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Journal -坂口恭平の毎日-

2009年2月28日(土)

朝起きて、BS週刊ブックレビューに出ている自分を見る。変な感じだが、そのままだった。リラックスした現場だったのでよかった。今後、何かのきっかけになればいい。明日の夜もやるらしい。その後、ちょびちょびと仕事に取り掛かろうとする。昼食は、戸塚の実家の近くにある美味しいイタリアン、タッキーに行く。明太子のクリーム手打ちパスタを食べる。生麦酒。ここは本当に旨い。場所が移転するらしいので新しい店も楽しみである。その後、外出。電車で横浜駅へ。光文社の山川さんにわざわざ横浜まで来てもらって打ち合わせ。調子が悪くて遅れていたが、そろそろエンジンをかけていく。新しい本の話。さすがにこれも書き下ろししてたら気が遠くなると思ったので、どうにかどこかで連載できませんかとお願いしてみる。今度のテーマは賃貸住宅について。色々とアイデアが出る。一時間ほど話してまとまる。来月から始動することに。他にもストップさせていることがあるので、徐々に進めていこう。しかし、こんな時代に、こんな訳のわからん人間に、仕事を依頼してくれる人たちがいるのである。希望以外の何物でもない。とか色々と頭を使い出したら、構想が吹き出てくる。溜め込んでいたものが出てきている。出来ないと決め込んでいたものを、やってみないと分からないじゃないかと思うようになっている。そうやっていると後頭部をバンと打たれる。そうだそうだ、焦ってはいかん。夕食は、とんかつを食べる。美味。恵比寿麦酒と黒霧島。酒も美味。一人でジャックダニエルをストレートで飲んでいては駄目だ。ノートに作業日程を書き込み、アオと寝る。

2009年2月27日(金)

午前中、来年の9月に行われるトロントでの展覧会のための資料作り。ナイロビで作った自転車彫刻の制作風景をまとめる。トロントでも同じように面白い現地制作ができるといい。現地制作とはいうのは本当にいつも先が見えない。それは不安でもあるのだが、そこに行くまでは気になるが、不思議と現場に辿り着くと、それは楽しみに変わる。決定していないことがたくさんあるということは、その不確定なものが現場へ降り立つとエネルギーに変換されるのだ。これはお風呂理論と一緒なのである。風呂に入るまでは面倒臭いが入ったら、気持ちはいいし、さらに考えあぐねている新しいアイデアも浮かんだりする。というわけで、最近は少し動きが鈍っていたが、それも良しとしてこれからはまた突き進もう。アフリカでの日々の写真を眺めていたら、また気持ちが高ぶってきた。ここでは頭は一切使わず、体を動かし続けて制作していたもんな。それと歌ばっかり歌っていたし。やはり声か。作業中は、デビットバーンのネットラジオを聴いていたのだが、今月はなんと日本の音楽。細野晴臣さんのトリビュートアルバムもかなり使われている。僕はこの中に入っている、キセルがカバーしている四面道歌がとにかく好きで、それをループで聴きながら涙ぐむ。初めて知ったらが、四面道って、シルクロードの道かなにかと思っていたら、実は荻窪の青梅街道と環八の交差点のことだったんですね。僕はよくそこをあてもなく散歩していたので驚く。とにかくこのカバー曲凄い。その後、昼食に油揚げ丼を食べて、フリーペーパー、DICTIONARYのための漫画のラフ制作。面白くなって、一気に仕上げPhotoshopで操作して送信。概ねオッケーとのこと。夕方から外出。フー、アオ、フー母と戸塚の実家へ。夕食は中華料理。麦酒と黒霧島飲んで風呂にも入らず寝る。

2009年2月26日(木)

午前8時起床。その後、またゆっくりする。江戸川乱歩について少々調べものをして、お昼過ぎに外出。原宿駅へ。歩いてNHK放送センターへ。テムジンの佐久間さんと会い、控え室へ。向井万起夫さん、神津カンナさんと挨拶をする。プロデューサーの吉田さんと初対面。吉田さんは僕の本を読んで気に入ってくれていたらしく話が弾む。クマが酷かったのでメイクしました。司会の三舩優子さん、中江有里さんとも挨拶し、台本を渡される。その後、セットへ移動しリハーサルをして本番。とても雰囲気のいい現場で全く緊張もせず楽しく話す。乱歩の関して、結構熱くなったのでうまく伝わればいいが。その他、少しカミングアウトなどもしたので、どうなるかな。吉とでれば良し。収録後も吉田さんと隅田川の鈴木さんについて熱く話し合う。何だか面白いところまで来たなあとしみじみ思う。また出たいと思った。このままどこかで一杯行きたいところですが病み上がりなのでタクシーで国立まで帰ってくる。家に帰ってきて、とりあえずストップしていた仕事をもう一度整理する。やることは無茶苦茶ある。今度は一つ一つに集中して目の前のものからどんどん終らせていこう。と、また気持ちが盛りあがるが、落ち着かせる。夜は家でおでんと鮭の粕漬け。恵比寿麦酒。フー母が泊まりにくる。明日からは仕事を始めよう。

2009年2月25日(水)

午前9時起床。病院で、とにかく寝たければ寝てて下さいと素晴らしい一言を貰ったので、寝る。で、昼前に起き出してきて、明日のNHKの収録のための原稿を考える。BSの週刊ブックレビュー。本の書評をするのは本当に緊張する。でも、紹介して思いを伝えたいと熱くなるのも同時にある。ということで、色々と考えながら三冊分書いてみる。なかなか面白くなってきた。その後、他の出演者の方の本も再読する。二月は本当に冬眠状態だったので、そろそろ起き始めようと思う。エネルギーはむくむくとわき起ころうとしている。しかし、フーに少しずつ出してくださいと言われ納得。今年は少しやり方を変えてみようと思う。おかえりなさい、というメールが届く(笑)。感謝。考えていると、また色々と構想が蠢いてくる。面白い漫画が描きたい。いや、落ち着け。夕方、原稿は書き終わる。夜は読書を深夜まで。

2009年2月24日(火)

ようやく戻ってくる。長い長い。10日から結局丸二週間。まっいいか。原稿もほとんど進ませていなかったので、これから少しずつやっていこう。しかし、やろうとすると途端に頭の中で色々と蠢いて発想しようと試み出す。ちょっとは落ち着いてくれ。今回ので分かったこともあるので、うまく生かしていこう。漫画を描いてくれという依頼があるのだが、どうやって描けばいいのかやったことがないので、分からない。でも、やっぱり漫画はずっと描きたいとは思っていたので、どうにかしてみたい。ディックの「ユービック」を読み始める。だからまた拡散してしまうのだ。

2009年2月9日(月)

午前10時頃戸塚を出る。ハザマと武蔵小金井で待ち合わせして、家に帰ってくる。額装した作品を渡す。 最近の状態を話す。どうもやっぱりなかなか調子が上がらないのだ。 休憩をするということを全くやってこなかったんじゃないか、しゃがまないとジャンプできないでしょ、と言われ納得。 自分でも、今頃気付くなよ、とびっくりした。ペース配分無視してぶっとばしてきた。 なので、明日から一週間何もしないことにした。とりあえず違うことをやってみよう。 その後、ハザマの家に行き、そこでもグターとなり、夜は二人で青山の焼き蛤屋にて食事。体に沁みる。

2009年2月8日(日)

朝起きて、立体読書をインクで描く。その後、国立を散歩。喫茶店でインドについての企画書を作る。夕方から外出。戸塚のフーの実家へ。 夕食を食べて泊まる。「大正の夢の設計家」を借りてくる。これは西村伊作という大正時代の建築家についての本。 彼は佐藤春夫の自邸の共同設計者でもあり、「美しき町」のユートピアを空想するテオドル・ブレンタノにも似ている。 立体読書のヒントになりそう。

2009年2月7日(土)

朝起きて、原稿。その後、バンクーバーの原さんとスカイプで打ち合わせ。 トロントでの企画について。少しずつ、僕が本でやっていることと、美術の世界でやっていることが結びついてきているのかもしれない。 それと同時に、またナイロビのようにどこから出てきたのか分からないようなエネルギーの塊のようなものも出てくるといい。 その後、立体読書に取り掛かる。ペンで描いていく。今回はさらに細密画になりそうだ。 夕方過ぎまで進ませる。「タンタンの冒険 その夢と現実」という研究書を読む。これがまた面白い。 タンタンという漫画がどのような過程で描かれたのかが一冊ごとに詳細に記されている。 タンタンが生まれたのは1929年で、これは僕が立体読書を描いている小説の時代とも重なる。 そして、第一巻の中のコマでロシアアヴァンギャルドのマレヴィッチや、デュシャンの「階段を降りる裸体」、未来派に影響を受けていた。 旅先もロシアだった。何か気になって調べていくと、やはりそこには思いもしないような共通点がある。その他、いくつもの写真をもとに 漫画を描いているのだが、それらの写真をもとにした方法として、シュヴァルやルソー、ダーガーとも繋がるような気がする。 そして、それをきちんと新聞漫画として描いているのだからすごい。これは大いに参考になった。

2009年2月6日(金)

とにかく今月は動きまくることにした。自分が今考えている、やりたいと思っていることを、こうなったらとりあえず一ヶ月使ってガンガンやってみる。 やることでしか、次は見えてこない。そして、生活のリズムもちょっと調整、変更してみることに。午前7時起床。午前8時、外出。荻窪の中央図書館で、 インド建築についての調査。新しい企画のため。これは面白い。ぜひ実現したい。二時間やって、その後、歩いて取材。四次元ガーデン。 今日はアンテナが敏感であったようで、いい庭と出会う。これはもうちょっと頻繁に日課にしてもいいかも。と、色々と方向転換しようと試みる。 原稿の直し。半分まで進む。これは同時に挿絵も描いていこ。手塚治虫、小松崎茂、山川惣治、タンタンなど読む。夕食はカレーライスと恵比寿ビール。 その後、立体読書。芥川龍之介「不思議な島」。筆が進んだ。下書きは完成。これはまた面白いものになるんじゃなかろうか。 こうやって絵を描いている時に、全く関係ない事柄どうしを結びつけたりしている。やりたいことは無数にある。 それを片っ端からどんどんやればいいだけじゃないか。

2009年2月5日(木)

午前7時起床。戻ってきた原稿の直し。とにかくこれを面白く仕上げよう。 少し追加取材が必要かもしれない。ご飯を食べさせてたらアオの顔にブツブツが出来たので小児科へ連れて行く。顔の皮膚がかぶれただけだったので安心。帰ってきて、バンクーバーの原さんに、白夜祭のためのアイデアスケッチ等を送信。 ナイロビでの作品の違うバージョンと、全く新しい方向のアイデアも出した。どうやら新しい方で行くことになりそうだ。 これは自分でもいつかやりたいと思っていたこと。しかし、白夜祭は100万人近くの観光客が来るらしく、 それに応えることができるものを作るためには一工夫必要である。そんな祭りに僕が出ちゃうのも信じられないが。 一緒に仕事をする予定の超絶自転車修理工&映画館運営のマルティンが凄そうだ。その後、クリスからも熱い反応が来るが、どういう風にしたら良いか。 こちらは立体読書&Dig-italの展覧会の話。そろそろ体も全開に動かしていきましょ。結局、動かし続けないと、さらに大きい仕事はできんからね。 夕食は、しらすと納豆の丼と、魚力の秋刀魚。夜、「FOUR ROOM」を観る。

2009年2月4日(水)

バケーション。アオとジョニ=ミッチェルで踊る。

2009年2月3日(火)

ランニング。

2009年2月2日(月)

道草。

2009年2月1日(日)

充電。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-