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Journal -坂口恭平の毎日-

2005年1月31日(月)

朝から、蒲田、大森周辺歩く。
駅近くは面白いものがあったが、そこから離れるといまいち。
あんまり郊外に出るといけないようだ。
中心から少しはずれたエッジ、周縁の部分に自分の興味は向かっている。
帰ってからヒッチコック「めまい」みる。
試行錯誤している時が一番いい状態なんだ。
つげ義春の漫画の糸井重里の巻末の解説読む。

2005年1月30日(日)

夜、高円寺のドムで弟と上山くんとスタジオ。
なんかまだ定まらず。
どうゆう編成にすればいいか考えたが、ベースとギターだけでやると決定。
その後、デビット・バーンがカバーしている、ジョビンの名曲「WATER MARCH」聴いてピンと来る。
パリでバーンのライブを見た事を思い出す。
ああいう雰囲気はなかなか出せないものだ。

2005年1月29日(土)

久々にTMYと遊ぶ。
浅草のアサヒビールビル=うんこビルでOOIOOライブ。
そのあと吉祥寺、まず焼肉。
そしてTMYの親父さんの友人の小料理屋。
そこの大将が凄過ぎて、近未来の大工もできる板前さんといえば伝わるか、いいや伝わるはずがない。
とにかく駄洒落と大工の親父さん仕込みの抜群の段取りが上手く解け合い、アルコールで上塗りしてある。
蟹 うますぎ。
その後はスターパインでライブ見る。
イベントの名前はわかんないけど、HIFANA、シローTHE GOODMANのDJ聴く。
久々に気の抜けない音楽聴く。ライブも大変な事になっていた。
吉祥寺では何かがおきているよ。
僕と同年代の人達がどうしようもない世の中だねとか言っちゃう前に新しい表現をそれぞれ独自に出している姿を観て、こっちももっとやらなきゃあかんよと思いながら、その前にとてもうれしくなるのでした。
ちょっと熱くなってます。

2005年1月28日(金)

歩いて歩いたら、ちょっと考える。
で、あんまり固まらない位のところでまた歩く。
それで行こう。

2005年1月27日(木)

今日は朝から、練馬区練馬、桜台、早宮。
最近は3時間歩けば面白いものが見つけられるようになって来た。
どんなことでもやれば上達するもん。

2005年1月26日(水)

アジェの写真またまた見返している。
絵も描く。

2005年1月25日(火)

今日は朝から、早稲田から神楽坂まで歩く。
あんまりいいものは撮れず。
だから神楽坂だから、お決まりの「くるみ」にいって肉玉そば大盛り750円。
途中古本屋でジャックケルアック「孤独の旅人」ポール オースター「ムーンパレス」が二つでなんと104円で売ってた。ハードカバー。勿論購入。
その後、それがNOVが売ったものだと判明。世の中は狭い。
ジャックケルアックの中に彼が学生の時、家に籠って、ノートに8球団の彼が創造した野球チームで一年間一人一人の打率、防御率なんかも記録するというゲームをやっていたという文章発見。
これもこのまえのデュシャン=ルーセル経路に引っかかってくるなとにらむ。
ビートもこの線という思いがよぎる。
ちょっと推理小説のようだ。独りよがりではありますが。

2005年1月24日(月)

今日は朝から、南池袋、東池袋、南大塚、千石、そして小石川植物園まで歩きまくって撮影する。
南池袋はまさに熱帯地方のようだった。
街の雰囲気、成り立ち、いわゆる人工物の誕生と植物、生物の発生にはやはり関係があるなと直感!
今後、撮影もやり続け、さらに文献調査も必要と感じる。
筒井康隆の「腹立ち半分日記」を100円で池袋の江戸川乱歩御用達のような古本屋で購入。

2005年1月23日(日)

横浜美術館で「デュシャン展」見る。
念願の「階段を下りる裸体」見れました。
さらにコーヒーミルという小さなエッチングの作品に惹かれる。
僕がデュシャンで気になっているところは、彼のコンセプチュアルなところではなくて、彼の作品がもつ肌触り。
作品それぞれ概念だけで成り立っているような彼の作品を見ると、そのモノ自体がもつ質感に次第に惹かれていく。
しまいにはそれがどんな意味をもっているかということなんかどうでもよくなって、モノそのものに気持ちが入っていく。僕にとっては。
グリーンボックスも見る事ができた。
彼はやっぱりレーモンルーセルから相当の影響を受けているなと思う。
大ガラスはルーセルが自分の小説を演劇にしたものから着想を得ているとインタビューで答えてた。
グリーンボックスはサージェント・ペッパー・ロンリー・ハーツ・クラブバンドのように立体的な印刷物だ。
それで僕も本というものを飛び越えていくものをつくりたい。

2005年1月22日(土)

日中、撮影。
今日は日暮里界隈、王子周辺。
上中里、堀船(北区)になぜか熱帯地域発見。
諦めかけたときに出現。
もっととにかく集めてみよう。
何か見えるかもしれん。見えないかもしれん。
アンリ・ルソーの絵をこの前、美術館で見たのを思い出した。

2005年1月21日(金)

NHKでCM製作者石井氏のドキュメントが流れている。
「大阪のおばちゃんのノリ」と彼が秘訣を言っていたのが印象的。

2005年1月20日(木)

ビートルズのサンプリング。
なんで彼らのドラムの音はこんなによく響くのか?
やっぱりリンゴが凄いのか。
僕はカシオキーボードでCDを聞いているのだが、ピアノの練習ができるように、CDの主旋律の音を抜くことが出来るようになっている。伴奏だけになる。
それでビートルズを聴くともっと空間を感じる。挿絵描く。

2005年1月19日(水)

凸版のLORIさんからメール。
彼女は0円ハウスをアメリカに持っていって色んな所へ見せに行ってくれている。
今回のメールは
「持っていったけど、失敗しちゃった」
「でもまた他を試してみるわ!」
といったもの。パワフル。

2005年1月18日(火)

「アフリカの印象」この本は、1910年に出版されたレーモン・ルーセルという作家が書いた作品。
これは、一見するとアフリカの黒人の王の前で繰り広げられる見世物の描写だけだが、実は、物語の一行目と一番最後の行の文が全く同じ音で全く意味が違うようになっている。
つまり、彼はまずその二つの文章を考え出し、それをつないでいくために壮大な物語を書いたのだ。
子供のころの語呂合わせや聞き間違いをそのまま物語として完結させている。
その挿絵を描いてみる。

2005年1月17日(月)

群像の編集部のMさんと高円寺で話す。
同郷同士でびっくり。今回の趣旨を聞く。
どうなるかまだ予想はつかないが面白くなりそうだ。

2005年1月16日(日)

今日は例年だったら「ボロ市」に行くのだけれど、今年は雨が降り止まないのであきらめる。やってないよね。
それで近代美術館で河野グラフィックデザイン展を見る。
「NIPPON」などの表紙をデザインしたりした人だ。
僕は中、後期の作品よりも、やっぱり映画会社の宣伝部に入社した当時のポスター群が抜群だった。
こういう印刷は今では高価になってしまうのか?
僕は全然知らない。知りたい。
あの戦後当時のオフセット印刷はなんであんなにいい色が出ているのか。
何か印刷物に秘密が含まれていてそうで、立体的に見えてくるのだ。
その「くるみ」という広島風お好み焼きやへ。
ここのは旨すぎる。
夜、ヒッチコック「サイコ」。

2005年1月15日(土)

群像の編集部の方から連絡があり、文芸誌だけど、絵を描きませんか?との事。
何でもやってみようということで承諾する。
思いもよらないところから何かが吹き出てくると、自分では逆らって保とうという気持ちも働くが、基本的には身を任せたほうが面白いことが起きる。はずだ。
親父が「荒木・森山 新宿展」今度見に行こうと電話がくる。

2005年1月14日(金)

今日は仕事が昼過ぎに終わって、S君とそのまま大久保へ。
韓国料理屋「ハンヤン」へ。
ハンヤンとは昔のソウルの名前らしい。
ここは、ビールが200円。
といっても樽缶には大きく「発泡酒」と書いてある。その心意気に納得。
しかも午前11時から翌朝5時まで。
中の雰囲気は日本の居酒屋とは違い、すごくユルイ。
そのまま二軒目はその近くの「かぼちゃ」へ。
ここのチジミ、絶品。
三軒目「オアシス」。
近くにいろいろ店があるのだが、それぞれ得意料理が違う。
僕は、そうゆう似ているのだが、少しずつ違っているようなまっすぐな線ではなく揺れている所へいくと、あっいいなと思ってしまうのである。

2005年1月13日(木)

TMYから連絡あり。来月ライブをしないかとの誘い。 7月以来ほとんどやっていなかったので、今回は受ける。 久しぶりなので、ちょっと今まではとは違うことやりたい。 最近またビートルズばっかり聴いているのが 何かの形で出そうだな。これは。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-