House > Journal > Archives > 2006年 > 10月

Journal -坂口恭平の毎日-

2006年10月31日(火)

Bruceからメール。
またカナダの他の美術館からオファーがあったようだ。
色々、時期などで調整が必要だが、ともあれ、興味を持ってくれているのは嬉しい。

バンクーバー新報が届いた。半ページの特集になっている。
取材してくれた三島さんも展示を喜んでくれているようで、嬉しい。

二つの素晴らしいニュース。

乱歩のエッセイ集読む。
なんだか、この人はやっぱり、小説よりも人自体が面白い。
明日には立体読書の文章書上げよう。

月末の旅行について2、3つ調べる。
京都、伊勢、高野山だもんな。おもしろくなるよ。
vancouver journalみたいなものも書こう。

夜、ここ最近の寝不足、頂に至りて、8時頃爆睡。
12時に起きて、少々作業するも、また朝5時まで爆睡。
起きて、すっきりする。

2006年10月30日(月)

今日は朝から作業。乱歩本乱読。
そしたら、徹也から連絡がある。
なんでも調布駅から自転車で西荻まで来るらしい。
こんな年になって、僕みたいな暇人がいるかと思うと笑えてきた。
彼は僕の上京した一番はじめの寮で一緒だった。
その寮はとても特殊で、かなり不思議な体験をしたのだが、徹也はそのなかでも特殊だった。
今日、話を聞いていると、また色々やっているようだった。

午後3時に今度はJoeが西荻に来た。
今日はなんとジブリ美術館を予約したので、二人で行くことになっている。
大人二人で。子供に混じる。
ちょっと恥ずかしくていけないなぁと思っていたが、
今回Joeが行きたいというので、いい機会と思って予約した。
平日だというのに、超満員。
うん、すごくクオリティが高い。
コレで1000円は安い。
アニメーションの歴史と仕組みが分かりやすく説明してあり、
大人も子供も理解できるようになっている。
何回もきている子供に教えてもらう、僕。
Joeも興奮している。
最後に「めいとこねこバス」という新作の短編映画も見れて、
それが、トトロと千と千尋のミックスもので凄かった。
それを子供と一緒に見ているというのも凄かった。
子供は、もう映画と喋っていた。

夜は家で、チキンを焼いて、あと、鮭のコロッケ。
林さんに久々に電話する。
様々な話。刺激になる1時間半。
色々意気投合し、11月の下旬に、京都、伊勢、高野山ツアーを4・5日間かけて行うことに決定した。
これは面白くなりそうだ。林さんも寮の時の仲間だ。
あのとき、何をしたいとかそんなのナンにも分からず、ただ、何かをやらなくてはと焦燥だけが先回りしていたが、とても楽しかった。
そして、今、あの時の熱くなって交わしていた、若気の至りの精神論が確実に役に立っている。
アレが無かったら、今の僕は無いだろう。
と、はっきりいえる、会話をしていた。
そんな連れともう一度旅をする。

2006年10月29日(日)

朝起きて、寒くないけど、ガスストーブを出した。
今年は少し考えて使おう。

11時半に新宿南口集合。
集まったのは、オヤジ、亮太、美帆、ののか、ジョン、ジョー、リリィ、僕。
ジョンとジョーはニュージャージー兄弟。リリィは初対面。
彼女は若い英語の先生。小学校で教えているらしい。オーストラリア在住の香港人。

皆で、東順永へ。ランチ食べにいく。
チャーハン、五目焼きそば、鶏肉の甘酢和え、かに玉。
麦酒、ジョーはコーラ。ジョーはいつもコーラ。
ののかは相変わらず異常に人間社会がお気に入りのようで、泣かずにいつもへらへらしている。
今日は中華料理屋のシェフのオヤジが気に入ったようで、店員の女の子に連れられて、シェフに会いにいっていた。
なんだろ、このこは。
とにかく笑っている。

その後,中野ブロードウェイへ。
日本オタクの二人と、漫画の旅へ。
でも、実際僕もブロードウェイの中をそんなに知らなかったので、僕が興奮する。
ビックリマンシールとか、カードダスとか、凄いね。昔!

甘味処で、あんみつ、白玉、くずもち食べる。

その後、ふうも合流し、原宿の代々木公園へ。
ヨシがやっているエクリュの出店を拝見。
クッキーいっぱい買った。頑張っとるな。

ジョンとジョー、リリィと別れる。
その後、銀座のコーネリアス新曲発表会にいこうとしたが、
やっぱり定員に達してしまったようで、残念。
それならばということで、渋谷のイメージフォーラムに集合。
NOVも来る。
ツァイミンリャンの「西瓜」がやっていた。
この前、「楽日」を見てぶっとんでしまっているので、楽しみだ。
内容は、水を貯め込む女と、AV男優の変な恋物語。
途中変なミュージカルも挿入されている。
基本はいつものツァイ節炸裂。
会話無し、効果音無しの自然音だけの映像。
今回はカメラの置き場所にまた一工夫見られる。
いい。今回は一回も寝なかった。

映画鑑賞後、「唐そば」で北九州の豚骨ラーメンを食べる。
美味。

2006年10月28日(土)

午後青山に行く。
spiralのレコードショップで色々試聴する。
Arthur Russellの新譜、「Spring Fields」。
彼のダンスに傾倒している時の音源。
でも、だいたい知っているのばっかりだった。
彼のドキュメンタリーが製作中らしい。
見たい。コレは見たい。

あと、WARPレーベルのテクノやjohncageなどの現代音楽をLondon SinfoniettaというLondonの交響楽団が演奏しているアルバム。
これもよかったな。

Corneliusの新譜も聴いた。
これは、うーんどうかな。まだよくわからん。

その後、ふうの母さんと交差点で待ち合わせ、そのまま香咲へ。
やっぱりホットケーキ食べる。
色々喋る。

今日は母さんのご招待で、Bule NoteでのOmar Sosaのライブ!
途中から参加。
ブルーノート初めて行ったけど、こりゃいいね。
気持ちいい。かなりいい席をゲット。
麦酒と、ヘーゼルナッツソースのサラダ、フライドポテト、アンチョビと緑野菜のパスタ、
メインは、越後もち豚の白インゲン豆のソース和え。
ここは食事がうまい。
そして、Omar Sosaの登場。
4人での編成。アフリカン演奏家を従えてのライブ。
マイルスのもうちょっと民族よりにしたような感じの音。
はじめはタテノリでしたが、次第にポリリズム出てきて、横揺れに変化。
お客さんを使ってのポリリズム実演参加曲もあったりで、
おもしろライブ。なんかこの人たちやっぱり音楽の仕方が違う。
音楽の意味が違うんだろうなと考える。
ごちそうさまでした。

2006年10月27日(金)

ロスアンジェルスから来た日本人の御婦人タマエさんと知り合う。
彼女は、7歳からブラジルに行き、ハワイに行き、そして、L.Aに行ったらしい。
話を聞いていると面白く、ずっと聞いていると、
旦那さんがハワイのすばる天文台に勤めているという話。
そして、今日は何しているのと聞かれ、勿論暇していると答えると、
今日は小津安次郎の映画で主演していた女優に会いに行くけど、
面白そうだから来ない?とお誘い。
これは面白そうだからと、お供することに。
話を聞けば、タマエのお母さんが昔、その女優の井上雪子さんという人と親友だったらしく、
ぜひ声を録音して帰りたいという思いで、今日会いに行くらしい。
そんなところに僕が参加していいものかと思いながらも、
面白いことには顔を出さずにはいれませんので、ちょろっとついていく。
東松原の閑静な住宅街。
その中に、重厚なつくりの清家清風のいい家。
それが井上さんの家だった。
なんでも宮大工さんが作ったらしく、内装も素晴らしい。
で,会った井上雪子さんはなんと現在91歳。
しかも、まったくそう見えない。若すぎる!
話は小津さんの話を中心に1920年代の乱歩とも時代がシンクロする、
素晴らしいモボモガトーク。
若い時の写真を見て、ビックリ。
マン・レイがとったような妖しい写真。
なんでも、オランダ人と日本人のハーフだそうです。
最近では塩田監督の「カナリア」と言う映画に60年ぶりに出演したらしく、
なんだかとても元気だ。
なんか僕のおばあちゃんみたいに、僕自身馴染んでしまい、握手して、惜しみながら別れる。

ひょんな偶然から、広がった日でした。

家に帰ってから、チキンをフライパンで、オリーブオイルに浸して熊本から送ってきた、
ハーブソルトを振りかけて、じっくり焼くとびっくりのうますぎるローストチキンで夕食。

rei harakamiの red curbを聞く。
やっぱりこれはいい音楽。

2006年10月26日(木)

昨日のメールマガジンが出てから、海外の友人から見たよと連絡が入る。
みんな見てるんやね。よかった。

今日は久しぶりに杉並区中央図書館に行く。
そこで、江戸川乱歩関連の資料を色々借りてきた。
極めつけは「貼雑年譜」という本で、これは彼がコレまでの自分の歴史を全てスクラップした、自分のコラージュだ。
そのダイジェスト版となって出版されたこの本の中には、彼が今まで移り住んできた住宅の間取り図が全て詳細に描かれている。
平面図がキチンとどれも書き込まれている。
僕はミステリーを書きたかったのではないかと推測している

彼は出版癖があり、それは小学校の時からである。 自作の本を作り続けている。
本とは、いわゆる内なる「空間」である。
そして、彼は自分マニアでもあった。
自分の書いた原稿は全て保管していた。
そうすることで、それも自分というものを編集していた。
なんとなく、そこら辺が気になるんだよね。

夜は、さんまを塩で焼いた。

2006年10月25日(水)

原さんからメール。
今日のe-fluxというアートメールマガジンに掲載されたらしい。
これは非常に面白いところのツボを押す可能性がある。
嬉しいニュースだ。
UBCのウェブ学生新聞でも記事を書いてくれている。
バタフライエフェクト現象が起きてくるはずだ。

立体読書を発展させていこうと思っている。
これをもう少し、自分の中で整理して発表しようと。
ホームページ上でも発表してみよう。
とりあえず、江戸川乱歩のパノラマ奇談について、また新しく構成をし直す。

ブルースから写真が届いた。凄いいいよ。
かなりクオリティ高い写真。
ブルースにメールを送る。
即OKである。
コレを額縁に入れたらホントに良さそうだ。
またあの世界堂の額縁屋さんに頼もうかな。
あの額縁職人は本物の職人である。

最近はそば屋を探すのが趣味である。

2006年10月24日(火)

楽器の家の製作。
作りながらコレは、音が出るから遊んでしまっていかん。
これは僕のなかではガウディのサグラダファミリアと、人間の体から発想を得ている。
どちらも音に関わるからだ。
ガウディの教会、あれは風が吹き抜けると音が鳴るように、楽器のように作られている。
そして、それを考えながら、僕は人間の体も「楽器」なんではないかと思い出した。
しかも、人間はマイクもついていて、音のインプット・録音もでき、
さらにデジタルレコーディング顔負けの編集も記憶を元にできる。
そして、会話は音楽であるように、口からはサックスのような音が出る。
手と足でパーカッション。
お腹の減り具合で、ウーハーを鳴らし、蚊がさせば、スクラッチ。
人間からは様々な音が出る。
そのようなものとしての「家」。
それを次に作ってみようと思っている。
まぁなかなかうまくいかんけど。

marleneからメール。
展覧会やっているとのこと。
彼女はN.Yの素晴らしい写真家。独特の「素敵」な人間。

夜はHUGEというカレー屋に行く。
信じられないほどのスパイスが入っているチキンカレーを食べる。
でも、やっぱり単純にうまいカレーが僕は一番好きだ。
スパイスはちょっとだけ、隠し味が効いているのがすばらしいのに。
ちょっとtoo muchすぎるかな。

帰ってきて、アップルパイ食べる。

欽ちゃんの仮装大賞でこんなのがあった。
http://www.youtube.com/watch?v=S4aDJoysoe8

マトリックスのアナログ版なんであるが、
こちらのほうが、空間的に興奮するのはなんであろうか? やっぱりここに空間の不思議さがある。
仮想現実じゃあなんにも創造性は興奮しないのだ。
自分の身の回りの空間に歪みを見つけ、その隙間をぐうっと広げた時に、
空間が創造しだすのだ。
そのとき、人は知覚だけでなく、体が反応する。

2006年10月23日(月)

午前中4次元ガーデン書く。
お昼は今日は'はつね’のタンメン。なんでこんなにおいしいの?
その後、キーボードを分解して、他の楽器と組み合わせる作業。
なんか地道にネジ回しています。

これは新しい立体作品になる予定。
僕のオリジナルDJブース&ステージ&PA&楽器になる。
全てが混在している、家のような楽器。
ハウス楽器を作ろうとしている。
うまくいくかは知らん。
でも今はコレをやろうとしている。
ある程度集中して、さっと作ってしまいたい。
時間かけると、「なんやこれ?」と気づいてしまいそうだ。
気づく前に作る。
これが僕の作品を作る際の鉄則である。

午後6時までカカリっきりで、その後、アメリカからJOHNの弟、JOEがきているのでまた横浜へ。
今日は、横浜のおいしい広島お好み焼き屋「お好み屋(ハウス)」に行った。
ここは鉄板焼きも有名である。
トマトチーズと、黒豚の塩こしょう焼きを注文。
そして、広島焼き。うまい。
「くるみ」が僕のナンバーワンだけど、ここもたまには食べたくなる味。
鉄板がうまいというのも熱い。
しかも、尾道の人らしい。

JOHNとJOEとも盛り上がる。
ほんとこの人たち、日本大スキやからね。
日本人より、オタクですからね。

今度は三鷹ジブリコースに連れて行ってあげることに決定。

2006年10月22日(日)

深大寺でメイとユメの七五三。
その後,吉祥寺で豆腐料理会食。
それを見ていたら、昔、僕が正月などで、従兄弟や伯父さん達が集まる時の一回性のfestivalについて考え始めた。
正月で不思議だったのが、毎年毎年、盛り上がり方が違うことだった。
それが子供の時の自分にはとても不思議だった。
毎年毎年僕は一年前の正月の盛り上がりを期待して、去年トランプで盛り上がったら、
今年もトランプを!と思って、参加するのだが、それでは意外に盛り上がらない。
そして、あれぇ?っとすこし絶望し、そして忘れた頃に、
今年の新しいクライマックスが始まったりしていた。
それがとにかく不思議だったのだ。
去年面白かったことや、シーンは今年も面白くなるとは限らない。
むしろいつもそれは繰り返すと面白くないのだ。
それよりもそんなことを忘れてしまっているときにこそ、新しい楽しい時間がはじまるのだ。
なんかそういうことを感覚的に僕は幼い頃に強く感じた。
でもさらに面白いのが、やっぱりそれでも僕は去年の面白い時間が忘れられず、
繰り返そうとするのはやめられなかった。

さらにそれを考えながら、このまえのVancouverを見てみると、
僕は当初、Vancouverが面白い場所であるとは全く思わなかった。
まったくイメージをしていなかった。
そのため、何の既成概念も持たず、体験することが出来た。
それは僕にとってHawaiiのときもそうだった。
この二つに共通していることは、どちらも僕が行きたいと思っていった場所ではないということだ。
なぜか意識していったところより、無意識でいったところのほうが心に残る。
そのことと正月のことが僕には何か気になっている。

でも0円ハウスも貯水タンクも移住ライダーも本を作った時も、何でもそうだったような気がする。
僕はこういうものを作ろう!とか、そういったはっきりとした意識を持っていない時につくるものが、
なぜかずっと残っていっている。

それは僕にとっての、脳の使い方とか、モノの考え方を根本的に変革していっている要素になっている。

考えろ!でも考えるな!とか、気持ちよい瞬間は忘れるな、でもそれは気持ちが悪いとか、
そんなことばっかり考えてしまう自分の頭の中が気になる今日この頃である。

その相反する二つの事象の隙間にクリエイティヴが潜む、
しかし、それは求めていても見つからない。
丁度忘れないようにと頭の片隅に置いといて、他の用事にとらわれてついつい忘れてしまう・・・。
あの瞬間が、気になる。
だから、僕は信じられないほど、忘れものするのかな。

夜は青山のJTBに行く。
高梨さんと打ち合わせ。

その後、勿論ホットケーキ食べにいこうとするが、閉店している。

家に帰ると、亮太とデンが遊びにきた。
デンはDIG-ITALを買ってくれた。

2006年10月21日(土)

今日は4次元ガーデンのための撮影に行く。
阿佐ヶ谷のアパート。

スペクテイターの最新号が送られてきた。
立体読書、連載第三回目である。
結構よくできていると思う。
まだ書店で発売されていないのかな。
立体読書も面白く発展させていきたい。
これは僕のいつもかんがえていることの具体化でもあると最近思ってきた。
ここには、本、編集、絵、空間、と僕にとって重要な要素がたくさん含まれている。

2006年10月20日(金)

新国立劇場へ向かう。
午後6寺半から開演のモーツァルトのオペラ、「イドメネオ」を見にいく。
コレはこのオペラの演出家、グリシャ・アサガロフ氏とひょんなことから出会い、
招待してもらって実現したものだ。
新国立劇場大劇場は初めて行ったが、これが大変素晴らしい。
木目の内装で、広い空間。
あの小学校時代の子供劇の衝撃が一瞬にして戻ってきてしまうほどの「包まれ」感である。
一階15列目。なんとアサガロフは僕の横に座った。

えっ?演出家ってこうやって普通に見ていていいのか?
とか思いながら、よこをチラ見するとアサガロフ、もう小さく歌いながら、
手は振りながら入り込んでいる。
目の当たりにして幸運である。
休憩中は白ワインとブリオッシュを食べて、少しセレブ気分。
アサガロフは色んな人と会ったりするのかと思うと、全然。僕と熱く喋ってくれた。
結局二回休憩があり、終演したのは午後10時!
オペラってこんなに長いのか。

しかし、モーツァルトの音楽はやっぱりよかった。
初演は1781年である。

終ると、アサガロフ、「ちょっと待ってて」といって足早に立ち去る。
気づいたら、オンステージで真ん中で拍手喝采浴びていた。
何だか変な気分だった。
しかし、ブラボーと叫ぶ。
そのあと、バックステージへ。
建築に興味あるならと、なんと舞台裏にまで案内してもらった。
デケー。ホントに舞台上はほんの一部分だ。
今回は舞台美術が素晴らしかった。
アサガロフありがとう。
彼は、明日朝6時に家を出るという。
またスイスとドイツで再会を願って別れた。

2006年10月19日(木)

小松義夫さんから本が届いた。
「土と水のドナウ紀行」という本だ。
INAXの新しい企画の本のようで、編集が後藤繁雄氏である。
リング留めスケッチブック風のデザインで、中には35年前のスクラップブックまで。
小松さんの新しい一面が見れる本だ。
小松さんは一度だけお会いしたことがある。
雑誌SPECTATORで、僕が「SHELTER」の著者、
ロイド・カーンとトークをする企画でコーディネイトしてくれたのだ。
その時は汐留で展覧会をなさっていて、行くと話をしようということになって、
珈琲屋で珈琲買って、外のベンチで話した。
小松さんは世界中の家をとっている写真家として有名であるが、
僕が感じたことはこの人の旅が面白すぎるということだ。
写真家とかではないのかもしれない。
旅の仕方が凄すぎる。
あった時は東ヨーロッパのことを熱く話していた。
そしたら手に取った本はルーマニアのことについてだったのでなるほどと思った。
本の編集も小松さんの本来の姿を示していて、興味深い。
ヒマラヤに行った時、吉阪隆正と一緒だったらしく、
それが今にまで影響を与えているといった時によく理解できた。
吉阪つながりだったのだ。
だから動向がとても気になる。

Bruceからメールが届いていて、エディションの写真が出来たとの報告。
名古屋の料亭の写真に決めたいようだ。
見る感じ、よい仕上がりのようです。
とうとうできあがる。
楽しみだ。

2006年10月18日(水)

今日は二年ぶりに築地市場に行った。
といっても目的は朝日新聞社だったのだが、待ち合わせの時間まで築地を歩いた。
僕は23歳から25歳まで築地の青果市場の方で、仲卸の店で働いていた。
バリバリ築地の中だ。
当初、朝一からやって午後は自分の仕事をやろうと考えていったのだが、
そんな甘いわけはなく、知らない間に朝5時から夕方までやるようになってしまい、
完全に築地の人間になっていた。
あの頃、本の話も出ていなく、本にしようとさえ考えていないまま、築地で働いていた。
それはそれで、築地という「新しい国」のようなところの忙しい日々は、
自分にまた何らかの作用を与えた。
そして、さらにこのままじゃいけないと、
本を作るための売り込みを始めるきっかけになったのもここである。
懐かしい場所を久々に訪れると、もうそこは自分の場所ではない気がして、
でもそこが面白かった。
築地はそれぐらい不思議な場所だ。
働いている時は、それが逆で、築地は外国を旅しているように感じた。
それが所属していない時に訪ねても、全くその感じがない。
二つの顔を持っているわけだ。
果物のつんとした匂いがカンボジアを思い出させる。

その後、仕事が終わった矢部さんと会う。
矢部さんは、以前2004年に僕が0円ハウスを出版した際の営業の時に「週刊朝日」の副編集長をやっていた方で、突然の売り込みにも関わらず本を読んでくれ、
さらに「いい!」といってくれ、インタビューをしてくれた。
あのときから二年、また会って報告ができた。
それはとてもうれしいことである。
矢部さんは現在はAERAの編集長代理になられていて、元気バリバリだった。
歩いて、銀座の方に行き、予約しておいてくれたという、
雑居ビルの中のワインバーに連れて行ってくれた。不思議な場所だ。
矢部セレクトは僕の直感で、面白いところに行くんだなと思っていたが・・・ドンピシャ!
女性の方が一人でやっている渋いワインバーでした。
赤かぶやにんじんを豆腐味噌に付けて食べる。椎茸がベラボーにうまい。
そして、最後に鶏とレンズ豆の炊き込みご飯のようなモロカンフードのような、日本料理のような不思議なご飯が美味。
ワインはキャンティ。
話は二人で止まらず、マシンガントーク。
ぼくもこれまであのインタビューから色々あったので、この際伝えておこうと必死になって喋る。
矢部さんも負けじと喋る喋る。
この僕の勘のような会話にピッタシカンカンな矢部さんの返し。
聞いて見るとお互いAB型だし。
その中で、僕がスペクテイターで連載をしている「立体読書」のことに陽性反応がでた。
そのことは可能性があるように感じてもらったようだ。
僕の中で、この連載は地味ではあるが大事な世界だったのでおおいに喜ぶ。
そのことを中心になにか広がるのではないかと盛り上がる。
矢部さんは、自分の出来ることであれば協力したいといってくれた。
本当に面と向かって理解してくれる。
そのことほど励みになるもんはない。 おかげで僕は腹一杯になり,意気揚々となり銀座を出た。

2006年10月17日(火)

dig-italの注文がちょこちょこではあるが来ている。
こういう動きがWEBにも作用してきて、それでまた・・・と、いくつかの運動が混在してくるとWEBというのはいきなり回転運動を始める。
とにかく続ける。それしかテーマはない。

4次元ガーデンの更新。
20回ほどの連載でうまく4次元ガーデンを伝えきれたらなと思う。

母ちゃんと電話。
その中で、次東京来たら山口文象氏設計の林芙美子記念館に行きたいと言っていた。
僕は全く知らなかった。熊本人恐るべし。
熊本人は東京人より東京を知っている。
話を聞いていると、なんだかよさそうだ。
白州正子邸の武相荘のような感じだ。
こういった家はいつも不思議だ。
日本史に残るような建築ではない。
しかし、感じがいい。いつまで居ても飽きない。
そして、過激建築が大スキと思われている僕は、実はこういった建築に感じてしまう。
東京たてもの園も大好きだし。
なんかここらへんの建築物の特集をWEBでやろうかなと考える。
方丈記からの流れ、簡素建築の日本史のようなもの。
そこには0円ハウスの懐にぐぐっと入り込む空間の素がある。

それはいつも僕は周辺のなんでもないような情報から得る。
そこにも真実がある。

今日たまたま知り合ったスイス人は話が合って、話を聞いていくと彼はオペラの演出家であった。
今週の金曜日から始まる新国立劇場のモーツァルトのオペラの演出をやっているそうだ。
やっぱり気合い入っている人は、顔が違う。
僕もそういう人だとついつい話しかけてしまう。

なんと、彼はオープニングの日のチケットをくれた。
よしっ、オペラ、行ってみよう。
感謝である。
すごいね、色んなことが起こるね。

2006年10月16日(月)

昼過ぎに、東京医科大学病院で喘息の定期検診。
もうほとんど大丈夫のようだ。
でも毎日のステロイド治療は続ける必要があるらしい。
ステロイドは嫌なんだけど、とりあえずそれしか方法はないようなのだ。

それが終ってから、新宿の本屋、ブックファーストと紀伊国屋をまわる。
僕の雑誌について、置いてもらおうとお願いしたのだが・・・。
いまいち反応が悪い。後日また連絡しますと言っていたが。
やっぱり本屋はなんだか態度が苦手だ。
置いてもらうのにお願いする行為が自分はなんだか納得がいかない。
バンクーバー美術館とは大違いだ。そりゃそうだが・・・。

これはやり方を変更する必要がある。
置いてもらおうとお願いするのではなく、
僕の作品に共感してくれた人や場所にダイレクトに置きたい。
そのために作品を配布しようと考えている。
注文は幾つか来ているのでそれは嬉しい。
もうちょっと知らせるにはもうひと工夫が必要だ。

まぁこうやっていつもやっては失敗し、対策練ってまた攻めて、の繰り返しだから。

午前中に作っておいた新連載の原稿がウェブ上にアップされた。
4次元ガーデンが新しく始まる。
結構長い連載を予定しているので、乞うご期待。

今日はさらに今shopページに商店街を作ろうとしているので、そのスケッチを描く。
ハザマに送る。どう仕上がるか。

amazonで委託販売をしていることを知る。
そのためにはISBNかJANコードというのが必要らしい。
今週中にそれをとって委託販売を開始してみよう。

ハザマとその点などについて話す。
それと「九州」をテーマにしたウェブについても一考する。

2006年10月15日(日)

今日は昼から鎌倉へ行く。
金沢街道ひた歩き。
北鎌倉からひたすら歩く。
全く無計画でどっちか分からず歩く。
瑞泉寺に着く。

途中でBERGFELDというおいしいと評判のパン屋さんで珈琲を飲む。
帰りにダッチというパイ生地の甘いパン買って食べると本当にうまくてびっくり。
僕はドイツパンが性に合っているらしい。
子供の時に作ってもらっていたドイツのクリスマスパン、シュトーレンの影響だ。
ああいう中身がぎゅっと詰まっている甘いパンが好き。

その後、GARAGEという変な古道具屋。
その横の珈琲用品店とブラジルグッズを売っている店、
そして、ロミさんという人がやっているジャム屋さんとオリーブッ子のような動きをみせる。

ブラジルグッズの店は小さいのにセレクトがよい。

滝之湯に久々に行ってみようと、現場に行ってみると・・・ない!
なんとなくなって駐車場になってしまっていた。
なんとまぁ。
守っていけよと無責任にいうのも・・・と思うが、
ああいう古い素晴らしい無名建築は国や県がしっかりしないといけないと思う。
そういう公共にこそ、素晴らしくクリエイティブな人材が必要なのだと。
あんな広い駐車場がなんで、小さい商店街のド真ん中にいるんだよ。

あそこは素晴らしい建具だった。
銭湯にあんなに木が使われているところは今はもうほとんどない。

御成通りにもいっぱい新しい建物が建っていた。
古い建物を懐かしむのではない、新しい視点で評価する感覚が必要だ。

戸塚にまた帰ってきてふうの母さんと鳥海さんのおばちゃんと僕とふう、4人でタッキーに。
タッキーというのは戸塚の家の近所のイタリア料理屋で、ここがまたうまい。
タコとセロリのパスタ、ワタリガニのトマトパスタ、宮崎豚の粒マスタードロースト、どれもうまい。
こういう小さい良い店が、なんらかのメッセージを発していると感じている最近である。
こういうところを記録したいと思う。

アンソニーからメール。
僕の貯水タンクと移住ライダーを見て、興奮してくれているみたいだ。
嬉しい限りだ。
何かがやっぱり動いているよ。

2006年10月14日(土)

DIG-ITAL初発送。無事届いてくれよ。
今日はふうの実家の戸塚に向かう。
途中のバスの中で、自分の前に小学生が二人話しているのが面白くて仲間に入ってみた。
塾帰りらしい二人。
会話は大人じみていて、聞いていて面白い。
塾はどれぐらいいってんの?と聞くと、
週5。
何年生?
5年生。
勉強は楽しいらしい。
算数が苦手と言っていて、国語が好きという。
じゃあ小説とか読むのと聞くと、
「このまえ書いたよ」という。
それはどんなやつ、と聞くと、
「駄作」と言う。
コイツ、面白いな。
そういうのやってみたいらしい。
オレ、本出したぜ、と自慢すると、
僕も大人になったらやってみようかなと言っていた。
バスの中で、まだバンクーバーの続きの感覚が残っていた。

2006年10月13日(金)

BRUCEからメールがあった。
今度はバンクーバーのGEORGIA STRAIGHTというボクも毎日読んでいた新聞に、展覧会の記事が掲載されていたようだ。いいぞいいぞ。
記事の内容も展覧会のコンセプトをしっかり読み込んでくれていた。

その後、清澄白河で小倉さんと待ち合わせ。
今日は東京都現代美術館で「大竹伸朗 全景」展のオープニングがある。
小倉さんの招待で僕もいけることになった。
さっそく展示室へ。
いきなり、60冊のお手製のスケッチブック。
初めて生のスケッチブックを見る。
僕は大学生の時に大竹さんの作品を知り、のめり込んだ。
僕が本をつくることにもインスピレーションを与えてくれた。

展示は全フロアを使った、前代未聞の規模。
ありすぎて、頭がいたくなったが、エネルギーありすぎ。

しかし,最近は展覧会をみる見方が変わった。
とにかく展示方法とか気になってしょうがない。
いい勉強。

その後、腹減りすぎてお食事をと思ったが、僕たちは次があって食べられなかった。
次は六本木ヒルズの森美術館でBILL VIOLAというヴィデオアーティストのオープニング。
初めて作品を見たが、これは僕はシンクロした。
スーパー高性能のスローモーションカメラで撮影しているのだが、その日常への視点が天体観測的で興味深い。
ボクもそういう視点を空間に向けたいと思っていたので、刺激バリバリ受けて帰ってきた。

シャンパン3杯頂く。
ラルーとフィリップと会う。原さんも合流。
ラルーとピーターと原さんと小倉さんとボクと5人で勿論六本木は三州屋に入って、お茶漬け。

ピーターは初めて会った、カナダ人の在バンコクの映画監督で、今一番気になるのは「九州」といっていた。勘が鋭い。

2006年10月12日(木)

バンクーバーアートギャラリーのテレビ用に使用する写真のデータを送る。
10月17日が放映日らしい。猛スピードだ。

anthonyに、今度僕が参加するINFORMAL ARCHITECTUREに関する講義を
モントリオールでするので画像を送ってくれとのこと。送った。

今週はさらにL.Aに本を送って反応を確かめようと思っている。

Dig-Italの注文が入っていた。オヤジも勿論。

スペクテイターがいよいよ完成間近のようだ。
僕の連載も3回目。10月下旬頃には発売されそうだ。

トミーから12月のライブの依頼も入る。
前回風邪でダウンしたため、今回はやろう。

何やら色んな方向からじわりじわりと動いている。
それがまとまっていくのかなんなのかは分からんが、
こういう確変状態を今は少しコレまでより持続させることが可能になってきた。
とにかく動き続ける。
しかし、それでもブレては駄目だ。
もっと瞬間的な直感をたよりに判断していこう。

2006年10月11日(水)

原さんと六本木で待ち合わせ。
今日はART BY XEROXに展覧会の報告に行く。
宇田川さんと泉澤さんと工房で会う。
このウェブをしっかり見ていてくれて、成功を喜んでくれた。
その成功も今回のXEROXさんのおかげだ。
あの大型出力が展示に迫力を与えた。
とにかくあらゆることを話す。
熱くなって夢中で喋っていると知らぬ間に一時間が経っていた。

今後3年間カナダを巡回するが、そのメンテナンスも対応してくれることになった。
これはさらに心強い。
さらに、展覧会の小冊子のようなものも支援していることを向こうから教えてくれた。
工房を無料で使うことが出来、そこで自分で作ることが出来るようだ。
これはさらに朗報。
動けばその分、また話が広がる。
ここ最近の流れだ。

次は自家製の限定版展覧会カタログか!
コレは面白くなりそうだ!

なにより宇田川さんも泉澤さんもとても喜んでくれて、
そのことが僕にとってはまた喜ばしかった。
いろんなところに自分の行動に関心を持ってくれている人がいる。
それはとても勇気を与えてくれる。

その後、地下鉄で表参道へ。
小倉さんと合流して、NADIFFへ。
Dig-Italの営業。
置いてくれることになりそうだ。
小倉さんと原さんと今後の色々話。
次の目標はヨーロッパ。
だんだんそこへ矛先が向いてきた。

帰りにMOGRA GALLERYに寄っていく。
MOGRA宛に海外から作品を買いたいとの手紙が届いているようだ。
どうなるか・・・。

バンクーバーアートギャラリーから、バンクーバーのテレビ局が僕の展覧会に興味を持ってくれて、なんと番組で取り上げてくれるそうだ。
これは嬉しいニュース。
できれば僕もそこにいて、テレビにでたかったが・・・。
しょうがない。でもこれは非常に効果的な宣伝にもなる。
いずれウェブ上でも紹介しようと思っている。

2006年10月10日(火)

ロサンゼルスに写真データとテキストを送付完了。
写真は19枚送った。
11月公開予定のウェブマガジンで発表される。

Dig-Italの折り込み作業。
A1サイズの紙を3つ折りして、ビニール袋に入れる。
明日からは書店への営業もはじめる予定である。

ハザマがまたウェブを改革してくれた。
今度はSHOPページを立ち上げた。
Dig-Italの発売を開始。
Shopも覗いてみてください。

荻窪で、ふうとハザマとル・クール・ピュ。夕食食べる。
今後の展開の打ち合わせ。
SHOPコーナーの中に街を作ろうと提案。
街の中には僕の店もあるが、ふうのアクセサリーの店もあり、
原さんがディレクターの、INNER ART GALLERYもあって、
とか色んなものが詰め込まれている。
ページは僕が手描きで街を描いて、
店をクリックしたらその店の中が見れるというもの。
街は常に工事が続き、新しい店もゾクゾクオープンする。
そんなページを作ろうと盛り上がる。
ハザマとの最近のブレイントークはかなりヒートアップしてきている。
全てが即座に現実化しているからだ。
思ったことを即実行。
熱さをそのままダイレクトに表現に繋げていける。
これがやりたかったんだ。

2006年10月9日(月)

とにかく今の僕は英語が必修科目なので、どうにかせねばと。
ルミネのブックファーストで一番良さそうなものを勘で選んだ。
英語耳という本。あっ、でもこれ結構刷ってますね。
これは英語を全て発音を覚えることでマスターしていこうというものらしい。
なんとなく言っている事が簡潔で納得し、購入。
ついでに村上春樹さんの「海辺のカフカ」の英語版を少しづつ読もうと思って購入。

1.子音と母音をそらで全て言えるように完璧に習慣化する事。
2.好きな曲を300回聞いて、全てストレスなく聞けるようになる事。
3.ペーパーバックを読む事。

つまり、発音をとにかくやり、発音記号が頭にでてくるほどやり、その後小説で文法、語彙を補っていくという方法。

曲はJAMES TAYLORから選ぶ事にした。
英語に対して初めて真剣になってきた。
とりあえず3ヶ月みっちりやってみよう。

これは禁煙に似ているな。
禁煙とは快感である。
僕は禁煙を実行した時に思った。

これは日記に似ているな。
日記とは快感である。
これは植物に似ているな。
植物が育っていくのは快感である。

継続というのは、人を高揚させる。

夕食は目黒のシャーマンの元へ。
今回のカナダ旅行の報告とお礼。
ハンクは紅さんからの殴り書きの手紙みて、興奮していた。
僕がバンクーバーで、人の繋がりに驚いてばかりいたら、
ハンクもその手紙見て、同じくらい不思議な気持ちになったようだ。
なんで、こいつの財布からクレナイの手紙が?
人と人の間には少しの不思議がとてつもない化学反応をもたらすこと非常に多し。

福岡からショウも就職活動で来ていた。
3人で。飯。クレナイ特製の肉団子、特製マジックソース。玄米。上に鮭の油ぶっかけ。かき揚げ汁。ぼくはシャンパン買っていった。

2002年に何も分からん僕と会った時のことを話し、イライラしたり、話しを聞かなかった僕をじっと見ていたんだなと思うと、それはそれで恥ずかしいが、今となってはどうしようもなく、知らんかったからしょうがないと開き直る。

それでも、彼女が展覧会をしろとずっといっていたのが今回完璧に分かったわけで、
そういう風に、時間が経って物事が分かっていくことに自分としては充実感がある。

はじめは僕はアーティストではないというよくわからんこだわりが頭を離れず、
美術館で展覧会をやるという選択肢はほとんどなかった。
それが今回、美術館でやるのは、もう今や、アートとか建築とか枠組みはどうでもよくなり、もっと自由な、広い知覚を表現することが可能になって来ている。
僕にとっては今一番興味がある場所になったわけだ。
180度変わったのだ。
それを見て、紅さんも喜んでいるようで、でも色々気をつけなさいとアドヴァイスをくれる。
今はよく分かる。

少しづつ前が見えてきた。
やるべきことが分かってきた。

2006年10月8日(日)

今日は朝から姪っ子、メイ&ユメの幼稚園の運動会。
撮影隊で参加。凄い混雑。
朝9時から開始。
お昼には、何年ぶりだろう、あのお弁当タイムを体験。
運動場に無数の家族が混じりあいながらも個々に分かれて食べる風景は不思議だ。
そして,大人と子供の関係について、色々思うことあり。
これはまた来年も行こう。

昼過ぎから、また姪っ子、ノノカが家にくる。
7時からみんなでFBPでパスタ夕食。
モントリオールのアリオリありますかというと、やってくれた。
ノノカはある場所に座らせて、固定すると一定時間を過ぎると泣こうとする。
それで、連れて行くのは外だ。
外は常に変化で溢れてる。
それでノノカは泣き止む。
店の中でも、変化がなくなると泣きそうになる。
で、人が来店すると、イナバウアー状態でのけぞりながら人が動くのをまじまじと見る。

ボクが、普段よく知っている、歩き慣れた道を歩いているときに前を向かずに考えているとき、ふと見た看板などでひらめく感覚が分かったような気がした。

人間は常に変化を求めている。
変化のない状態の時は、脳は隙を見つけては変化を起こそうとする。
そして、そういう人間に対し、一番脳が変化に満足し、活性化するのは初めて見る空間なんだなと、ノノカを観察しながら考える。

知っている状態にいると、知らない状態にしたくなる。
これは人間の性のようだ。

それは人が、街を作り替えたり、店ができたり、家を建てたりすることの元になっているような気がしてならない。
家は住むためのものであり、また人間を刺激する、彫刻物でもある。
それを考えると、家が固定されるのは人は求めていないのかもしれない。
家も常に変化するようなものを求めているのかも。
と、なんだか最後はこじつけになったが、そこら辺が今気になるところだ。

姪っ子シンキング。

2006年10月7日(土)

晴れ。屋上に上がると気持ちよい。
日の光見てたら、バンクーバー思い出した。
やっぱりあそこ気持ちよかったな。
また来年か。
どうにか日本でもバンクーバーの空気を感じようとしている。
それは不思議なことだ。
新しい場所を知ることで、その空間を知覚する新しい感覚が生まれている。
今までにはなかったものなはずだ。
そのことに気づいた。

場所の記憶はただただ頭の中の地図が広がっているわけではなさそうだ。
量は変わらないが、あたらしい組み合わせが増えていくような気がする。

吉祥寺に行く。
roundaboutでえっちゃんの結婚お祝いの品購入。
木製サラダボウルとサーバー。
roundaboutはまさに空間を売っている店だ。
服、食器、古道具、アクセサリー、鳥小屋、軍用のグッズ、
全てが等価に並べられ、再編成されている。
青山アタリの変にお洒落なインテリアショップなんかとは確実に違う、
確かな新しい空間がここにはある。

夜は代官山サインでエッチャンの結婚パーティー。
彼女は尾道繋がり。僕が18の時に居候させてくれた大将の店で働いていた。
それが縁だもんな。
コブケンとオザキチャンにも久しぶりに会う。
コブケンも韓国の展覧会が大成功だったようだ。
さらに僕の卒業した高校の先輩が、オザキチャンの税理士さんで、今日会ってびっくり。
色々話す。
不思議な出会いは多いもんだ。

2006年10月6日(金)

L.A.の雑誌用の原稿製作。
今回は全て英語のテキスト。
これは今後のためにも訓練と思ってやろう。
バンクーバーでのエミリーカー美術学校での学生による、かなりキツメの質問に完璧には答えられんかったジレンマがある。
こんどの展覧会はそこら辺をクリアして、もっと仕事を掴もう!
というのが今回出てきた課題なのでちょうど良い。

でも、難しいよ。僕は本を見せながらボディーアクションで伝えるのは出来るんだけど、、。
純粋に文章だけでというのは。

写真は17枚ほど用意した。
これだけキチンと説明できるというのは滅多にないので、ちゃんとやりたい。

2006年10月5日(木)

午後、バンクーバー美術館宛にフィルムを送る。
四枚。
これが100枚限定の商品となる。
どんな仕上がりとなるか楽しみだ。
たぶん、あそこの仕事は素晴らしいから写真の出来も凄いんだろう。
本を作ったときとはまた違う感覚が体験できるのだろう。

原さんから電話。
今度の巡回の話が完全に決まったそうだ。
次はANTHONYが企画しているinformal architectureという展覧会(グループ展)に参加する。
まずはカナダのbanffという避暑地のBanff Centreで2007年6月から10月までである。
次にその展覧会が巡回して、winipegという都市のPlug in ICAというギャラリーで2008年の2月から4月まである。
さらに2009年に開催予定のJULIETTE美術館からは早くも展示室の平面図が送られてきたそうだ。
GAAETANE,仕事が速すぎる!!
これからそれらをスムーズに進ませることが重要だ。

まもなく自分の雑誌、 DIG-ITALを発売する。
どういう風に売っていくのか、行き当たりばったりだが、本の流通を自分で肌で感じる機会になればいい。
多分大変なのだろう。
これはvancouver journalのようにレポートできればおもしろいかもしれない。

2006年10月4日(水)

ハザマと打ち合わせ。
今回のvancouver journalの労をねぎらう。
今回の旅のおかげで、ウェブ自体がヴォリームアップし、進化した。リアクションも多く届いた。
日本でも更なる、連載などをはじめ盛り上げていきた。
それぞれが充実感を味わっている。
でも、もっと面白いウェブにしよう。
ウェブ自体を都市のような空間にしたい。
現在のウェブ0円ハウスは、テキストと画像を僕がメールで送り、全体の構成,編集は全てハザマがやってくれている。
そのおかげで、客観性と熱を持った空間が出来上がっていると思う。

乾杯する。酒は進むが、空きっ腹。酔っ払う。
ハザマの父ちゃん母ちゃんとも久々の会話。
懐かしくて自然と泣く。
酔いがぐるぐる回り、9時頃には昇天してしまう。ははは。
おきて、10時頃桔梗でつけ麺食べる。
うまい。

色々話すが、それが今は確実に現実に表現できるのではないかという確信が持てている。
今は自信がある。
とにかく今だ。どんどんやれ。どんどん。

2006年10月3日(火)

午前中、バンクーバー美術館でのブリティッシュコロンビア大学の建築学科の学生達に行った、ギャラリートークの映像を編集する。
ジョンケイルの音楽をのせてみた。どうかな。
近日中にyou tubeにアップする予定である。

昼は新宿で、家族と中華料理屋「東順永」へ。
新宿5丁目のシブい商店街沿いにある、うまい中華料理屋。 中華そば、中華焼きそば、チャーハン、エビチリ食べる。
3人で目一杯食べて3000円を超えないコストパフォーマンス。
素晴らしい。

その後、世界堂へ。
僕の書いた絵を飾ろうということで、額を買いにいく。
しかし、いいものがなかったので店員さんに相談すると、
その人は凄く分かる人でそれならば私があなたの思うような額を作りますと、言ってくれた。
凄くかっこいい額ができそうだ。
それで、手間賃無しの5000円。
世界堂恐るべしである。
そういえば、bruceたちも世界堂のこと気にしていたな。

あとで、亮太に聞いたら、その人は額職人として雑誌にでていたらしく、
あーなるほどなるほどと思った。
彼と話していると、額で色んな変化でてくるのだということが、初めて話すのに凄く伝わるのだ。
やっぱりそうだと、こっちも「わかる」のである。
あっ、この人は普通ではないなと。額で表現しようとしているんだなと。
なんだか、一日がすっかり充実した気分になった。
細かいところに注目して過ごすと、人はすっきりする。明瞭になる。

今日は夜は家族6人全員集合。
僕が飯を作る。母は栗作る。
久々にみんなが集まった。
旅行の後、オヤジと母ちゃんに変化が確かに見られる。
なんだか広くなったよ。いろんなものが。
そういうのは見ていて楽しいもんだ。

2006年10月2日(月)

無事到着。
今日はゆっくり。

2006年10月1日(日)

朝早く、朝食食べずに行こうとしたら、オーナーのALENNが作ってくれた。
ハムチーズクレープのメイプルシロップたっぷりとスイカと葡萄。
うまい。

そのまま空港へ。
モントリオールからトロント。
そして、東京へ。
今度は一日損する番。
着いたら2日だ。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-