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Journal -坂口恭平の毎日-

2010年8月31日(火)

午後1時過ぎに成田に到着。卓ちゃんと二人で空港でシャワーを浴びる。その後、カツ丼を食べてバスで東京駅へ。電車を乗り継いで神保町。神田三省堂書店本店で太田出版の梅山くんと待ち合わせして喫茶店でジンジャーエールを飲みながら打ち合わせ。その後、三省堂へ。今日は「ゼロか始める都市型狩猟採集生活」出版記念トークショー。ゲストに建築家の隈研吾さん。隈さん午後6時過ぎに颯爽と現れる。午後6時半からトークショースタート。思いの丈を隈さんにぶつける。頭脳明晰百戦錬磨の隈さんに突っ込まれながら、僕もつい建築批判的な発言多くなる。ふふふ。この考え方をもっと社会を変える方tへ突っ込んでいけという言葉に、よし行こう、と腹を決める。しかし、隈さんの発言に「お前、十年後もちゃんと同じこと言って、ガンガンやってろよー」的な鋭い視線を感じ、こうやってどんどん緊張度の高い仕事を要求されるようになってくるのだなと感じる。これに怯えては駄目なのだ。こういうハードルの高い思考をやり続けることの重要性を教わった気がした。その後、来てくれた人にサイン会。結構建築学科の学生などもいた。その後、太田出版北尾さん、梅山くん、営業の森さん、幻冬舎の竹村さん、タンゴと本田さんと僕とで少し打ち上げをして、竹村さんとも次回作の展望も少し見え、磯部涼からDOMMUNEへ行こうと誘われたが、ちょっと今日は抑えることにして帰宅。アオがお土産を待っていたので、犬と猫とペンギンのぬいぐるみを渡す。興奮してアオ眠れず、僕は疲れて、即爆睡。怒濤の八月が終わった。

2010年8月30日(月) シカゴ日記第6日目

朝8時にロビーで集合。タクシーで空港へ。午前10時過ぎのフライトで成田へ。帰国したその日にトークショーがあるので、とにかく機内で寝ることに。8時間ほど寝る。

2010年8月29日(日) シカゴ日記第5日目

今日はゆっくり起きて、みなで集合して外出。まずは前泊まっていたホテルへ向かい。結婚指輪が無いかともう一度聞く。でも全然受け付けてくれなくて、こちらイライラして、部屋を見せてもらう。そこでもなくて、諦めろと言われるが、そうにも行かず、色々と聞き出していると、いきなり謎の人物が登場、彼に指輪を知らんかと聞くと、ああそれなら俺が拾ったとのこと。キミ、それならすぐにフロントに言ってよ。ということで無事にゲット。安心してシカゴ美術館へ。美術館内のガーデンレストランにてブランチ。ハンバーガー、いっちゃう。その後美術館見学。ここにはジャクソンポロックがある。立体的な絵画であった。ロバートラウシェンバーグもあった。スーラの川沿いの絵も。一時間半ほど堪能。現代美術館にも行き、お土産などを購入。午後4時に電車でオークパークへ。ライトが作った草原住宅の初期であるハートレー邸に取材ができることになった。ここは今でも住人が住んでいる。超金持ちのおじさんが案内してくれた。ライトのことを理解し、ほとんど以前のままに修復して住んでいた。とても居心地のいい空間。夜は、シカゴ一のステーキハウスで最後の晩餐。これがまた美味であった。食後、シカゴの下北沢のようなところでテキーラを飲む。

2010年8月28日(土) シカゴ日記第4日目

時差ボケで目が早く覚めたので外で一服。何もない草原に朝日。その後、車でまたミネラルポイントの街まで。ポインターズカフェという食堂でブレックファースト。パンケーキと卵とベーコン。パンケーキ美味。その後、高速でマディソンへ。ライトがヘンリージョージに影響を受けて、安価なユーソニアン住宅というのを作った。そのうちの一つジェイコブズ邸を見に行く。1と2の二つの家がある。1は外観しか見れなかったが、2は中まで見れて、しかも住んでいる人にインタビューもできた。このジェイコブズ邸2が無茶苦茶かっこいい。ほとんど図版にも載っていないのだが、家全体が植物に覆われていて、ナチュラルハウスそのものである。その後、ライトの傑作ジョンソン・ワックスビルにも行くが、こちらはアポが取れなかったため中には入れず残念。取材後、3時間かけてシカゴに戻ってくる。ちょっと休んで、TIMEOUTを見ていると、なんとフランキーナックルズがDJやると書いてあるじゃないですか。シカゴハウスのゴッドファーザーを、本場のシカゴで!これは見なくてはいけないと、卓ちゃんAKIさんリエちゃんと四人でクラブへ向かう。ホテルに併設されたクラブだったので、短パンの僕は入れず、一度ホテルに戻って、吉祥寺のブリコラージュパンツをはいて再度挑戦するも派手すぎて駄目と言われ、もう一度ホテルに戻って、ギャップの紺のパンツはいて行くと、入口のセキュリティーの黒人に「おめえ、それがサタデーナイトだよ!踊って来な」と握手されてようやく入店。フランキーナックルズばりばりDJしてて、周りには黒人しかいない。みんな踊り狂っていて、僕も参戦。ホテルのラウンジみたいな場所だったにもかかわらず音が無茶苦茶いい。午前2時半ごろまでテキーラ飲みながら踊り狂う。巨漢の黒人女性と一緒になって腰を振り踊る。

2010年8月27日(金) シカゴ日記第3日目

午前6時30分に起きて、チェックアウトの準備。午前7時にロビーで集合し、レンタカーでライト自邸兼スタジオまで。一昨日案内してくれたアダムが今日もガイドをしてくれる。ライト自邸がやばい。常に変化をし続けてきたライトのその過程が家の中の建築に現れている。内部空間が多様に変化している。アダムとかなり熱い議論。その後、スタジオも見学。ここは本当に綺麗に保存されていて、建築を知らない人でも行ったら、気に入ると思う。その後、車で三時間半かけてウィスコンシン州へ。途中でバーガーを食べる。ライトが作った実験場、弟子たちとコミューンを作り共同生活、自給自足をしていたタリアセンへ。案内してもらう。オークパークの自邸とはまた違った雰囲気。ナチュラルハウスの第1号でもある。周りの景色、木一本に至るまで、実は自然のままではなく、操作している。そこがライト建築の特徴。全て操作している。二時間みっちり取材をさせてもらう。その後、近くにあるミネラルポイントという小さな街に行くと、そこが田舎であるにもかかわらず、とても気持ちの良い洒落た街並になっていて、そこにあったカフェ4というピザ屋へ行く。で、ここが無茶苦茶美味った。ピザ4枚食べちゃう。スイーツピザまで。テキーラまで。今回の旅で一番美味しいレストランだった。満足して、部屋に戻る。その後は部屋で勉強。今日はミネラルポイントのホテル泊。結婚指輪をシカゴのホテルに置き忘れてきたことに気付く。電話しても無いと言われる。こりゃやばい。

2010年8月26日(木) シカゴ日記第2日目

朝8時にロビーで集合して、朝食にパニーニ食べて、電車で隣街オークパークへ。ここオークパークにはライトの自邸&スタジオを始め、たくさんのライト建築が今も現役で使われている。無茶苦茶気持ちよい住宅街。リスが走り回っている。まずは、ユニティ教会。障子のような入口から内部に入っていく。ほんと日本好きだな、この人。あまりにも居心地が良く、ベンチに寝転んで寝てしまう。中沢さんのDOMMUNEでのインテリアについての話が頭をよぎる。その後、老舗のアイスクリーム屋でアイス食べて、レンタカーを手配して、車に乗って、イタリアンを食べにいくが、ここのパスタがとんでもない姿をしていて衝撃。その後、ライト建築を車で走りながら、たくさん見ていく。ここに50軒ぐらいあるのである。その中で、ハートレー邸という建築が一番気になった。ウィンズロー邸もいい。ロバート邸は家の中に木が突き刺さっていた。しかし、どれも普通に使われているので中には入れない。のも嫌なので、インドの時と同じように交渉してみる。後日取材ができるかもしれない。午後6時に取材を終了させ、一度家に帰ってゆっくりする。チェルフィッチュの岡田利規さんが毒消丸が欲しいとのメール笑。翼の王国のインド篇でその漢方薬のことを書いたのだが、初めて尋ねられた。岡田さんも以前シカゴに来たことがあるそうで、気に入っているとのこと。ほんと、シカゴは過ごしやすい街。完全にノーマークでした。午後8時、再びみなで集合し、ちょっと離れた郊外の韓国料理屋へ。で、ここのプルコギが美味すぎて食いまくる。その後、お酒飲もーよー、と思ったが、みな疲れており帰っていったので、泣く泣く帰宅。部屋で帰国したその足で向かう8月31日の三省堂本店での隈研吾さんとのトークショーの予習。建築家の方とちゃんと話すのは初めてなのでとても楽しみである。もうちょっとチケットはあるようですので、まだの方は是非!とてもスリリングな日になると思います。明日は朝が早いので、12時に寝る。明日はライトが作った桃源郷、タリアセンにも行くことになっている。

2010年8月25日(水) シカゴ日記第1日目

朝6時に起床。急いで着替えて外出。電車に乗って、成田空港へ。全日空カウンターにて翼の王国編集部卓ちゃんと写真家のAKIさんと待ち合わせ。香港、インドに続き、3回目の旅。メンバーがいつも一緒なので、旅がずっと続いているような目眩を感じる。腰が痛いのが心配だったが、連日の整骨院でのマッサージが効いたようで調子がいい。カツ丼を食べて、飛行機に乗り込む。スラムドッグミリオネラを機内で鑑賞。無茶苦茶面白い。しかも、この前行ったムンバイの映画なので臨場感バッチリ。機内で豚の生姜焼き丼と美味すぎるハンバーガーを食べて、シカゴに上陸。今回コーディネートをしてくれるニューヨーク在住のリエちゃんと待ち合わせ。タクシーでまずはホテルへ。一杯珈琲を飲んで、いきなりロビー邸へ。僕が中学生の時に、ライトの写真集を見て、初めて感動した建築物だ。感慨深い。あの頃の初期衝動のまま、今こんな状態になっている。なんとも不思議な気持ち。で、ロビー邸がいい。しかもシカゴ大学周辺の環境がとても素晴らしく、今回の建築の旅もやはりよいものになりそうな気がいきなりする。シカゴの街もとても過ごしやすい。街が綺麗である。バンクーバーにも少し似ている。オバマ大統領がよく通っていた南部料理の食堂にてパスタを食べてランチ。その後、ホテルでチェックイン。部屋で少し仕事。今日の日経新聞夕刊でゼロから始める都市型狩猟採集生活の書評が掲載されたそうだ。読売新聞に続き、幸先いい。メールの返信。で、また外出。みなでシカゴ探索。高層タワーから眺めたり、フランクゲーリーの建築を見たり、ミースの建築を見たりする。夜はタイ料理屋。スターオブシャム。ここがまた美味い。シカゴ、飯が美味い。その後、熱く語り、シカゴの熱によって完全に気分が上がる。ホテルのバーにもよってテキーラを一杯引っかけ、部屋へ戻る。今日は長い一日だった。明日はライトの自邸兼スタジオへお邪魔することに。シカゴの旅、これは面白くなりそうだ。

2010年8月24日(火)

午前中外出。エクセシオールへ。小学館月刊スピリッツ「路上力」連載第14回の原稿1600字。二時間で書き終わり送信。その後、すばる連載のゲラチェック。こちらも終了し、家に帰ってくる。家で路上力の絵も描く。それらを送信。これでシカゴ出発前の仕事が無事に全て終了。これでシカゴのライトに集中できる。卓ちゃんからシカゴのスケジュールが送られてくる。ロビー邸、ジョンソン・ワックス・ビル、ジェイコブズ邸、タリアセンなど、落水荘だけは観れなくて残念なのだが、それ以外は大体いけそうである。その後、アオを連れて二人で立川駅へ。世界堂で明日からの旅行用のスケッチブックとペンを購入。その後、伊勢丹のおもちゃ売り場で得意のウィンドウショッピングをアオと二人でみっちり入念に行う。その後、ドーナツ屋でドーナツ食べて家に帰ってくる。家で明日の旅行の準備。夕食はハンバーグ、ポテトサラダ。アメリカの申請も済ませ準備万端。

2010年8月23日(月)

朝から、原稿。終わって、絵を描く。エココロ連載「家をめぐる冒険」第3回はクルト・シュビッタース。メルツ建築の内観の絵を描く。二時間で終了。宅急便で送る。その後、すばる「モバイルハウスのつくりかた」連載第2回のための絵。新しいインフラシステムの絵。描いて送信。その後、すばる飛鳥さんからゲラが送られてくる。「建築と日常」を作っている長島くんから映画と空間についてのガイドブックの原稿依頼来るも、僕はいつも勘違い、意訳、誤読ばかりなので、ガイドブックは書いちゃいけないだろうとお断りする。北尾さんと電話。ヘンリー・ジョージについて。新しく書こうとしている土地所有についての本のことを話す。自由大学の黒崎さんからメールがあり、10月に開講する予定のゼロ円ハウス学についてのたたき台が送られてくる。これは面白くなりそう。

2010年8月22日(日)

朝、読売新聞をチェック。読書欄で「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」の書評!by椹木野衣氏!文章を読む。素晴らしい。嬉しかった。今日はフーが友人の結婚式に行ったので、アオと二人で遊ぶ。まず、家の前の国分寺第二小学校で、国分寺市あげての巨大防災訓練に炎天下の最中、参加する。が、なんか上からのパースで見ている方が臨場感があったので、ちょこっと参加し、後はベランダから参加する。その後、アオと外出。吉祥寺へ。バサラブックスの関根のところへ行く。バサラブックスは気合いを入れて売ってくれている。売れた?と聞くと「はい」と自信満々の声。ありがたいかぎり。バサラブックスで多摩川文明を上映してくれと言われたので、そのうちやるかもしれません。その後、OIOIの前でやっている果物フェアでアオと二人で味見をし、井の頭公園へ。二人でもちろんボートに乗る。その後、フーが来て、家に帰ってくる。ここ最近、踊りすぎていて、腰がぶっ壊れている。やばい。これでシカゴ行きの飛行機に乗ったら撃沈しそうである。夜、フランクロイドライトのドキュメンタリーを観る。

2010年8月21日(土)

朝10時に帰ってくる。ここ最近ずっと帰っていなかったので、フー激怒しているかと思ったが、そうでもないので、逆に恐い。眠るのも悪いので、そのままフーアオと三人で外出。喫茶店でマンゴースムージー飲みながら一服したり、エルマーの冒険をアオに読んだりする。文房具屋をアオと物色。スケッチブックを買う。その後、一度家に帰ってきて、再度外出し、中一素食店にて、ノブと徹平とフーとアオと僕の5人で夕食。ここまじでうまいです。素食というのは台湾のヴィーガン料理のこと。餃子も担々麺も鳥の唐揚げもあるんだけど、全部肉っぽいのは大豆です。その後、家に帰ってきて、みんなで珈琲を飲みながら、音楽を聴く。結局、家の中クラブ状態になり、Quantic & His Combo Barbaroを流しながら、アオが踊りまくる。午後10すぎまで。おかげでアオは興奮しすぎて夜泣きしてた。週刊朝日から記憶に残る本についての執筆依頼。黒崎さんから電話があり「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」を映画にしたらいいのにと言われる。なんか起こるかもしれん。

2010年8月20日(金)

朝から、原稿。入校前でヤバくなってきている集英社すばる「モバイルハウスのつくりかた」連載第2回目の原稿。4000字をようやく書き終え、送信。ちょっと手直しして、オッケーが出たので入校。無事終了し、安堵。タローが来たので、一緒にいんでぃ庵でカレーを最後に食べようとしたが、閉まっていたので、スタ丼を食べながら、タローに説教。その後、ロージナ茶房へ行き、白ワイン。帰ってきて、外出。渋谷へ。NITというイベントのトークショー。建築家の谷尻誠さんと写真家の小山泰介さんと初対面。といっても僕は小山さんの写真が好きで展覧会とか行っていたので、色々と興味津々で話す。三人でのトークセッションはかなり盛り上がったのではないか。二時間以上話した気がする。三者三様でとても実りのあるトークショーだった。その後、来てくれたお客さんと話す。で、お客さんの女の子二人とのんべえ横町でテキーラを飲みながら、話していたら、皆終電前に帰り、頭が覚醒してちょっと飲み終えるわけにもいかなかったので、ついササオに電話をしてしまい、つい磯部涼に電話をしてしまうと、同じ渋谷で七尾旅人くんのリリースパーティの打ち上げ&誕生日会をやっているというので、参加。ササオも遅れて参加。やけのはらくんもいた。8月4日、僕の本と同じ日にアルバムを出したやけくんと色々と話すと、アルバムをくれた。感謝。七尾旅人くんとも色々と話す。DOMMUNE「都市型狩猟採集生活」を見てくれているらしく、ありがたい限り。そして、旅人くんが企画しているコンピに参加してよ、というありえないオファーが入り、こちら舞い上がる。だからまたテキーラ。途中抜け出し、シロクマに顔出し、イクちゃんサキちゃん誘って、また旅人くんパーティに戻ってきて、踊る。朝5時頃まで、その後、僕とササオと磯部涼で、すしざんまいで僕はいつもの卵握り6貫。トークツアー3days最終日、午前6時、さすがに疲れて店で寝てた。その後、電車で東京~高尾間をおそらく2往復し、三時間以上かけて国立へ舞い戻る。

2010年8月19日(木)

朝、戸塚の実家に帰る。アオと久々に会う。汗だらけだったので、風呂に入り、フー母に洗濯してもらう。少し寝て、再び外出。渋谷HMVへ。なんかかなり盛り上がっている。今日は渋谷HMVで曽我部恵一さんと北沢夏音さんと磯部涼と僕の四人でのトークショー。渋谷HMVで一度も買物をしたことが無い僕が出ていいのか、分かりませんが、出てみることに。始まる前に磯部涼と会ったので、センター街の「更科」で飲む。ミヤコも。カツ丼を食べる。で、HMV2階へ。トークの前に、カジヒデキさんがやっていて、それが凄く良くて、テンションが完全に上がる。お客さんが無茶苦茶いて、完全にフェス状態。で、トーク開始。渋谷、街について話す。なんか、面白そうになってきたところで時間切れだったが良かったんじゃないか。磯部涼の渋谷の街の考察が面白かった。で、その後、トークの内容にショックを受けていた東京新聞の記者の人からインタビューを受ける。一階へ行き、PSGを聞く。やばかったです。麦酒買いに行く。この前会った、大原大次郎くんが絵を描いていたので、挨拶。すると、大原くん「多摩川文明のタイトルを描かせて」と言うじゃないですか。ありがたい。その後、TRACKS BOYS聴いて、暴れまくり、たぶん狂っている人だとしか思われてないかも。体にボディペインティングもされて、完全に祝祭の場と化していた。サニーデイ・サービス聴いて感動し、幸せ気持ちになった。北沢夏音さんからシカゴにライトの旅に行くんだよね、はいこれ餞別、と僕が気になっていたライトについての草森紳一さんの本をもらう。これはありがたい。終わって、磯部夫妻、まりちゃん、タンゴと僕で王将でチャーハン食べて、終電で帰ってくる。いやいや連日で疲れている。すばるの原稿を仕上げないといけない。明日の昼までにお願いしますと飛鳥さんから電話。そして、明日もトークショー。建築家の谷尻誠さんと写真家の小山泰介さんと三人で。トークツアー最終日なので、がんばらねば。そして、ちょっとありえない人からメールが来る。TOKYO一坪遺産の感想。一体何が起きているんだ。頭がおかしくなってきた。家帰ってきて、ササオが教えてくれた押井守氏のトークショーをyoutubeで観る。これやばいでしょ。都市型狩猟採集生活に繋がる発想だと思った。そして、DOMMUNE第2回で中沢新一さんと話した、四次元の話、空間感覚にも直結で繋がる話。DOMMUNEに出てもらいたいなどと妄想を抱く。まさか。

2010年8月18日(水)

朝から外出。外苑前のTWIGGYへ。くみちゃんに髪切ってもらう。その後、原宿駅前の黒崎さんの事務所へ。ゼロから始める都市型狩猟採集生活を手渡す。その後、石塚元太良も来て、三人で鰻屋へ行こうとしたが、売り切れていたので、隣の台湾料理屋「麗郷」へ。食べながら、近況を話す。ゲンタロウは今、アラスカで一年間かけて氷河の写真を撮っていて、プリントを見せてもらう。いい感じ。その後、洒落たケーキ屋へ、野郎三人で行き、お茶する。黒崎さんと別れて、ゲンタロウと二人でカフェで麦酒飲みながら話す。午後5時、浅草へ。隅田川の鈴木さんのところへ行く。今日はDOMMUNE。鈴木さんが出演してくれるというので、お迎えに。鈴木さん正装していて、こちら盛り上がる。地下鉄乗り継いで恵比寿へ。午後7時「都市型狩猟採集生活第4話」スタート。まずは鈴木さんとの一時間トーク。で、その後、僕が今撮っている映画「多摩川文明」の一部をプレミア上映。どう受け取られるか、分からなかったが、すごい反響があり、これはしっかり完成させないといけないと思った。今日は歌うつもりなかったが、磯部涼にそそのかされて、結局ナイロビの歌を歌う。鈴木さん、ありがとう。今回は、この番組の新しい方向性が見えたのではないか。最終回のつもりだったが、こちらが盛り上がってしまい、結局やることに。宇川さんに「12回やって、24時間ぶっ続けのDVDを出そうよ」と言われる笑。その後は、L?K?OのDJタイム。こちらもまた大変なことになり、いつものようにバカ踊りしてしまう。テキーラを永遠に飲み続ける。その後、ササオと寿司を食べる。いやあ、楽しい一日でした。

2010年8月17日(火)

朝4時から映画編集作業。結構いい絵が撮れていた。勢い余って完成させる。午後1時まで9時間ぶっ続けで作業。腰が完全にイカれる。その後、タロと二人で国立駅へ行き、いんでぃ庵でチキンカレーを食べ、ハートランド麦酒で乾杯。午後2時半、新宿駅へ。喫茶店らんぶるで、太田出版梅山くん、磯部涼と待ち合わせ。明日のDOMMUNEの打ち合わせ。1時間ほど話して、家に帰ってくる。午後6時病院へ。夜は一人で焼きそば作って、原稿を書く。しかし、腰が痛い。あんまり書けず、寝る。

2010年8月16日(月)

映画「多摩川文明」撮影。ちょっととんでもない家と出会う。中を撮影させてもらう。水洗便所が設備されていた。完全電化生活。これはもう路上生活ではない。その他にも色々と。タローと映画監督の本田さんと三人で。午後5時頃。終了。

2010年8月15日(日)

映画「多摩川文明」撮影。とにかく暑い。炎天下の多摩川で撮影をつづける。夜、家に帰ってきて、飯食べて、疲れ切ったのですぐ寝る。

2010年8月14日(土)

午前中、エクセシオールへ。原稿。エココロ連載「家をめぐる冒険」第3回。クルト・シュヴィッタースのメルツバウについて。2000字書き終わる。その後、浅草へ。隅田川の鈴木さんのところへ芋焼酎持っていく。みっちゃんも混じり、三人で宴。みっちゃんが焼きそば作ってくれた。DOMMUNEに出てくれないかとお願いしたら、いいよ、と言ってくれた。これは面白くなりそうだ。というわけで8月18日(水)のDOMMUNE「都市型狩猟採集生活第3話」は、鈴木正三a.k.a隅田川のエジソンが登場します。夜、タローが大阪からやってくる。今日から一週間うちに泊まることに。二人で多摩川のドキュメンタリー映画を撮る予定。そのパイロット版もDOMMUNEでは流すつもりです。アオはタローになついている。僕は鈴木さんと飲み過ぎて頭が痛く、早めに眠る。黒崎さんから電話。自由大学の講義、早くやろうぜ、とのこと。

2010年8月13日(金)

午前中外出。吉祥寺へ。フーアオと3人で。街を歩いて、ハンバーガーを食べて、僕だけ駅へ。集英社の飛鳥さんと待ち合わせ。すばる連載「モバイルハウスのつくりかた」連載第2回の打ち合わせ。そして、可動式の家を建てる予定の駐車場を探す。で、一軒見つかる。ロケーションもばっちり。その周辺の環境も探る。ここはいいかもしれない。ということで、ここを借りることに。これで次は材料探しだ。二階建てのモバイルハウスを作ろうと思っている。これが出来たら、面白いことになるんじゃないか。貧乏でも家を建てる方法。その後、広尾へ。都立中央図書館。クルト・シュヴィッタースについての資料集め。「切断の時代」という本を見つける。コラージュについての学術的考察。この中にシュヴィッタースのメルツバウについての論文が載っていて、それが凄い。メルツバウについての記述はほとんど存在していないので、これは貴重である。コピーして帰る。午後6時、広尾のマクドナルドで、柏にあるギャラリーISLANDの伊藤さんと待ち合わせ。彼女が企画している展覧会の参加依頼を受ける。僕と遠藤一郎くんと鈴木ヒラクくんの三人展をやろうと考えているようだ。この組み合わせが面白いので話に乗ることに。モバイルハウスができるまでを展示できたらいいのではないかと喋った。その後、遠藤一郎くんも登場し、三人で喋る。

2010年8月12日(木)

朝から外出。広尾へ。都立中央図書館。8月25日から一週間シカゴ周辺のフランクロイドライト建築ツアーに行くので、その予習。大量のライト本を乱読し、気になるものをいくつかピックアップ。地図と照らし合わせて、どこへ行くか考える。午後1時に広尾駅で翼の王国編集の卓さんと待ち合わせ、つけ麺屋で昼飯を食べ、カフェで打ち合わせ。ライトって、知れば知るほどよく分からない建築家で、僕は今頃になって興味を持ち始めている。なので、無茶苦茶楽しみである。打ち合わせ後、また図書館へ戻り、今度はエココロ連載「家をめぐる冒険」用の資料集め。第3回はクルト・シュヴィッタースにする予定。この人が作った三軒のメルツバウ(メルツ建築)がやばすぎる。しかし、ほとんど資料がない。書庫から、とにかく小さくてもなんでもいいから、収集し、コピーして帰ってくる。夜は、塩鯖で御飯をたべる。このいつも食べる長崎産のサバ、本当に美味い。最近我が家はパルシステムです。値段も手頃で、質も良し。魚系はどれも美味。骨まで食べるようになった。夜は、アオに絵本を読んだ後、映画「スキャナーダークリー」を観る。フィリップ・K・ディック原作のドラッグ映画。実写風アニメに魅せられ、ストーリーも良し、かなり面白い。ミュージシャンの曽我部恵一さんのレーベルの方から電話があり、8月19日に、もうすぐ無くなってしまう渋谷HMVで曽我部さんと北沢夏音さんと磯部涼と四人でトークショーをしませんかとの依頼。快諾。しかし、18日はDOMMUNEにて出版記念番組やるし、20日は建築家の谷尻誠さんと写真家の小山泰介さんとのトークショーと続くので、大丈夫かな。まあ、本が出たことだし、何でもやってみることに。柏のISLANDの伊藤さんからも連絡があり、展覧会をやりたいとのこと。こちらはひとまず保留して、話を聞くことに。

2010年8月11日(水)

朝から調べもの。午後、集英社の飛鳥さんと新宿で待ち合わせ。いつもの喫茶店ですばる連載「モバイルハウスのつくりかた」第2回の打ち合わせをした後、取材。モバイルハウスをいよいよ作ろうとしているのだが、その場所探し。なかなか見つからず、家に帰って、ネットで詳しく調べることにした。で、家で探したら、見つかった。明後日、下見に行くことに。場所が決まったらやばいなー。決まればいいなー。その後、資料集め。エンゲルスへ来まして、それならとちょっとだけマルクス方面へと向かおうとしたが、即脳味噌のシャッターが降りてきたので逃げようとしたのだが、マルクスがギリシア人になりたかったという今村仁司さんの文章が気になって、調べていくと、今村仁司さんの書いた「近代の労働観」岩波新書という本にぶち当たった。で、これが凄かった。僕は、ゼロから始める都市型狩猟採集生活、を書いた後に二つの根源的なことに気になり始めている。一つは「なぜ、人は土地を所有するのか」で、もう一つがDOMMUNEでもちょっとだけ話したけど「なぜ、人間は働くのか」なんである。「仕事」と「労働」は違うと僕は常々思っており、そのことを書く書くといいながら、止まっているのだが、その突破口になりそうな教科書的本を発見し、興奮。まず、古代の話から始まる。古代には現代のような労働という概念は存在していなかったということから、二つの事例が出される。一つは古代ギリシア。ギリシアでは、手仕事というのは軽蔑的な恥ずかしい仕事だったらしい。自由人たるもの、手仕事などせず、朝から晩まで広場で思想を語り合うことこそが、最高の仕事だった。アルキメデスですら、自分のメカニックな仕事に対しては否定的だったとのこと。もちろん、これは奴隷制が存在していたから可能だったのではあるが、そうは言っても、この時代労働は存在しなかった。その当時、農業は単なる労働ではなく、宗教と倫理と合体した仕事であったとも。そして、もう一つはニューブリテン島のマエンゲと呼ばれる民族の仕事を紹介している。マエンゲは焼畑農業をしているのだが、彼らは単に農業をしているのではなく、畑の空間配置や、土の匂いや、野菜の色彩などの美しさを競い合っていた。つまり、それは労働ではなく、生活と合一した芸術活動のようなものだったのだ。このように、本来、人間には労働というものは存在しなかった。それが存在するようになったのは、資本主義発生からだが、ここからも面白かった。資本主義が始まってすぐ、農村から都市に流入してきた人々は、まだ農業的、自然的人間なので、仕事をすることもできず、浮浪者、乞食になってしまっていた。それを国家は怠惰である、悪の源であるとみなし、彼らを収容し、「矯正院」と呼ばれる施設で、文字通り矯正をし、時間割を決め、都市型身体に変化させるべく、労働をさせた。これが労働の始まりである、と。貧民は二つの層に分けられた。「貧しい人々」と「人間の屑(ミゼラブル)」である。貧しい人々は、統治者にとっては重要な存在である。なぜならば、彼らが支配者の下で働いてくれるおかげで資本主義は成立するから。しかし、ミゼラブルは何もしないので、これは困ったもんだ、ちゃんと働けるように矯正しようとなる。つまり、現代の労働者たちの祖先は「人間の屑」つまり、浮浪者なんだと。こりゃ面白くて、深夜まで読む。今こそ、この現代の中で、ロビンソンクルーソ的に孤島仕事をやらなくてはいけないのだと僕は思う。都市型狩猟採集民たちは、マエンゲ民族なのかもしれない。そう考えると、学校の時間割って矯正されてますね。完全に。アオは、小学校には入れませんっ!ぶらぶらさせます。

2010年8月10日(火)

朝から吉祥寺へ。フーアオと。ホームで、フー姉とメイとユメに会い、6人で清澄白河へ。東京都現代美術館へ乗り込む。もちろんアリエッティと種田陽平展へ。チケット買ってたから、らくらく入れた。で、中。これ凄いんじゃないかな。ディズニー的なフェイクよりも僕は断然楽しめた。スワロウテイル作った種田さんのセットに生で体験できるのは、他では有り得ないだろうから、それだけでも凄いし、映画の細部まで作り込んでいることもわかり、都市型狩猟採集民的ディテールにも喜ぶ。子ども無茶苦茶よろこんでたし、夏休みの遊びとしても良かったので、満足。三回、回りました。その後、スパゲッティを食べて、家に帰ってきて、花火を見ようとしたが、今回は木に隠れて見れず、近くで摘んできた美味すぎるブルーベリーを食べながら、ジブリのNHKドキュメンタリーを見た。その後、今日はドイツの19世紀末に始まった生活改革運動について調べる。これは僕がやろうとしていることに非常に重要になってきそうな運動で、土地改革、住宅改革だけでなく、菜食主義、ヌーディズム、芸術教育運動、クラフツ運動など総合的に起こった改革。ここで生まれる田園都市ヘレラウについて調べている。まずは、もちろんヘンリー・ジョージの著書に影響を受けた人々が「土地連盟」というのを作る。アドルフ・ダマシュケという土地改革を進めた政治家も気になる。しかし、ここから、土地の公有制度がナチスに託されてしまう。というように、常に、この問題は反資本主義的に捉えられてしまう。でも、僕はそれは違うと思っている。そうではない方法があるはずだ、今、このことを考えていくことはとても重要だと、ほぼ直感だけなのであるが、僕は考えることをやめないことにした。田園都市ヘレラウはカールシュミットという企業人が始めた。カールシュミットで思い出したのが、佐々木中さんがヘンリージョージの名前を出した途端に、教えてくれた本の著者。とまた繋がる。この時代、労働者用の住宅を創造性豊かに作ろうという動きが起こる。そこに、ペーターベーレンスという建築家が出てくる。彼は、ミースの師匠でもある。またここでも三大建築家の一人が登場してきた。ようやく、僕がずっと調べてきた土地公有についての道のりに建築家が現れてきている。

2010年8月9日(月)

再来週からシカゴに建築家フランク・ロイド・ライトを巡る旅を、翼の王国の特集取材で行くことになり、ライト関連のことを調べているのだが、またまた有り得ない展開が。ライトの師匠である、ルイス・サリバンは、僕が今ずっと追いかけている経済学者ヘンリー・ジョージ派の議論グループに属していたのだ。建築と土地公有論が僕の頭の中で合体しそうになってきている。これはヤバい。しかも、ライトだし。しかも、ライトの自伝にはさらに興味深い記述が。「まず、健全な金と見られているこの交換手段に関わる真実を、つぎには、この良き大地のことをー学ばせなければならない。どちらをも現在までわれわれは疎かにしてきた。そしてここにわれわれは、土地についてはへンリー・ジョージ、金についてはシルビオ・ゲゼルを見出す。ヘンリー・ジョージが行った人間の貧困の基礎についての分析は、まだ一度も反駁されてはいない。耐えるための救いをもたらす彼による便宜的な手段は、賛同者より反論者を多く生み出した、というのは、便法が学者的な思考にとって原理より重要だからである。いつものように、手段を目的と間違える鳩の巣穴的な思考である。シルビオ・ゲゼルの 『自然の経済秩序』は、ヘンリー・ジョージがゲゼルの成功に必要であったように、ヘンリー・ジョージの成功に必要であった。二人は、同じ盾の反面であるが調和している。『自然の経済秩序』の前書きと「進歩と貧困」の前書きは、記録された英語の最も美しいものの二例である。両者は、万能薬よりむしろ原理を提示し、それぞれ、利得の手品師である職業的経済人たちには素朴と見える単純さをもって土地と金を扱っている。」やはり建築家で、彼らの考え方に衝撃を受けた人々はいたのだ。これは心強い。というか、このことを建築家たちはもっと知って欲しい。金を持っている人々だけの、勝手な都合で、都市が作られているこの現状を少しは疑問視し、それを自分一人でもいいから改革するように、行動を起こすべきなのに、今、ほとんどの建築家はそんなことやっていては生きてはいけないとばかりに、無自覚に建築物を作り出している。また何かが繋がっている。そんな興奮のまま、今日はDOMMUNEの中沢新一さんとの回が再放送だったので、冷静に見てみた。面白かったんじゃないかな。でも、もっと調べて、行くところまで行って話をしなくてはいかんなと反省もした。もっと僕は世界を変えるようなことをしてみたい。先駆者たちがいるのである。しかし、世の中はまだ変わっていない。ならば、やらなくてはいかんだろう。と思っている。ずっと思っている。ていうか、シカゴに行くのがますます楽しみになってきた。近代建築の父が0円ハウスに迫ってきているのだから。

2010年8月8日(日)

朝、戸塚の実家でゆっくりと過ごす。今日はフーの誕生日なので、お昼は近くにある美味いイタリアンTAKKIにてフーアオ、フー母と四人でランチを食べる。渡り蟹のトマトソーススパゲッティ。麦酒。帰ってきて、家族三人で昼寝。夕方起きて、夕食を食べて、近所でやっている夏祭りに今日も参加。盆踊りを踊る。巨大パチンコ。輪投げ。帰ってきて、ディックを読みながら、知らぬ間に寝てた。

2010年8月7日(土)

家帰ってきて、9月1日発売予定のスイッチ増刊号で掲載される予定のDOMMUNE「都市型狩猟採集生活第2話」with中沢新一氏のゲラを読む。夕方外出し、フーの実家へ。戸塚駅にて下車。ドライカレーを食べて、ゴロゴロ寝る。夏期休業。

2010年8月6日(金)

朝からアオと散歩。ほんと、散歩好きだな、この人。アオを連れ出しながら、一人で考え事。午後外出。セオ・パリッシュ聴きながら、泉岳寺へ。筑摩書房の井口さんと待ち合わせして、タクシーに乗って、秋山祐徳太子さんのお宅へ。普通のアパートなんですが、中がすごいことになっている。足の踏み場もない、というか、床が全て紙類で埋め尽くされており、その上を歩くような感じ。テーブルの上の小さな隙間にコップを置いて、白ワインを飲みながら、インタビューさせてもらう。のっけから秋山節全開で、かっ飛ばされる。しきりに、秋山さんが、今僕の時代が来ている、と言い放っていたのが印象に残る。赤瀬川さんの話も。二時間みっちり話を聞かせてもらう。その後、目黒へ行き、ササオに電話し、二人で「とんき」へ行き、串カツ食べながら酒を飲む。ごちそうになる。感謝。その後、渋谷のエココロ編集部近くの、地下にある謎の昔ながらの立ち飲みやへ行き、焼酎を飲む。ハムカツ食べる。その後、隣の焼き鳥屋へ。デザイナーの大原大次郎くんが来てくれた。初対面。僕は彼の作品がとても好きなので、楽しく話す。DJクリスタルのCDとモジンを頂く。感謝。ササオの奥さんも来る。その後、みんなで下北へ。磯部涼とか前野健太とか松江くんとか北沢夏音さんとか全裸ロックとかいった人々たちに会い、餃子の王将へ。一杯飲んで、MOREへ。MR.MELODYさんを聴いて、磯部涼と二人でタクシーに乗って、グラスルーツへ。CMT聴く。酔っぱらう。終わりまでいて、僕と磯部涼とCMTと三人で、桃太郎寿司へ行き、寿司を食べる。といっても、僕はいつも卵しか食べないんですけど。その後、上島珈琲店で珈琲を飲んで、電車に乗るも、当然寝てしまい、高尾と東京駅を往復したあげく、昼過ぎに帰宅。

2010年8月5日(木)

朝起きて外出。広尾へ。都立中央図書館へ。行く前に昼飯を食べる。で、行くが、今日は休館日だった。あらら。で、近くになんかないかなと思ったら、小学校に併設された図書館があって、そこへ向かう。で、読みたい本がありがたいことにその図書館に全てあったので、椅子に座って読書。エンゲルス「住宅問題」。”今日すでに大都市には住宅用の建物が十分にあるのであって、それを合理的に利用すれば、どの現実の「住宅難」もすぐに救治できるのだ。こういうことは、もちろん、ただ今日の家屋所有者からの収奪によってのみ行うことができる”問題はこの時から、なんにも変わらない。そして、このようなかなり素朴な疑問にエンゲルスも向かっていたというのは、大変励みになる。この本、短いので読みやすい。読了。島本慈子「倒壊」。この本は、阪神大地震でローンを残したまま家を失った人たちを追ったルポタージュ。面白い。調査の仕方が、個人的でありながらも、緻密で、とても参考になる。やはり三十年ローンをしてまで、家を所有しようというのはとても効率の悪いシステムだなと思う。家なんか別に所有なんかしなくても、生きている間、ちょっと借りてればいいのである。早川和男「住宅貧乏物語」。この人の他の本も気になる。三冊じっくり読んで、図書館を出る。帰宅。集英社から「すばる」が送られてきた。「モバイルハウスのつくりかた」連載第一回目が掲載されています。ぜひ。他にもUNIVERSITYに来てくれた批評家杉田俊介くんの加藤智大論がやばい。「ひと」コーナーは、この前ライブテープのトークショーの後の打ち上げであった、神里雄大くんだったり、上海特集では、今度31日に対談する建築家隈研吾氏のインタビューなど、とても気になる内容。家で読む。夜は、家から今年4回目の花火を見る。といってもとても小さいのだが、アオは喜んでいたので、まっいっか。筑摩書房の井口さんから電話。異色住の取材で、超前衛芸術家の秋山裕徳太子さんのお宅へ行けるとのこと。これは楽しみ。と言っていたら、明日行きましょうということになりました。

2010年8月4日(水)

朝起きて、家でしばし作業をして、吉祥寺へ。バサラブックスへ。関根と会い、資料を手渡す。ここは古本屋なのだが、僕の新刊も取り扱ってくれるとのこと。とてもありがたい。その後、関根になんかゆっくり原稿書く喫茶店を教えてくれと言ったら、ダーチャというところを教えてもらったので、そこへ行き、ゆっくりと原稿を書いている。次は、集英社すばる「モバイルハウスのつくりかた」第二回、そして、エココロ「家をめぐる冒険」第三回。どちらもまだどこへ向かうか分からない。とりあえず、色々と思いついたことを書いていく。翼の王国の卓ちゃんから電話。8月25日から31日まで、アメリカはシカゴへ取材旅行することが決定した。フランク・ロイド・ライトを訪ねる旅。0円ハウスを追い求めている男が、コルビュジエに続き、ライトまで探りにいくとは。人生とは分からないものである。とは言っても、僕が一番初めて手にした建築本は、中学三年生の時に手にしたフランク・ロイド・ライトの建築が特集された洋書だった。だから、原点回帰とも言える旅になるはず。31日の午後1時に帰国するのだが、その後、午後6時からは「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」刊行記念トークショーが三省堂書店神保町本店にて開催されます。ゲストは、前回のDOMMUNEでも話題に上がりました、建築家の隈研吾氏です。なんと引き受けて下さいました!これはがんばらんといけません。喫茶店では原稿は進まず、ぼーっと煙草を吸っていた。太田出版の北尾さんからメールがあり、新宿ルミネブックファーストの陳列状態の写真が送られてきた。開けてびっくり。なんと一番目立つポジションに、爆弾積みされており、しかも、横にはあのワンピース最終巻!どちらも熊本出身です。ありがとうございます!書店の方々もこの都市型狩猟採集生活運動を応援してくれてます。感動。で、ほどほどで店を出て、家に帰ってくる。太田出版の梅山くんから連絡があり、8月9日(月)の午後7時からDOMMUNEにて「都市型狩猟採集生活第2回」つまりゲスト中沢新一さんの回が再放送されるとのこと。そして、第4回も8月中に開催されることになった。詳細は後日。中沢さんとのトークは、僕も冷静にパソコンで見てみたいと思っていたので、嬉しい限り。宇川さん、やってくれます。なんだか、発売初日、盛り上がっておりますが、当の僕はまだ書店には行っておらず、現実味は無し。家で読書をする。土地について。エンゲルスの「住宅問題」という本があるらしい。いやいや、どんどん出てくる出てくる。これはまたやばそうな本でございます。しかも、隈さんの「負ける建築」にそのことが書いてあった。少しずつ色んなことが繋がっていく。都市空間の中に無数のレイヤーを発見し、僕はさらにその根元を見たいと思っている。まだまだカオスのまっただ中だが次なる「問い」を見つけたので、答えは必ずやってくるはず。それを信じて突き進むことにする。まずは、この新刊「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」という爆弾を放り投げようと思う。全ての人が余裕で住めるだけの家が立ち並ぶこの日本に、なぜか路上生活者と呼ばれる家を持たない人たちがいる。その視点と、その路上生活者と呼ばれている人々の中には、都市型狩猟採集民がいて、彼らは僕たちが永遠に手に入れることができないような根源的な巣のような家を獲得している。この二つの矛盾。ここに子どもの質問(by中沢新一氏)を突きつけたい。ようやく、自分が考えていることを社会にぶつけるスタートラインに立った。

2010年8月3日(火)

朝起きて、広尾の都立中央図書館へ。資料を漁る。今日は栗本慎一郎氏の著作を中心に。「光の都市・闇の都市」「東京の血はどおーんと騒ぐ」など。都市論を探る。ホント、この人の都市論は面白い。都市は自然で、地方は秩序である、というのには僕もモロに影響受けている。栗本さんと話せたら面白いなと思った。でも、最近は都市論的なことは考えてらっしゃらないのだろうか。しかし、他の本を読んでもやはり「都市は発狂する」よりすごい本はなかった。これ、昔下北沢に住んでいたとき、ドラマの100円ワゴンにたまたま入っていたのを買った。それが今でも影響を受けているんだから、暇な時の100円ワゴン散策は侮れない。で、隈研吾さんの本もさらに読む。夜、家に帰ってくる。帰り道のサンガムという馴染みのカレー屋が長野に移転するというので、寄ってみると、マトンカレーをたくさんくれた。ありがたい。いよいよ明日は全国一斉発売。マグマがもう我慢しきれなくなっている。本が完全に完成してから、4ヶ月待った。待った甲斐があった。その過程で、なんとも偶然に、そして磯部涼に導かれ、DOMMUNEと出会い、宇川さんと出会い、都市型狩猟採集生活という番組が生まれ、中沢新一さんと出会い、話し、養老孟司さんとまで出会い、そして話し、番組を通じて、たくさんの人々の反応を聞くことができた。おかげで皆から本の出版を楽しみにしてるよー、と言ってもらえた。こんな発売まで待ち遠しい感じって、なかなか味わえないだろうなと思った。この待ちに待つ、という懐かしい感じに、小学生の頃のジャンプのような、妄想の中では60年代のロックアルバムのような、ゾクゾクがあるように思える。これも、本当に多くの人々のおかげです。こりゃ、なんか起きちゃうんじゃないだろうか、と僕も久々に興奮しております。さあ、いよいよ出ますよ。坂口恭平シーズン1の集大成。どうぞお楽しみください。そして、頭はシーズン2へ向かっている。土地だ。所有だ。もっと根源的な方向へと足を踏み入れている実感がある。

2010年8月2日(月)

朝起きて外出。フーアオと三人で海へ、由比ケ浜へ。アオは初めての海。泳ぐ。ハンバーガー食べる。麦酒。いよいよ早いところでは明日本が並ぶらしいです。アマゾンでは予約受付中。夜は、トマトソースパスタ。先日選んだ「ゼロから始める都市型狩猟採集生活のルーツ選書」には、もう絶版になっている本は選んでないのだが、栗本慎一郎「都市は発狂する」は選びたかったな、とか思ったので、栗本さんの著作を調べる。なんか思いついたんだけど、この人の本は、今、僕がやろうとしている次の土地の問題の突破口になるかもしれん。明日調査しよう。

2010年8月1日(日)

午前中外出。広尾の都立中央図書館へ。隈研吾氏「負ける建築」「三低主義」「新都市論TOKYO」など著作を探索。考えようとしているポイントに共通点があるかもしれないと思った。これは面白くなるかも。山下和之氏「脱・持ち家神話のすすめ」。普通選挙の父とよばれる中村太八郎という政治家が土地国有論と教育費全額国庫負担運動を日本でかなり昔に提唱しているのだが、彼はヘンリー・ジョージに大きな影響を受けている。ヘンリー・ジョージのことは、アメリカ人宣教師ガルストが日本に広めたらしい。熊本出身の革命家ブラザー、宮崎四兄弟の一人宮崎民蔵もその一人。なんか色々とまた人間が出てきた。隈さんの著作でコレビュジエが「建築か革命か」と言っていたと書いていたのが興味深い。革命を起こさせないために建築が必要なのだ、と。僕がやっているのは、その言葉の中での建築ではない。その後、ノブから電話があり、徹平とキャメロンがアートブックフェアというのをやっているから千代田区に来い、と言うので3331へ。中学校をギャラリーにリノベーションした空間。いっつもこういう建物見てると、どっからお金が出ているのかな、なんて思う。で、見る。そしたら、ダブ丸もブースをたまたま出していて、ばったり。ASOKOという雑誌を作っていた。で、二人で麦酒。途中からユメちゃんも合流。その後、帰宅する。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-