューチャーのジョージ・マクフライ役だったクリスピン・グローヴァーがやっている映画って気になる。巡業のようにして各地を回っているらしい。僕はいつも空間的なことを考えることも大好きなのだが、同時にレーモンルーセル的な、地方を巡業しているような手作り総合芸術的な、ものをずっと一人でやり続けている人生というのにも憧れる。まだ、そのへんの繋がりも分からん。いや、それはもう既に感じでは分かっていることなのだが。

2010年7月28日(水)

昼過ぎに外出。埼玉県の深谷駅へ。建築家毛綱モン太が70年代に給水塔を家に改築するという計画案を発表した。しかし、それは計画案で、実際には実行されなかった。で、それに影響を受けて、僕は渋谷区に貯水タンクを見つけて、住むことになるのだが、なんと、その幻の給水塔の家が実在することを知った。しかし、毛綱氏の作品ではない。建築家の作品ではない。現在94歳になる男性によって改築されたらしい。「異色住」的にこりゃ外せないでしょうと思い、電車に乗り込んだ。深谷駅まで遠い。二時間強乗って、そこから結構歩く。国の重要有形文化財になっている戦時中に陸軍が作った給水塔を払い下げで買い取り、住宅に改築したのである。田園風景に突如聳える五階建ての給水塔。デカイ。森のようになっており、そこからニョキと飛び出ている。殺風景な玄関を叩くと、女性が出てきた。どうやら娘さんのようだ。話を聞きたいと言うと、昨日父が階段から落ちてしまってちょっと取材どころではありません、とのこと。それはさすがに悪いので、連絡先だけ聞いて帰ってきた。しかし、あるもんである。近々再度行くことにしよう。TOKYO0円ハウス0円生活を手渡す。電車の中では「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を読んでいる。いつも頭に入らないのだが、今回はすらっと入ってくる。ブックフェア用の20冊分の選書を考える。帰ってきて、部屋を掃除する。久々に綺麗にする。溜まっていたデスクトップが整理整頓されてすっきりしたような感覚になる。

2010年7月27日(火)

午前中、アオと散歩。その後、仕事に行こうとするが、アオガ一緒に行きたいというので、仕方なく連れて行く。二人でロージナ茶房へ。コーラとオレンジジュース。なんかオヤジが2歳児と一緒に喫茶店というのはおかしな風景なのだろうか、やたらと店員が近づいてくる。おかげで遊んでくれるので、僕は仕事ができる。養老孟司さんとのDOMMUNEでの対談の原稿直し。サイゾーのインタビュー原稿直し。途中で、フーが来て引き取ってくれる。しかし、最近午前中から昼過ぎくらいまで、アオに完全に操作されている。その後、フィリップ・K・ディックと池谷裕二氏の「ゆらぐ脳」をなぜか同時に読んでいる。何か全く今の仕事と関係ないものを取り入れたい。

2010年7月26日(月)

昼前外出。午後1時に、六郷土手駅にてほぼ日乗組員の小池さんと奥野さん、太田出版の北尾さんと梅山くんと待ち合わせ。多摩川マジカルミステリーツアー敢行。まずは大ちゃんに会う。今日はかなりごきげんで外にでてきていろんな話をしてくれた。さらに、家の中も見せてくれる。保存食とか、携帯電話のワンセグを、拡大鏡で大きくして見るなど、借りぐらしのアリエッティのお父さんそのまんまのブリコルールに一同衝撃を受ける。その後、ゴリラさんに会い、多摩川のロビンソンクルーソーのところへ。今日はいなかったが、どうやら無事に退院したようだ。その後、コンさんのところ、星さんのところへ。3時間強歩いて、ツアー終了。その後、家へ。太田出版の梅山くんから電話。建築家の隈研吾さんとトークショーをすることになりそうだ。初めての建築家とのトーク。これはがんばらねば。詳細は後日発表します。Public-imageのインタビューが公開された。イメージFのインタビューゲラも送られてくる。

2010年7月25日(日)

奈良のバス旅行で、バスの中の冷房に完全にやられる。家に冷房がないので、異常に弱い。終日ゴロゴロする。麦酒などを飲みながら夏期休業。夜は、今日も府中のほうで花火大会がやっていたので、ベランダから見る。この家、花火が見放題である。

2010年7月24日(土)

午前中、エクセシオールへ。路上力のスケッチ。原稿の直し。読書。エココロ「家をめぐる冒険」第3回、すばる「モバイルハウスのつくりかた」第2回についての構想など。夜、タンゴが来訪。みんなで食事をしながら、調布の花火大会をベランダから見る。酒飲む。

2010年7月23日(金)

朝、新宿へ。帰ってきて、そのまま0泊3日の原稿。1600字書いて送信。立川のマッサージ屋へ。アオと児童館へ。プールに入る。

2010年7月22日(木)

終日奈良。暑い。南方熊楠を私淑していたとんでもない博士が作った博物館などに行く。なんじゃここ。読者の人から、今日、近鉄奈良線に乗ってましたよね、でもそんなはずないですよね、といったメールが届く。いましたよー。鼻ほじってなければいいが。終日取材。夜20時半、奈良駅からバスで東京へ。

2010年7月21日(水)

午前中、0泊3日の下調べ。家が暑すぎる。集英社のゲラ直し。送信。飛鳥さんから電話。調整。いやあこの連載始まったら、ちゃんと自分で家を作るというのを実践しなくてはいけないので、がんばらんと。エクセシオールへ逃げて原稿。夜、戻ってきて、再び外出。新宿へ。0泊3日第21回目の取材へ。今回は奈良。三十路の修学旅行というテーマで奈良を駆け巡る予定。しかし、奈良って、あんまり行くところなさそう。大丈夫かな。DJ KOZE聴きながら、バスの中で眠る。

2010年7月20日(火)

朝からアオに起こされ、寝ぼけながら外出。大きい方の公園へ。水&泥遊びに付き合う。暑すぎるので、誰もいない。家に帰ってきても、暑い。さすがにエアコン入れたくなってくる。一人でエクセシオールまで逃げ込み、原稿。しかし、フーアオも逃げ込んできたので、休止し、しばし話す。頭が働かん。イメージFの畠山さんよりメール。ペドロコスタ氏のオープニングパーティの招待状を頂く。これはぜひ行きたい。太田出版より電話。8月4日にいよいよ発売となるが、発売後の色んなイベントについての情報。もうなんでもかかってこい、である。詳細は後日。本を読んでくれた書店員の方のコメントなども届く。ありがたし。しかし、暑い。家族三人、アイスノンを枕に忍び込ませ、眠るも、寝れず、深夜、皆起き、水をカブのみ。

2010年7月19日(月)

朝9時に外出。広尾駅へ。東京都立中央図書館。ここ何度来ても気持ちがよい。無数の文献に埋もれる。集英社すばる用の資料として「動く家」ロバート・クロネンバーグ。一万年前からのポータブル建築についての書物。ピラミッドなどと違い、遺跡として残っていないのだけれど、実は人間は元々モバイルハウスを作っていたのである。このように、消えてしまう建築こそ、根源的な人間の巣として、もっと見直されなければいけない。ブルガリアのノマドの番小屋が気になる。引き続き「住まいの夢と夢の住まい」布野修司。この中に出てくる不法占拠の話が面白い。サンフランシスコの法律では、不法侵入の場合、5日間だけは罪の対象となるが、それを過ぎると所有権が発生するとのこと。その間に、新聞を定期購読し、手紙を受け取り、選挙人登録を済ませると、本当にその家が自分のものになるそうだ。日本ではそんなことできないが、これはとても興味深いことである。さらに、日本では戦後まもなく、車輪がついた移動家屋「トロッコ住宅」というものがレンタルできたとのこと。浅草の荷造材料卸売を営む下島除三留さんという人が始めたそうだ。これはさらに調査が必要である。不動産ではなく、可動産であれば、確認申請も固定資産税もいらないわけである。こういうことを実際にやっているというのは心強い。現代でもやれるということを「すばる」の連載ではやってみたい。その後、土地公有論を書いたシルビオ・ゲゼルについても調べる。佐々木中さんは入門書読むなと言ったけど、僕は頭が良くないので入門書を読む。「シルビオ・ゲゼル入門」廣田裕之。これはとても分かりやすい。しかも廣田さんはまだ貌の二歳上だ。彼に直接話を聞くのもいいかもしれない。その本のあとがきに出てきたのは、「エンデの遺言」NHKブックス。これはゲゼルの影響を強く受けたミヒャエルエンデのインタビューなどを元にした、お金についての本。こんなのも何でもこの図書館にはあるので嬉しい。ゲゼルの理論をもとにして実験をした街の事例なども書いてあった。後は、日本の土地所有史の勉強。日本では江戸時代までずっと土地公有の概念でやってきたのに、明治維新の地租改正からいきなり土地私有が始まるのである。他の国では土地公有に向けて、少しずつ動いているのに、日本では全く動きがない。ゲゼルに影響を与えたヘンリージョージについても。ヘンリージョージは孫文に影響を与えている。彼が台湾での土地公有制度を生み出した。孫文と言えば、南方熊楠の親友だから、もしかしたら熊楠も?などと気になりながら、図書館で、ブックサーフィンを6時間敢行し、夕方図書館を出てそのまままっすぐ帰ってくる。夜は、昨日と同じ豚で、生姜焼き丼ととうもろこし。美味。

2010年7月18日(日)

朝、アオの毎度のごとく公園行きたいコールで目が覚めて、何度も日々がループしているような錯覚に陥る。ということで朝9時に公園まで行く。今日は家からバスでちょっと行ったところにある芝生満載の公園へ。ここにはなんとビオトープまであって、アオと二人で川下りをする。一通り遊んで、その後、フーアオと三人で家に帰り、そうめんを食べてから、再び外出。ようやく仕事に取り掛かる。エクセシオールカフェへ。小学館月刊スピリッツの路上力1600字。速攻で書いて送信。その後、集英社すばる新連載「モバイルハウスのつくりかた」のゲラチェック。PDF編集ソフトを初めて使ってチェックする。これまた送信。その後、筑摩書房書き下ろし単行本「異色住(仮)」第1回目飴屋法水さんの女子トイレハウスのゲラチェック。チェックしてこれまた送信。これにて本日の仕事終了。家に帰ってくると、アオがまた外に行きたいというので、本日三回目の散歩。帰ってくると、フー母が戸塚から来てくれており、えらく美味い豚肉を使って青椒肉絲を作ってもらい夕食を皆で食べる。最近、家に風が入ってきて、気持ちが良く、よくアオとパンツ一丁で東南アジアの家族のごとく、夜、空を見ていたんだが、今日、なんと流れ星を見た。びびった。その瞬間、新刊のミリオン祈願しておいた。

2010年7月17日(土)

朝6時にフーアオと三人で起床。みなで飯も食わずに外出。立川シネマツーへ。スタジオジブリ「借りぐらしのアリエッティ」を石川直樹くんの提案通りに初日、一回目朝7時45分から家族三人で鑑賞。やばかったです。今回は、小人が出ているが、全くファンタジー無しの、まるでドキュメンタリーのような映画であった。登場人物は、現代に野生の思考を持っているブリコルール。しかも、そこで使っている道具は全て人間界のものを黙って借りているという都市の幸使い。完全に都市型狩猟採集民の物語であった。その細部が細かく表現されている模様は、僕が12ボルトバッテリーとコタツのスイッチと原チャリのフロントライトで、鈴木さんの家の電灯が灯っていることを伝えたことと完全にシンクロしているような感覚である。しかも、それが借りと狩りというダブルミーニングということも、ばっちり合っている。そして、奥底には司馬遼太郎の土地公有論が。小人の世界と人間の世界という同じ空間であるにもかかわらず、違う視点で描かれている様子は、都市空間にいくつものレイヤーが隠されていることを匂わしており、こちらにも反応。しかもドールハウスの調度品には手を出さない。つまり、もうそのために作られているものは利用しない。既にそこにあるものだけを使って、自分たちの技術を開放系技術by石山修武的に作り替えている。色々と発想が浮かぶ。そして、有り得ないかもしれないが、宮崎駿氏と都市型狩猟採集生活について真剣に議論してみたいという夢想が動き出す。中沢新一氏、養老孟司氏も、不可能と思っていたのに、実現したのだから、何か起こるのではないかと勝手な妄想をフーアオの横で、アオは、アリエッティの洗濯バサミを転用した髪留めを買ったので、喜んで賞着している。しかし、これはブリコラージュではなく、商品だが。その後、BRUTUSのジブリ特集で、宮崎駿氏の本棚の写真があり、狩猟採集民の本と多摩川の本があったのに興味を持つ。中沢さんの@「狩猟と編み籠」もあった。なんと映画見たのに、昼前に家に帰ってくる。その後、図書館でミヒャエルエンデの「モモ」を借りる。こちらは、前々回のDOMMUNEで中沢さんに教えてもらったゲゼルという経済学者に強い影響を受けた作家ということで。初めて読んだが、これもまた凄かった。こちらもブリコルールの話も出てきた。時間と空間の話も。四次元も。なんだか強い引力を感じている最近である。その後、アオを連れて散歩。目の前にある小学校の校庭でキャンプ大会をやっていたので、キャンプファイヤーにフーアオと一緒に参加。夜、たき火の火を見ながら、しばし黙想。本ももう出る。次のことをそろそろ考え、そして体を動かして、仕事を進めていく必要がある。

2010年7月16日(金)

結局朝まで。というか昼まで。午前11時すぎに帰宅。家でしばし寝て、フーアオと一緒に散歩。今日から夏になった。気持ちがよいので、国立駅近くのスコールカフェで、飲み物飲みながら、旅行中のような気分で、酒煙草。その後、バンブーによって美味いパンを買い、帰ってくる。集英社のゲラが送られてくる。新連載「モバイルハウスの作り方」8月発売の「すばる」にて開始。その後はぼうっとする。ハウルの動く城を見る。明日はアリエッティの初日なので、みなで早めに寝る。

2010年7月15日(木)

午後2時に代々木八幡にて太田出版の北尾さんと梅山くんと待ち合わせ。テレビディレクターの吉田さんと会い、新刊を手渡す。何か面白いことやりたいですねと話す。その後、気持ちの良い日だったので酒でも飲もうと、磯部涼に電話すると、いいよと言うので、恵比寿へ。恵比寿のビアホールで昼間っから宴。その後、金が無くなったので、三越で缶ビールを買って、ガーデンプレイスで座って飲む。さらに、懐の温かいササオに電話すると、今から行くというので、三人で恵比寿駅近くの鳩山由紀夫が行くという居酒屋「さいき」へ。古い内装と仄暗い灯りと若い女性店員のミスマッチが妙に落ち着きを与える。ササオにムツゴロウさんの本をもらう。ぜひ読めという。あと倉本聰も見ろという。その後、皆でDOMMUNEへ。大竹伸朗さんは見れなかったが、その後のDJから参戦。みんな帰っていて、フロアはちょうどよい。ササオにテキーラをごちそうになる。ということで、完全に酔っぱらい、踊り狂う。

2010年7月14日(水)

朝10時に帰宅。トマトソースパスタを食べて、就寝。二時間後、起床。外出。新宿駅近くのハンバーガー屋でイメージFプロデューサーの畠山さんと編集者の山田さんとカメラマンの方と会う。今日はイメージFのウェブサイトに掲載されるインタビュー。山田さんから質問などを受ける。昨日の今日なんで、なんだか色んなことをべらべらと喋る。ハンバーガー食べながら。一時間半ほどして終了。畠山さんに色々と教えてもらう。その後、ブックファーストで群像を読む。中沢新一さんと島田雅彦さんの対談の中で、なんと都市型狩猟採集生活について触れてもらっている。なんだか泣けてきた。で、家に帰ってきて、アオと一緒に森へ行き、歩き、虫を見る。夕食を食べて、昨日のトークの録画を見る。夜、佐々木中さんからゼロから始める都市型狩猟採集生活のコメントが届く。最高。昨日のDOMMUNEの反応メールもいくつか届く。感謝。

2010年7月13日(火)

朝からどうも落ち着かない。読書して平静を保たせる。家で食事をしてゆっくりして、外出。午後6時に恵比寿駅、DOMMUNEへ。新潮社の編集者の方々と打ち合わせ。そして、鎌倉から養老孟司さんが登場。一緒に写真撮影などを。今日のDOMMUNEの対談は、8月18日号の新潮45に掲載されることになっている。さらに、養老孟司さんの対談集にも掲載される予定らしい。これは大変なことだ。緊張。養老さんは穏やかでユーモア満載で雑談をしている。横で緊張している僕。で、午後7時「都市型狩猟採集生活」開始。最初は、ゆったりと始まったのだが、徐々に養老さんのエンジンがかかってくる。超高速回転の脳味噌についていくのがやっと。どうにか、こちらも応戦しようとするが、すぐに養老節が。いやいや、これはとんでもない体験をさせてもらっている。こんなことなかなか体験できるものじゃない。僕と磯部涼、どうにか養老さんと話し終えた。無茶苦茶頭の中で、色んなことが浮かび、発想した。これは相当なエネルギーになる。また自分の本の違う面に出会えたような気がした。かなり反響があったようだ。満足。その後、養老さんとしばし歓談し、送る。ありがとうございました。その後、フロアに戻り、ムードマンを聞きながら、踊り狂う。今日はやばすぎた。僕も興奮していたので、夜1時ごろまでノンストップで踊りまくる。その後、朝まで。いやいや良い日だった。人生、こんなことが起こるのである。都市型狩猟採集生活という言葉が、少しずつ立体的に感じられるようになってきた。

2010年7月12日(月)

朝から読書。「からだの見方」この中の人体と建築物っていうコラムが面白かった。読了。その後、ぼうっとしながら寝てた。午後外出。原宿へ。twiggyのくみちゃんに毎度のごとく髪を切ってもらう。明日はtwitggyが定休日なので、みんなDOMMUNEを見れるといっていた。観覧予約も開始されていた。いやいや、とうとう明日である。またまた緊張。読者の方からメールが届き、小沢健二氏の文章をよんでほしいとのこと。ふむふむ。筑摩書房の飴屋さんのゲラ届く。明日頑張ろうと、家族で盛り上がり、白ワインで乾杯して、眠る。

2010年7月11日(日)

朝から図書館へ。養老孟司さん関連の本をまたごっそり借りてくる。「手入れ文化と日本」「都市主義の限界」。この二つの本に出てくる。手入れという言葉と、都市化社会、脳化社会、ここらへんが気になるところである。バカの壁、超バカの壁ももう一回読み返す。宮崎駿氏との対談集「虫眼とアニ眼」も面白かった。その後、家でギターの練習。横になりながら、寝ながら、ギター持ちながら、本読みながら、高円寺四畳半ハウス時代的な日。その後、フーアオがこどもの城から帰ってきて、さらにアオは外で遊びたいというので、一緒に、傘さして、外へ散歩へ。ショートホープの柄が変わっていたので、購入。一服。帰ってきて、カレー。今日三食カレーだった。明後日のDOMMUNEのDJはMOODMANとのこと。こりゃやばいですな。しかも、宇川さんの愛犬TVちゃんの誕生日とのこと。めでたい。夜も読書。

2010年7月10日(土)

朝まで踊って、その後、磯部涼とダブ丸と富士そばで盛り饂飩を食べて、帰ろうとしたが、ダブ丸が梅ちゃんBARに戻るというので、僕も戻ってみた。すると、まだやっていたので、さらに、もう一度踊る。最後のほうで、小沢健二の新曲がかかっていた。で、それはまさしく音頭のような音楽で、その瞬間、今年の始めに死んじゃった、僕がやっていたバンドのドラム、菅田光司郎を思い出した。彼は生前、突然、日本の祭りをフォールドレコーディングしたり、ドラムの楽譜に置き換えたりして、採集録音演奏していた。その行動に、僕は当初理解が出来なかった。でも、おかげで牛深ハイヤを知り、一緒に歌ったのだが。それでも、何をやっているのかは分からなかった。しかし、小沢健二は、長いブランクの後、本質的な音楽とは大衆音楽であるという結論に達し、カローラ2に乗ってを再び歌い出した。それで、この音頭である。菅ちゃんが今聴いたら、なんというだろうかと考えた。なんとも言えない気持ちになって、一人で夢中で踊った。最後には、僕がまたマイクを持ち、一人アカペラまでしてしまう。いやいや楽しい夜朝でした。その後、ダブ丸と一緒に帰る。10時に帰ってきて、二時間寝て、フーアオに起こされ、外出。吉祥寺へ。バサラブックスへえりちゃんの傘を届けに行き、その後、カフェで一服して、井の頭公園へ。小川でアオと遊び、大量の蚊に襲われる。その後、ボートに乗りたいとアオが言うので、三人でスワンボート。初めてだったのだが、これが楽しくて、今までなんで乗らなかったんだろうと思った。アオに感謝である。今日は寝てなかったので、夜はすぐ眠る。

2010年7月9日(金)

午前中、仕事。午後外出。渋谷駅で磯部涼と太田出版の梅山くんと待ち合わせ。三人でセンター街の蕎麦屋へ。麦酒飲みながら打ち合わせ。13日のDOMMUNEについて。中沢新一さんに引き続き、養老孟司さん、なので、今度もまたまた緊張である。しかし、もう既に、僕の新刊は読んでもらって、さらに良い反応をしてもらっているということで、とても楽しみなのではあるが。しかし、結局飲んじゃって、打ち合わせというか、いつもの三羽がらすの宴会となる。その後、三人で原宿へ。リトルモア地下で東野祥子さんのダンス公演を見る。ますいちゃんに会う。チンさんもいたので、終演後、四人で歩いて渋谷駅へ。以前から行きたかった食堂シロクマへ。いつも、踊り場で会う、さきちゃんと郁ちゃんが働いている店。男四人で行って、勝手にアメリカングラフィティ状態。で、四人で飲む。その後、歩いて、渋谷駅近くまで写真家の梅川良満と会う。今日は、渋谷の梅ちゃんBARというところで、梅川良満A.k.a.MC OMEの貴重なライブがあるというので、行く。その前に、僕と磯部涼と梅山と途中から来たダブ丸と梅川良満と5人で、宴会。午前1時まで飲んで、梅ちゃんBARへ。磯部涼にナックと、DJ K404を紹介してもらう。この前、OATHで僕が大暴れした時に、djをやっていた5IVEもいた。すぐにカオス状態へ突入し、僕も興奮し、いつものように歌っていたら、目の前にマイクがあったので、ついつい持っちゃって、歌っちゃった。ということで、いつも通りに、大変なことになる。しかし、今日はとにかく楽しい夜だった。朝まで踊る。ME OMEのライブもやばかった笑。

2010年7月8日(木)

朝ゆっくりして、午後外出。浅草駅でイタリア人のフランチェスカと会う。イタリアで僕の本を読んでくれていて、ぜひ会いたいと言われたので、一緒に隅田川の鈴木さんの家へ。本に載っていた家だーと喜んでいた。鈴木さんの家で、赤ワインで乾杯する。しかし、今日は鈴木さんの周りで大変なことが起こった。まだ捜査中で詳細は分からないのだが、色んな人に話を聞いて回る。隅田川の情報通から詳細を聞く。一体どうなっているんだ。

2010年7月7日(水)

朝から、図書館へ。本を借りて、読む。午後、原稿。ゲラチェックなど。ようやく解禁になったのだが、今度のDOMMUNEは7月13日の火曜日。そして、ゲストは、なななんと、養老孟司さんである。いつか話ができたらいいと、夢想していたことが、中沢新一さんに引き続き、またもや実現してしまったのである。午後7時から僕のHPのトップページから見れますので、ぜひごらん下さい。ということで、養老さんの著作を読みながら予習をする。環境問題について書いてる本が面白い。あと、ゼロから始める都市型狩猟採集生活の特設サイトがオープンした。こちらもぜひ。その後、午後6時半にシエルドゥリヨンへ。今日は四回目の結婚記念日なので、フーアオと一緒に、夕食会。前菜の豚のリエット、美味。豚足もうまい。そんで、スズキのポアレ。で、最後に東京X豚ロース。ここ安いし、美味な、近所のビストロである。大満足して、店を出る。その後、一服しようと歩いていたら、フランス人が困っていて、それを手伝うことになって、街中を歩き回った。フランス人ってあまりにも性質が違いすぎて、面白すぎた。で、別れてスタバでコーヒー飲んで一服して、家に帰ってきた。

2010年7月6日(火)

今日は一日、休憩。フーアオと一緒に新宿へ行き、買物などに付き合う。

2010年7月5日(月)

朝起きて、エクセシオールカフェへ。筑摩書房用の単行本「異色住(仮)」の原稿。先日、インタビューした飴屋さんのこと。かなり面白い話だったので、頭がすっきりしていて、二時間で20枚書く。その後、集英社すばるで8月から新連載が始まる「モバイルハウスのつくりかた(仮)」の原稿。こちらは10枚文の直し。付け加えて完成。その後、ハロー!ワークスの原稿の直し。その三本を仕上げて、全ての駅前の電話ボックスから送信する。すぐに返信が。概ねオッケーとのこと。午後3時に仕事を終了させる。中沢新一さんから、ゼロから始める都市型狩猟採集生活についてのコメントが届いた。読む。嬉しい。その後、フーアオと待ち合わせして、立川へ。石川直樹くんから、借りぐらしのアリエッティを初日に見に行けって言われたもんだから、前売り券を買いに行く、も全て売り切れていた。その後、途中でディズニーショップがあったのを、碧が発見してしまったので、連れて行く。で、そこでアオが興味を持ったのが、ミニーちゃんのミニランドセルでからってみると、やたらと似合う。値段をみると3900円でちょっと買えないなと思っていたら、店員が今75%引きですよと有り得ないことを言うので975円で購入。って、ランドセルってなんであの形になったのか、などと考える。軍事用かな。戸川純、篠原ともえに続く、ランドセルファッションで立川の街を闊歩するアオ。一緒にドーナツ屋でドーナツを食べて、帰ってくる。夜、養老孟司さんの本を読む。カナダの原さんからメール。上智大学のアンジェラ教授に新作の立体読書「天体嗜好症」を送る。賛辞の返信メールが来て喜ぶ。8月に多摩川ヴィレッジの映画を撮ろうと企んでいる。撮影をタローに依頼する。NHKブックレビューでお世話になったテムジンの吉田さんと来週会う約束をする。

2010年7月4日(日)

朝起きて、オムレツを食べて、外出。エクセシオールカフェへ。ハロー!ワークス第14回目の原稿。5600字書いて二時間で完成。その後、家に帰ってアオと遊ぶ。図書館へ行き、児童書コーナーで二人でフラフラしながら適当に本を選んで読み聞かせる。またもや始めに選んできたのは佐々木マキだった。好きだな、この人のこと、アオは。その後、午後4時にマコとはんなちゃんが来訪。結婚指輪をフーにオーダー。その打ち合わせ。一緒になって遊ぶ。その後、また外へ出て、裏庭で泥遊び。ケーキなどを作る。午後8時にセキネとえりちゃんが来訪。うちでタンゴとフーアオとぼくとセキネとえりちゃんの6人で会食。フーが作った結婚指輪を渡す。意外にも最近、FUのジュエリーが売れている。もっとがんばれ。MolokoのThe Only Onesを聴きながら夏の夜に酒を飲みながら気持ちの良い時間が過ぎる。アオもごきげんである。午後11時に皆帰る。

2010年7月3日(土)

戸塚。とにかく眠くて、アオに起こされても無視して寝る。10時頃ようやく起き出して、アオと二人で公園へ行き、シャボン玉で遊ぶ。帰ってきて、冷麺を食べる。その後、昼過ぎに外出。戸塚駅で横国大のアカペラサークルがコンサートをやっていたので見る。ベニーKのDreamlandを歌っていたのに感動してしまった。これ良い歌だな、今度歌おうかな。その後、フーアオと別れて、僕は渋谷へ。宮下公園にいる路上生活の野中さんにインタビュー。8月10日発売号のコヨーテに掲載するハロー!ワークス第14回目の取材。この号では、前回のDOMMUNEでの中沢新一さんとの対談も掲載される予定なので、ぜひ。今回もかなりすごい人で、話を聞きながら、そういうプリミティブな生き方が残っているこの東京という街の複雑さにまた再び気付いた。これはジブリ的でもあるなあ、なんて思ったりもしている。その後、まっすぐ家に帰ってきて、夕食にカレーを食べる。夜はタンゴが遊びに来るとのこと。養老孟司さんの「日本人の身体観と歴史」という本を読んでいる。この本は、佐々木中さんが教えてくれた本だ。まだ読みはじめなのだが、ちょっとこれスゴいかもしれない。ずんずん進む。

2010年7月2日(金)

結局、朝8時過ぎまで麻雀をやっていた。みんなと別れて、僕だけ家へ。ところが、鍵をなくしちゃったみたいで、しかもフーアオは戸塚の実家に帰っているので閉め出されたかっこうに。大家さんに会って、鍵をもらって、ようやく家へ。すぐに外出し、アントルメで美帆と母ちゃんにお願いされていたスイーツを購入後、美帆の家へ。西巣鴨。大阪に転勤になったので引っ越しの手伝いに。ノノカと遊びながらも、引っ越しのサカイでバイトしていた技術を駆使し、箱詰めしていく。午後5時頃までやる。その後、戸塚へ帰る。夕食は唐揚げ。美味。麦酒。その後、太田出版の北尾さんと電話で話す。なんだか8月4日発売予定の新刊は大変なことになりそうだ。体験したことのない前準備に興奮する。今度は、今までよりもさらに多くの人々に伝わっていけそうな予感がする。今日はまったく寝ていなかったので眠くなり、すぐに寝る。

2010年7月1日(木)

高尾の漫画喫茶に結局、朝9時までいて、家に帰ってくる。その後、ちょっと眠る。起きて、図書館へ行き、養老孟司さん関連の本を借りにいく。6冊ほど借りる。「ほんとうの環境問題」を読む。ゼロから始める都市型狩猟採集生活もある意味、ほんとうの環境問題的にも読めるなと思った。ペットボトルはほとんどリサイクルが不可能なので、回収するのは意味がなく、むしろ、モノがよく燃えるので燃えるゴミとして一緒に捨てるほうがもしも効率などを考えるなら、都合がよいと書いてあり、それは僕が都市型狩猟採集生活民たちと話しをするかぎり、自明なことであった。ペットボトルを集めている人なんて誰もいないからである。あれば、リサイクルしたって、金にならないのである。鉄もそうだけど。そのように、都市型狩猟採集生活というのは、本質的に考えて、効率のよいものや、お金になることが如実に現れる。大体、リサイクルなんか義務づけたって全く意味がない。そんなのお金を儲けたい人にちゃんと一任すれば、しっかりと持っていってくれる。本にはカラスのリサイクル能力についても書いてあって興味深かった。しかし、そんなの当然のことである。何にもしなけりゃいいのだ。人は勝手にやるんだから。それだから都市型狩猟採集生活はとても自然な営みだと僕は言うのである。午後5時ごろリトルモア地下のますいちゃんと会う。色々と打ち合わせ。夜、石川直樹くんから電話。しかも興奮している。なんだろうと思っていると、ジブリの新作「借りぐらしのアリエッティ」の試写を見てきたとのこと。お前は絶対に初日に見に行けという。あれは完全に都市型狩猟採集生活についての映画だと。「借りぐらし」というのは、「借り」と「狩り」のダブルミーニングで、ブリコルールもいっぱい出てくるとのこと。もののけ姫が網野善彦だとしたら、今回は、司馬遼太郎、レヴィ=ストロースなのか? ますますやばそうである。絶対に初日に行こう。その後、吉祥寺へ行き、無性に麻雀がしたくなり、バサラブックスのセキネとバイトのモーリー、後、ダブ丸を読んで四人で吉祥寺の雀荘にまず行き、終電で国立へ行き、駅前の雀荘で朝まで。久々に徹麻。しかも、大敗を喫する。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-