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Journal -坂口恭平の毎日-

2004年10月31日(日)

中沢新一「カイエ・ソバージュ」という講義集読む。
この本には今までの彼の考えの集大成という感じがする。
話は神話について。
レヴィ・ストロースが書いた神話論理という書物から出発し、南方熊楠の「燕石考」という燕の巣を漁るという風習が世界各国に散らばっているという、唯一の論文に繋がり、折口信夫の環太平洋を視野にいれた文化の発展の話まで(縄文とインディアンの共通点など・・)あらゆる話が小さいころにみた不思議な物語のように絡み合う・・。
まるで彼の話が神話のように見えてくる。
こうゆう想像力を駆り立てるものを学問というのだろう。

2004年10月30日(土)

今和次郎「住居論」、「生活学」
吉阪隆正「住居学汎論」
伊藤ていじ
建築関連の書物、数冊借りてくる。
今和次郎がやっていた学問は人間の持つ不器用で計算できない世界に前向きな目を向けて、その人間の姿の奥には、もっと不思議な法則が隠されているように感じさせる。
僕がやっているのはまだその表層部分だけのような気がしてくる。
やはり目に見えやすい世界だけをみている。
これでは広がっていかないはずだ。
もっと幅をもってすべてを目の中にいれないと・・。
もっと勉強が必要だ。

2004年10月29日(金)

ブラストからメール。
ギャラが発生しそうだ。ほっとする。
少しづつではあるが仕事ができつつある。
ブラストでは連載のようなものにできるように作品を作り続けよう。
しかし、このように雑誌社から頼まれてやるのではなく、もっと積極的で自家生産的で持続的なものをはやくしたいと焦っていることも事実。
旅行帰りで未だ資金不足。これからは少し軍資金集めをしよう。

2004年10月28日(木)

ユリイカで藤森照信さんの特集をやっている。
これは面白い編集だ。よくこんな特集やったものだ。
ユリイカでは文学者ではない特集があっているとついみたくなってしまう。
そのときはいつも違う脳みそ使っている感じがしてなかなか楽しいからだ。
今回の藤森建築特集では対談が氏と中沢新一氏。すごい組み合わせ。
テーマは立て石などについて。しぶい。
やっぱり今は藤森さんが気持ちよくやっている。時代も追い風になってどんどんやっている。
しかもすこぶる健康的だ。このやり方は今までにない匂いがする。

午後、ライターの朴さんと会う。
AERA用の写真のデータを渡す。お互い大変ですけどがんばりましょかと話す。

2004年10月27日(水)

I君、家に遊びに来る。
ツェッペリンの聞き方にこっちは非常に興味を持つ。
そのあと映画の話も。
いやあ彼は僕の物の受け取り方とは感覚的に全く違うものを持っているのでいつも頭が洗濯されたようになる。
喋ってた映画を借りる。「黒猫・白猫」。
この前見た「ロビンソンの庭」の時を思い出す。
なにかこの二つ匂うぞ。
ストーリーを超えていく人間たちの営み。
チャックベリーも僕の頭をよぎる。説明不要の力。

2004年10月24日(日)

昼飯は新中野のタイ料理屋。
ナンダここは。タイのおばちゃんがやっている日本の定食屋みたいな感じ。
テーブルの上の固い透明のビニールクロス。
午後、初台のオペラシティーにてヴォルフガンフ・ティルマンスの展覧会を見に行く。
僕は彼の写真がずっと気になっている。
入るなり、ガーん。
やっぱり単純にかっこいいね。これは。
でかい写真。印画紙。
その横にはポストカードのようなものがメンディングテープで貼ってある。
大きくドットの粗いインクジェットで出力しているものも全部等価に並べられている。
友達の家で、見たことがなかったカッコいい写真集を見つけたような気分。
つまらないバイトの面接で一緒に面接した人が同じ音楽を好きだった感じ。
そして帰り際に僕の頭の中にはなぜか「アビー・ロード」がアルバムの曲順にちゃんとメドレーのところもきちんと流れ出した。(ような気になった)。
60年代からアビーロードではなく電子音楽からアビーロードへ向かっていった。

夜は伊藤&ホカリ宅でBLAST用の写真を送付。無事完了。
黒霧島を頂く。また伊藤家で漫画読んで寝る。

2004年10月23日(土)

新潟地震。僕は地震に気付かず、めまいが連続的にしているのかなと思っていた。
しかし、4回目の地震でエレベーターが停止し地震と気付く。
新幹線は脱線したらしい。

2004年10月21日(木)

久しぶりに山本政志監督「ロビンソンの庭」観る。
いやあ久しぶりに見て、またぐっときます。
自然と、機械と、人間との関係の描き方に参る。
全部が混じってる、ドライに。
人間と空間との間に生まれる関係はこうゆう方がいい。
でもたまにそれを忘れてしまうときがある。それでたまに見る。
見終わったあとに、何かを作りたくさせてしまうものは何度見ても湧き上がってくるから凄い。
僕もそういうものを作りたい。

2004年10月20日(水)

新宿歩いていたら、ガードレールに括りつけてある巨大なダンボール箱を発見した。
何だろうと中を覗くと、ゴミが入っている。
しかも、ダンボール箱はいくつか並んでいて、分類されている。?
そして横を見ると、一軒の0円ハウス。
なるほど。彼がゴミ箱を作ったのである。
出口が入口と再会、二回目のループ。
一気にボクにはその場が新宿なのに見られない街に見えた。

2004年10月19日(火)

朝の10時成田到着。
なんか本当に久しぶりだなと思う。
フランクフルトで歩きすぎたからだこれは。きっと。
BLASTに送る用の写真のフィルムを整理する。
これも2年前の作品だ。ようやく日の目を浴びる。
BLASTからは今度は報酬をもらわなくては。
しかも定期的に仕事ができるような流れにしていきたい。
凸版のローリンにも定期的に連絡を取っていこう。
こうゆうふうに少しずつっていうところだろう。
でも鼻水が止まらない。

2004年10月18日(月)

帰国の日。
いや今回も山あり谷ありでありましたが。
前回よりは、ちょっと違うこと感じれるようになったような気が。
日本に帰ってからもやらねば。
シャルル・ド・ゴール空港からモスクワへ。
アエロフロートの機内の食事用のコップの色が琥珀みたいで気になる。
もって帰ることにした。
僕は機内では毎度爆睡。

2004年10月17日(日)

朝起きてヴァンブーへ蚤の市パリ編。
おお懐かしい街。戻ってきました。
だけど品物見たら、ブリュッセルの方がいいかも。
しかも安い。
ガラスのティーカップ2セット買う。
その後、いろんなグラス。フライ返し。占めて7ユーロ。
帰りに、中華スーパーに寄って鍋の材料購入。
春菊、えのき、味ぽん、大関(日本酒)、大根。
今日も歩きすぎた。帰ってしばし睡眠。
アントニーとアナヤンシも来れるみたいだ。
やった今日は水炊きパーティー。
8時ごろ少し遅れて、アントニー、アナヤンシ来訪。
アントニーは写真集をプレゼントしてくれた。
アナヤンシはワインの差し入れ。
今日は最終日。どんちゃんやるか!

このふたりとは半年前のパリ売込み大作戦の時に知り合った。
その時も国虎屋というパリにある、日本食レストランで打ち上げした。
今回は私の手料理、水炊き。
鮭と鶏団子も入ってるよ。
アナヤンシが持って来てくれたワインで乾杯。
このメンバーだといきなり話は盛り上がる。
本当に日本人みたいだなこりゃ。
ラテンとは気が合う僕。
言葉は英語、フランス語混じってもう無茶苦茶ですけど・・。
アントニーとアナヤンシは全然両極の感覚を持っているんですけど、両極だから反対からすぐ会える。
意外と話はシンクロしているみたい。もう楽しいから何でもいい。
みんな酔っ払って無茶苦茶言ってるけど、話が繋がっているから不思議なもんです。
水炊きはお口にあっていたようで全部売り切れる。
勿論その後は、ご飯を入れて雑炊。これも売り切れ。
アナヤンシはこうゆうシンプルでヘルシーな日本食すきだから。ほっ。
不思議なことにアントニーは僕の本当にめちゃくちゃな英語のニュアンスがもう分かっているみたいで、絶対わからないかなと思うことでも理解している。
もうあなたは立派な日本人です!
明日帰ると思うと淋しくなるが、、あなた達とは日本での近所の友人のような気がしてきて。
その後僕が買ってきた安いワインも飲み干し、話も喋り捲ってお開き。
ありがとうございました。毎度。
玄関先まで見送ってフィニッシュ!
酔っ払ったが僕日記ようやく今書き終わって即寝!
明日は日本。よい旅でした。

2004年10月16日(土)

朝早く起きて、こうなったら蚤の市!
いってみると、大きくは決してないがかなり充実した品揃い。
僕は食器に(しかも相当安いやつ)目が無いのでひたすら探す。あるある!
こっちの黄色とか水色とかなんでこんなに気持ちいいのか?
しかも安くてボロボロの方ほどいい。
今回は濃ブルーグリーンの灰皿、フランス産の赤いラインがはいった白いカップ&ソーサー。
エメラルドグリーンの醤油入れ。ボロボロのスプーン。木の取っ手がある栓抜きなど・・。
大収穫。
しかも僕が高円寺の近所の西友で買物時に使いたいから買おうと思っていた、籠も発見!1ユーロ!
やっぱり観光はベタに蚤の市です。
昼食はブリュッセルの中心の観光地でパスタ。
渋谷ライオンのディズニー版みたいな店。
そろそろベルギー二回目も終わる。
帰る直前、路上でベルギーワッフル屋発見。忘れてた。1,5ユーロ。
美味っ。本場すごいよこれは!

またまたバスに揺られて夜パリ到着。
とうとう明日は最終日。
朝からまたまた蚤の市いこかね。ビールのんで日記書く。

2004年10月15日(金)

展覧会当日。
朝十時のユーロライン、ブリュッセル行きに乗り込む。
バスで4時間。ちょっと遅れて昼の3時ごろブリュッセル到着。
そのまま展示があるMATRIX ART PROJECTへ。
そこは場末のボロボロの建物を再利用しているギャラリーだった。
オープン前だけど行ってみることにする。
中に入るとなんか慌しい。
なんとまだ設営が終わっていない。えっ?
HOUがいた。挨拶する。
ここが君のスペースだといって紹介してもらうが、合板を建ててあるだけ。
ちょっとがっくり。
話では別々の部屋で、3つとも独立して展示するということになっていたはず・・。
しかも、そんなに大きくないスペースにたくさんのアーティストの作品が所狭しと並びすぎている。
こりゃあいかん!
カレンとも会ったが、僕も正直なんとも返答しようがなく会話も弾まず。

オープニングまで外で観光することに。
ちょっと現場をみて凹んでしまったので、一服しようとカフェによる。
そこはとても気持ちよく素晴らしい場所だった。
そこで色々考える。
今回はHOUからパリから帰ってすぐ話を持ってきてくれて、しかもDVDにしてただ送ってくれ。
という趣旨のものだった。そこだねやっぱり。
自分が直接見て、展示できない展覧会はやっぱり自分の思ったようにはいかない。
当たり前。今回の旅も色々あったがなんとかうまく運んでいると思った矢先のコレは当然きつかった。
でも強引な僕はこれは是が非でも日本で自分で展覧会をやらなあかん!という目標をつくった。
これは今まであまり真剣に思っていなかったことだ。
売り込みをしたらどうにか人がやってくれるかもと思っていた。
やりたかったら自分の思う存分できるほうがいいんだ。
さあベルギービールを飲もう。
アールデコ当時の内装が今ものこるカフェでアルコール重めのベルギービールを一杯。
オープニングにも行ってみるが、やはり予想は的中で観客は入っていたが、ワインも飲み放題じゃない。
しかし、少しは収穫あり。
来ていたベルギー人たちはオープニングの時間過ぎても残って話しをしていて、僕の本に非常に興味を持ってくれた。
女性2人組。そして、ヨハキム、そしてベルギー韓国人のユン。
彼らはどちらもブリュッセルでアーティストとしてやっているらしく、ユンは映画を勉強しているらしい。
しかも、ジャックも来てくれていた。ありがとね。
上のカフェでまたビール飲んで、ユース帰って寝る。
歴史に残る残念。うーん。

2004年10月14日(木)

12時。LES HALLSで滝田さんと待ち合わせ。
あっYOONも来てる。彼女は韓国人でパワフル。
近くのサラダ屋に入る。ここはやってるね。
本を渡す。半年前はお世話になりました。
滝田さんカップルは喜んで見てくれた。うれしいね。
ユースケくんという写真家が訪ねてきてくれる。
日本の雑誌向けに撮っているそうだ。
日本語と英語とフランス語が混じる、交差、僕はもう僕語。得意の。
こういう時は何か始まる。
案の定、YOON興奮し、アイデアでる。
いいね。この流れ。YOON三キュ。
気持ちよくランチも終了。
滝田さんたちはルーブルへ、僕は寝に帰る。

6時にアントニーと展覧会のオープニング。
彼は本当に私によくしてくれる。
友人を紹介してくれ、いいものを見せようとしてくれる。
もう親友だ。それだけで僕は胸一杯。
展覧会はアイランドのアーティストたちの不思議なイカレタもの!
僕はアントニーとただ笑う。飲むワイン。ピーナッツ。食う。
そのまま二次会、バー。ビールアントニーオゴリ。メルシー。
アントニーは今日はスコブルご機嫌。僕の調子もやっぱりご機嫌。
そこで日本語を喋るフランス人発見。
マルク。よこには日本人ゆうこさん。
たまたま日本から旅行に来ているそうだ。
彼は日本で日本のアーティストをヨーロッパに紹介するギャラリーを作りたいと願う良きフランス人で。
でもいっつもは再現ビデオにもでてるらしく、「再現」「再現」といっていて笑う。
今日は僕も調子よく、酔っ払う。
会話は今日はメトロポリタン。こうゆう時はアタマがオープン。
よい時。噛みしめる。
アントニーはいつもどおり帰ってから日本食レストランで会うことを約束。
明日は早くブリュッセルに出発するので帰る。

帰ってから くるり TEAM ROCK 聴く。
カレーの歌にしびれる。
明日はARGOSのオープニング。
僕はいい仕事ができそうな気がする。
明日は初の展覧会。しっかり寝るか!

2004年10月13日(水)

お昼過ぎブラストというこっちの雑誌の編集をしているオードリーに電話。
4時ごろ会おうということに。歩いて向かう。
ブラストの編集室に行くと前回より人も増えていて、忙しくなってそうだった。
僕が出した号の後、また次号を作ったらしい。僕は本を渡す。
さらに、日本から持って来ていた他の写真も売り込む。
オードリーの顔色変わる。オッこれはいけるぞ!
もっとみせる。彼女は他の人をこっちに呼び出す。
こうなったらこっちのもんです。
今回はちょっと前に撮っておいた代々木公園で毎週日曜日に行われる不思議なフリーマーケットの写真。
オードリーは本当に即決です。
その場で6枚選んで、来週日本に帰ったら速攻でおくれ!と。
また6ページ。こっちはすぐ決まって拍子抜け
オードリーはさらに他のディレクターにも紹介したいと言ってくれた。
どうなるか楽しみだ。
僕としてはまた他の写真でこうなったので喜んだ。
こういうふうに日本でもうまくいくといいんだが・・。

2004年10月12日(火)

タンゴの家の近くのOFRという書店に行く。
ここにも本が並んでない。あれれ。
パリには出回ってないようです。
帰国したらちょっと手を打ってみましょう。
そのままメトロでBARBESというアフリカ人街へ。
店に入ると、なんか木の根っこみたいなものばっかり売ってる。
飲んで使うそうだ。
布やさんにも入る お土産にいいかなと思うがこれというモノ見つからず。
雑貨屋さんに入る。
普通の日用品屋さんの方がおもしろいは。
そこでエスプレッソマシーンの安いやつ発見。。
10ユーロ。購入。一番小さいイイサイズ。
前回パリに行った時に気に入ってたカフェに。
ビール一杯。ここはパリで初めて入ったところ。
内装がよく、というか昔のまんまのようで気持ちいい。
でも人気のようで混み混み。

今日は夜にパリの建築事務所で働いている菅原さんが遊びに来るというので餃子を作ろうかということになって、中華スーパーで米、挽肉、白菜、韮、皮を購入。
ここの肉屋のオヤジちょっとおかしいけど。
MENU:餃子、飯、タマゴスープ、サラダ
菅原さん到着。飯出来上がらないのに、話は進む。
僕は吉阪さんとか石山さんの話とかで熱くなってた。
菅原さんも静かに熱くなる。
タマゴスープ出来上がる。
菅原さんが買ってくれたワインが美味くて話も走る。
展覧会とかもやったことがあるらしく、色んなことに興味をもっている。
話しているうちに、ちょっと振り返る。
建築にはまり、60年代カルチャーにどっぷり、でビートにも打たれ、ホールアースとアーキグラムで本を知り、ビデオも撮った。
それで本作って、ビデオ持って今ヨーロッパにいる。
自分が思っていた道とはちょっとずれてるか。
そうやってずれてずれて なるようになる。
これからもずれていくか!
4時間程みっちり喋って、終電間際、菅原さん帰宅。
残りのワイン飲んで寝る。

2004年10月11日(月)

9時起床。腹が鳴ってる。
マーボードーフを作る。これからは自炊です。
昼過ぎに出かける。オデオンで降りて、売り込みに行った本屋にいく。
「モニター」。ないぞ。
「LA hune」。ない。あれれ。
本が並んでません。聞いたら仕入れてもなさそうだ。
ロンドンには結構送っているらしいけど、パリにはないのか。
残念。パリの方が色々周ったのに・・。

カフェで一服。
三時ごろタンゴの友人宅へ。
ドイツ人と日本人のカップル。
家のブルーのドアがいい。
やっぱりこっちは狭くても気持ちの良い空間をつくっている。
バスルームのタイルもいい。
歩いて家まで帰る。
夜は生姜焼き。スープ。お酒かって飲む。明け方寝る。

2004年10月10日(日)

荷物をとりに昨日のライブ会場へ。
しかし、行ってみると空いていない。
今日は日曜日。そりゃあ閉まるよね。
アントニーに電話するが出ず、困っていると一人の男性がドアを開けた。
彼はイリオスといってライブ会場の隣でオフィスを運営している。
そこまでいけたが荷物はまだない。そこで他のメンバーに電話する。
ようやく繋がり、向かってくれるらしい。
しかし、今日はなんとマラソンが中心部であっているらしく、異常なほど交通渋滞。
結局彼らが着いたのが2時昼の。はー。
バスのきっぷを変更。今日は朝から変な日。
そのまま彼らと別れ、イリオスには感謝。

バスに乗る。パリへ。
昨日今日は無計画にやりすぎた。反省。バスで爆睡。
ようやくパリに着いた。久しぶりです。
タンゴの家に着く。お世話になります。
今まで歩きまくっていたので、やっと落ち着けた。
シャワー浴びて、疲れて寝る。

2004年10月9日(土)

昨日寒すぎて風邪気味。体調優れず。
朝、ジャックと朝食。近くで買ってきてくれたパンが美味過ぎて食べまくる。
胡桃とか向日葵の種とか色々入っているやつ。
ここのマーマレードも美味いね。こっちはどこもジャムが美味い。
コーヒー。美味い。パスカルが降りてくる。
パスカルはジャックの同居人の女性。
小さなダンスカンパニーを運営しているようだ。
パスカルは朝っぱらから元気で、僕と朝からとにかくトーク。
パスカルの友人をたくさん紹介したいらしい。
この人は、人と人を結びつける不思議な人。
体調悪いので、彼女がビタミン剤、あと色んな草のエキスを抽出したような液体をくれる。

車でまたブリュッセルに出発。
BGM キャプテンビーフハート、ボブマーリー。
明け方の高速からの眺め。いい。
ライブ会場では、アントニーがもう準備を始めている。
彼は屋上で、蜂が迷い込んでいる所で飛ぶ音を録音している。
その音を、大音量で聞いているとチベットのお経みたいに聞こえる。
ちょっと手伝った後、僕はカレンと昼食に行く。
DVDの件もうまくいったらしく、これで展覧会の準備はばっちり。
中心部ちかくのいわゆる観光地を案内してくれる。
ションベン小僧、チッチャイ!
おいしいクッキー屋さんでお土産買う。
味見コーナーで試食しまくる。おいしいよ。
その後、近くの感じの良いカフェで昼食。パンケーキ屋さんみたいだ。
ハム&チーズをクレープで包んでいるやつ。美味い。
彼女は本当は映像作家をしているらしいが食べていくのは大変らしく、今回の展覧会とかの技術担当をしているそうだ。
他はミュージッククリップとか。
彼女がつくっているDVDをくれた。
モヒカンっぽい金髪。オープニングで会うのを約束して別れる。

その後、夕方からパスカルが車で迎えに来て、朝言っていた人たちの所へ連れて行ってもらう。
行った所は変な、工場のようなところ。
階段を上っていく。凄く異様な場所。
ドラムの音が鳴り響く所へ近づく。ここが彼らの家のようだ。
中に入ると、そこは巨大なアトリエ。
ドラムセット、写真、音楽機材、アンプ、スピーカー、絵などが無造作に並ぶ。
天井は異常なほど高い。
2人のアーティストが住んでいた。パトリック、フィリップ。
パトリックは写真家。フィリップは音楽家。
彼の写真は凄くよかった。とくにロシアで撮った写真が。
ブリュッセルでは面白い人によく会う。
部屋と彼をパチリ。

そのままアントニーのライブへ。
結構人も来ていた。だけど夜遅くに建物全体で大音量の音だしまくっているけどなんで大丈夫なのでしょう。
アントニーのライブは静かな演奏。
車の音が海の音に聞こえる。
演奏が終わってそのまま地下のバーで打ち上げ。
だけど体調が悪く僕はそこで寝まくる。
そのまま明け方近くまでそこにいた。
今日は泊まるところをとっていないのでパリからきてくれたタンゴとミヒャエルと朝まで外にいた。寒すぎ。
ベトナム料理屋。ケバブ屋。そのあと夜のブリュッセル観光。今日は歩きすぎ。

2004年10月8日(金)

ユーロライン(バス)で早朝ブリュッセルに向かう。
昼過ぎに到着。そのままARGOSのオフィスへ。
住所が正確に分からず、徘徊してるとドアが開き、女性が出てくる。
彼女はこっちをみると「恭平?」と。カレンだ。
彼女はARGOSという展覧会祭のテクニカルアドバイザーを担当している。
僕が送ったDVDが一つ足りなかったので渡す。
彼女は忙しかったので明日昼食を一緒に食べる約束をして別れる。
アントニーに電話すると近くで明日のライブの準備をしているらしく、出てきてくれた。
半年ぶりの再会。そのままライブ会場に向かう。
そこは若い会社が共同して運営しているような場所で、明日はそこの大部分を使ってライブをするようだ。
日本からはネット上から粉川哲夫氏が参加するそうだ。
夜はアントニーの友人のジャックが郊外の自分の家まで車で送ってくれ、しかも泊めてくれた。
ジャックは音楽学校でバスクラリネットを教えているらしく、それで自分では電子音楽にはまりこんでいる。
家にはラジオを分解したような回線が置かれている。古いラジオ使っている。
屋根裏部屋に寝る。自分でところどころ改造していていいスペース。でもちょっと寒い。

2004年10月7日(木)

朝から外出。川沿いの現代美術館でドイツ作家の展覧会があっていた。
ベッヒャー夫妻の貯水タンクの写真が見れた。
ヨゼフボイスの作品も。キーファーも。
ボイスのフェルトで作ったジャケットがいい。
明日ブリュッセルに向かうので、駅でバスチケット購入。30ユーロ。
フランス人の友人アントニーが明日ブリュッセルでライブをするので観にいく。
今日は昼過ぎにブックフェアー。
まずは凸版に挨拶。また大西さんが来ていた。
ちょっと疲れているみたいだったので館内のカフェで一緒に飲みませんかと誘う。
話をしていたら盛り上がって、大西さん次第に熱くなってきた。僕も熱くなってきた。
凸版のローリンと昨日に引き続き話をする。
これはおもしろくなりそうだ。
IDEA BOOKというアムステルダムの出版社の大西さんという女性に会う。
彼女は既に知っていてくれて、これはぜひアムステルダムで紹介したいとのこと。
あと本の流通について色々話を聞く。
後は他のブースを見てブックフェアを後にする。
今回はまたこれまでとは違った流れを感じる。
ホテルに帰って、ヨゼフ、レーガンと別れの挨拶。
このブックフェアは一度見ておいて良かった。
でも僕は次に早くとりかかりたい。

2004年10月6日(水)

ユースで朝食。食べ放題。
パンとハムとレタスとコーンフレーク、ココア、コーヒー、ジャムパイ。
ついでに昼食用も作っとこうと。
ブックフェアに向かう。
入ってみると人、人、人。
何でこんなに人がいるの?中入ってまたびっくり。
広っ!中でバスが走ってるよ。
中には10の展示場があり、その一つでも恐ろしく広い。
ここでは版権の売買が主に行われていて、出版社どうし半年も前から商談の予定をいれているような完全にビジネスの場所。
僕は何をしようというのか?まあ 歩いて様子を伺おう。

どこも打ち合わせに忙しい。
でもコノ規模は本当に凄いね。
4号館は美術書専門館。ここがいいかも。
一冊だけの手作り本なんかも置いてあり、ここは他のところとはちょっと違う。
ART DATAもあった。ここは僕の本をロンドンで販売してくれている出版社だ。
あっ、あった。並んでいますよ0円ハウス。変な気分。でもウレシイ。
あとリトルモアの本が色々と並んである。
他の国の出版社にもいろいろ見せてみることにした。
結構興味もってくれているようだ。
でもどうゆうふうにしたら良いかはまだなかなかつかめず。
それより面白いのでブースを見まくる。歩いても歩いても本が並ぶ。
これだけの本が1年の間に生まれてるのかと実感。

今回のブックフェアについて協力をしてくれた凸版のブースにも行ってみる。
0円ハウスはここにも並べてもらってる。
凸版の島田さんを見つけたので挨拶。
裏の控え室でお茶をいただく。ありがたい。
宙出版の大西さんを紹介してもらう。
大西さんは来年からブックフェアーに参加しようと計画しているらしい。「MANGA」の出版社だ。
漫画はここでも凄い。ブースには人が群がっている。
コミックと漫画は分けられているそうだ。漫画は海外でも右綴じらしい。
凸版はアメリカにもオフィスがあり、ローリンという女性を紹介してもらう。
彼女は今回のブックフェアで僕の本を見てくれていて、しかも気に入ってくれているみたいで0円ハウスをアメリカのいくつかの出版社に紹介したいといってくれた。
彼女はビジネスというより自分のしたいことをやっていきたいんだと日本語で語った。
僕の今後の計画などを話すと彼女の中でいろいろ広がったようで、いくつか当たってみてくれるそうだ。
楽しみである。やっぱり現場にいくと何かに出逢う。バチバチっと。

午前中から夕方までみっちり歩いたので疲れて帰ってそのまま睡眠。
起きて同居人のヨゼフは今日は寝ていて、隣のレーガンがどっか飲みにいこうとお誘い。
ホテルの裏道はなんか古い居酒屋が集まっているところだったのでそこにいってみる。
一軒目ドイツの昔ながらの居酒屋。二軒目アイリッシュパブ、三軒目ラテンバー。
彼は日本に相当入れ込んでいるらしく、しかもまた漫画。
GTO、頭文字Dとかいろいろ熱く語ってた。日本にまた戻ってくるらしい。
そのまま2人で酔っ払って帰って爆睡。

2004年10月5日(火)

モスクワ経由でフランクフルト到着。
いきなりカードの暗証番号を間違えていて、カードがロックされるというハプニング。
やっちゃってます。JTBフランクフルト支局で再発行ができるというので向かう。
無事再発行でき、そのままユースホステルへ。
日本では予約が一杯でやばいかなと思ってたけど、普通に宿泊できる。一泊20ユーロ、朝食付き。
フランクフルトはあんまり見るところもなく、ユースホステルの近くのマイン川を散歩。
部屋は4人部屋。僕が出かけようとしていると一人のおじさんが入ってくる。
とにかく僕に喋りかけてくる。だけど何を言っているのか分からない。
どうにかポーランド人であることが判明。止まらずどんどん喋る。
名前はヨゼフ、息子はアダム。むちゃくちゃ笑顔。
僕が出かけようとすると、待てと呼ぶ。
ヨゼフと散歩開始。また川沿い。
僕の本を見せると、興奮しだして息子に電話。
アダムはワルシャワで建築家をやっているらしく電話をしたようだ。
でもヨゼフは相変わらずポーランド語。でもとても親切。
部屋に帰って、彼が紅茶を沸かしてくれる。でもその後その湯沸かし器が火を噴いてこわれるというハプニング!
でも勿論ヨゼフは笑顔。あなたは素晴らしい。
美味しいパンもジャムも出してくれて、ティータイム。
そのジャムはどうやら手作りのブルベリージャムのようだ。
瓶にはバターも一緒に入れていて、美味かった。
でもそれよりその瓶が年季が入っていて僕には凄く気になった。
空港でインド人が話してきて、彼はタブラ奏者でワルシャワにコンサートに行く途中だったのを思い出す。
今日はワルシャワづいている。ワルシャワ。
明日はブックフェアー。楽しみ。

2004年10月4日(月)欧州日記2 ドイツ、ベルギー編

とうとう出発の日。
今空港から日記書いてます。
フランクフルトでは日本語のネットが無いかもしれないので、実況中継はできないのかも。
今回は前回の売り込みオンリーの旅ではなく、ブックフェアー、そして展覧会とちょっと何かが起きそうな予感もする。
しかし、その目的だけでなくそこから抜け出たところを掴んできたい。
ベルリンにも行ってみたいのだが、どうだろうか?
フランスで知り合ったアントニーのライブがブリュッセルであるのも楽しみだ。
トランジットのモスクワは寒いのか?
とにかくまずはブックフェアー。どんどん売り込んでみましょう。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-