St-Nazaire Journal

Vol03. 作業開始

16th Nov,2007

午前4時に起きちゃってしまって眠れずに諸作業。この絵は今回の展覧会用に描いたDig-ital#3。あと#4も持ってきている。今日はこれを額を選んで入れる作業をする。その後また眠くなり寝る。午前7時半再起床。

ホテルの食堂で朝食誰もいない中、一人で食べる。まだ誰も起きていないのかな。フレークにパイナップル、キウイ、ハム、玉子、パン・オ・ショコラ, カフェ。そのまま歩いてLe LiFE、仕事場まで。

みんな結構ゆっくりしている。これが僕の壁になる予定だがまだ一つしか完成していない。しかし、僕は前の飛行機のチケットギリギリ大作戦を体験しているので動揺せず。彼らは最後に合わせてピシッとやるのだ。でも、僕はいつも設営は速攻終らせるので時間が少し合わさないが郷に入りては郷に従うことにした。従ってゆっくり会場の周りを歩いたりする。

今日の僕の仕事のパートナーであり、今回の展覧会のチーフテクニシャンであるエリック。彼はすごく技術がありスマート。いい顔をしている。彼と一緒に鉄材屋に行って必要な材料を選ぶ。

金属の並べ方が格好良すぎて完全に萌える。僕はフランスの金属の素材の表面が大好きだ。ジャンプルーヴェとかの匂いがプンプンする。エレベータとか切符売り場とかがいい。

その後、エリックは別の仕事へ行ったのでLe LiFEを離れてMarieと一緒に画材屋とプリント会社に作品の額装、プリントアウトの件で訪ねる。この辺り、うまく人に協力してもらってやる事が大切である。皆ちゃんと伝えれば動いてくれる。言わなければいい対応は望めない。当たり前であるが、いつも勉強になる。うまく時間を使って行こう。Marieはまだここのスタッフになったばかりで初々しい。チームが好きでアートセンターばかりを渡り歩いている展覧会準備マニア。なんか面白い人。他のアートセンターにも次いでに連れて行ってくれた。スロバキアのアーティストの展示を見る。政治的なインスピレーションをまったく違う形に変形していくかなり興味深い作品だった。

で、額縁屋に行く。セザンヌの時代からいそうな感じの髭もじゃのグッドマン。額縁に対してかなりの思想があり、僕も途中から全任するが少し高いと思う。うまく予算と合うか見積もりをお願いする。でもお願いしたい。クリストフとも相談する。こういうところが一番面白い。祐天寺のスーパー額縁屋小林さんのフランスバージョン。

その後また帰ってきたが材料調達がまだ完了していなかったようだ。よって時間が空いたので次いでにLe LiFE周りの調査。ここは隣のドック。隣からは今でも水が貼っている。ここは昔、潜水艦が停泊していた軍事施設だからである。

ようやく材料も揃い、さらにプリントアウトの件と額装の件も手筈が整う。一日目にしては順調な動き。だから早めに仕事を切り上げてまた周遊する。浜辺へ向う。ここは戦争で全て破壊された街。そのため古い建物は非常に少なくフランスの中では不思議な街並をしている。

Marieと一緒にプリント屋に行きプリント具合をチェックする。イイ感じじゃないかな、ダコー。0円ハウスの写真18枚の出力を頼む。

部屋へ戻りタイムラグ調整のため一回爆睡。クリストフから電話がありディナーへ行こうぜーとの事なのでヒデさんも一緒に3人で海辺のポーランド人サッカー選手が経営するレストランへ。僕はアジア料理が食べたくなりサテを頼む。赤ワインで乾杯。クリストフはとてもタフ。仕事は8時半までやり、その後ディナーを誘ってくれて今日も11時まで付き合ってくれた。しかもその間は無茶苦茶トークをし続けた。タフさについて考える。

クリストフはワインマニア。今日のワイン、最高にいい。僕はあんまり味は分かりませんが。本日はBourgueil産。彼はボルドーよりも好きなのだそうだ。家族が愛飲していたワインらしい。そういう事を聞くのがとても楽しい。すると僕もつげ義春とか南方熊楠の話をしたくなる。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-