Vancourver Journal 2011

Vol05. オープニング&パーティー

21th Apr,2011

 2011年4月21日(木)。とうとうオープニングがやってきた。準備も万端。元センターAのディレクターであるハンク・ブルが自分の家からレーモンルーセルの「アフリカの印象」の英語版のファーストプリントを持ってきてくれた。それも一緒に飾る。ハンク・ブルは、ウエスタンフロントというアートスペース、レジデンスを60年代に興したアーティストで、そのウエスタンフロントには、ウィリアムズ・バロウズが何度も訪れていた。ローリー・アンダーソンの初めてのパフォーマンスもここで行われた。本当にやばいところなのである。バンクーバーがアートの濃いところだということはほとんど誰も日本人は知らないけれど、無茶苦茶ディープで、僕が好きな人はみんなバンクーバーを通過している。バロウズ、ローリーアンダーソン、ジミヘン、フィリップ・K・ディック、ウィリアム・ギブスン(しかも、ギブスンは僕のバンクーバー美術館での個展を何度も訪れてくれたという。しかも、今度出る本のタイトルにはZEROという言葉が含まれているとのこと)など、とにかくやばいんである。知ってもらいたいが、説明しても意味がない。ここに来ないと駄目だ。

展示風景。まるでコマーシャルギャラリーのようになってる笑。展覧会オープン前にもかかわらず、たくさんのコレクターの人が来てくれた。しかも、新しい人まで。しかも、ちょっと狂った人が。なぜか僕の周りにはいつもちょっとストレンジな人がやってくる。かなり絵が売れた。やばい、妄想が現実になっていっている。テンションが上がり、そのまま乗り心地の良い狂った車に乗ってドライブしているような、気分になってきた。2009年のトロントの白夜祭の興奮も思い出す。大変なことが起こっているのだろう。でも、もう何でも良くて、とにかく僕はハンドルを握り、ドライブする。

午後6時からトークをした。一時間半も話しちゃったのだが、それが大受けでびっくりした。どうやら少しずつ英語でのトークが上達しているようだ。それはとても嬉しい。溢れるほどたくさんの人が観に来てくれた。多摩川文明もかなり衝撃を受けてくれたようだ。トーク終了後もみんなが質問などをしてくる。展覧会の成功を確信した。

シャーリーン、マキちゃんも観に来てくれた。

親友ポールとパシャ。ポールもバンクーバーでは著名な写真家なのだが、僕は近所のおじちゃん(ゲイだからおばちゃん??)のように付き合ってしまっている。まあ、なんでも楽しければいいのだが。ポールはいつも僕に優しい。色んな情報を教えてくれる。今日はかわいい靴のブランドを教えてもらった。

バンクーバー美術館のキューレーターであるブルースと、アーティストのエリザベスの夫婦と。ブルースが僕を発見してくれてから、人生の全てが変わった。とても僕にとって特別な人。二人とも、展覧会をとても気に入ってくれて喜んでくれた。

アフターパーティーは僕が泊まっているホテルの下にあるクラブで。踊りまくって、また一騒ぎする。

コレクターのリックとドナカップルもやっぱり来てくれた。バンクーバーに行ったとこはいつも多くの人が集まって来て、歓迎してくれる。一体、なぜこんなに歓迎してくれるのか、いまだに謎の部分は多いのだが、確実にこっちのかなり限られたディープな人間たちの集合体と、僕の適当でなんでも良くて、どんなものでも受け入れるのが大好きで、楽しいことしかやりたくない正確がどんぴしゃりなようだ。結局、朝まで踊り狂う。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-