House > Journal > Archives > 2006年 > 9月

Journal -坂口恭平の毎日-

2006年9月30日(土)

朝8時起床。
今日はB&Bの美味しい朝食は食べずに、(フレンチトーストだったらしく、無茶苦茶美味しかったのだそうだ。)メトロで特急バス乗り場まで。
8ドル払って、近郊の街、JOLIETTEまで。
今日はそのJOLIETTEにある、JOLIETTE美術館に巡回の売り込みに行く。
この美術館のDirectorはGaetaneという人で、原さんの親友でもある。
0円ハウスの事を気に入ってくれて、ぜひしたいと言ってくれているのだそうだ。

バス停まで原さんとgaetaneがクルマで迎えにきてくれて、そのままご飯を買って、美術館へ。
この美術館は一人の変わった神父さんが、ル・コルビジェに影響を受けて、自ら設計したそうだ。
デザインはよく、手作り感溢れるかなり面白いスペース。

そんな少し田舎の場所にパワフルなGaetaneが就任してきて、エネルギッシュに変革していこうとしている時に関わることができる。
とても話を聞いていて、やりたいと思うようになっていった。

時期もgaetaneはもう既に決めてきて、金銭的な話をすると、すぐOKとなった。
2009年の1月からの予定だ。
同時にいくつか建築に関わる面白い企画が重なっていてこれはかなりよい流れ。
また決まった。これで3つ目の巡回が決まった。
こっちの美術館は、やりたい企画は絶対にするようだ。
口約束では終らない。
そのかわり興味がないと全く反応しない。

2009年まで0円ハウスの予定が決まっているということは次の作品に集中できる点でも、すばらしい。

今日の夜スパニッシュクラブで、スペイン料理。
ワイン、サングリア、スパニッシュオムレツ、タコのパプリ炒め、烏賊リング、そして、メインがパエリア。こりゃうまい。
来てくれた人は、パタ、dac, andrew, 史絵さん、と
原さんとうちら4人の9人。
ここは昔ながらのスペイン人ばかりが集う場所。
ステージではスペイン音楽を歌う歌手。
壁にはドン・キホーテ。
物凄く呑むが、安い、うまい。
いよいよ、今回の旅行も最終日。
家族も大満足の様子。
僕としても、初個展にしてはかなりのいい手応えだったのではないか。
原さんも、うまくいって良かったねと言ってくれる。
でも、これからだ。
帰ってからは、バンクーバー美術館が僕のエディション作品を作り始める。
僕の作品が商品として、流通し始める。
そして、コレからの巡回展。4カ所目も今アプライしている。
そして、新作に向けても加速をしていこう。
日本に帰ってからすぐに、DIG -ITALという僕のインディペンデント雑誌がはじまる。
WEBものってきたころだ。
全てが動き始めている。
それにゾクゾクしている僕がいる。

いやぁー今回は楽しかった。
楽しいと全てがいい方向に運ぶ。
それは真実だ。

2006年9月29日(金)

朝起きて、朝食。ここはB&Bだから朝食が付いている。
しかも、どこどこのホテルのグランシェフが作っているらしい。うまい。
しかも、このB&B、なんとケベック州のB&B選手権で第一位に輝いた素晴らしいホテルのようだ。
それなのに日本人が一人も泊まったことがないなんて、、、。
無茶苦茶いいよ、ここ。

朝食食べて、そのまま散歩を初めた。
ゲイストリートを家族で見物し、興奮し、教会へ行き、デパートへ行き、その後、オヤジと母ちゃんを観光バスに乗せた。
僕とふうはモンロワイヤル公園に行き、そのまま大急ぎでバイオドームへ。
ここは熱帯、湿地帯、海、砂漠などいくつかの世界があり、そこで動物達がそのままの生態で暮らしているという、生きている博物館みたいな不思議なところ。

3時半に原さんと、現代美術館で待ち合わせ。
そのまま、まずMAIというインディペンデントギャラリーの見学。
以前原さんがコミッションをしていたところ。
結構いいスペースだ。
その後、SHARYNが紹介してくれたDAZIBAOというギャラリーへ。
ここも25年続いているインディペンデントギャラリーだ。
そこで紹介されたディレクターの人は会えなかったが、コーディネーターの人と会えた。
0円ハウスの説明をする。
SHARYNが伝えていてくれたらしく、話はスムーズに進む。
本を置いてきて、また今度展覧会のパッケージを送ると約束する。

明日行くジュリエット美術館で、もし0円ハウスをやるとなると2008年以降になる。
それだとすこし伸ばし過ぎという意見が二人共にあった。
それで、こちらには庭の作品を提案してみようという話になった。
それがもしうまくいけば面白い。
明日はコンピューターも持っていってプレゼンをしよう。

その後、今日はUPSTAIRというJAZZ CLUBでALAIN BEDARD QUINTETというバンドの演奏を聴く。
オーネットコールマンとキースジャレット合わしたような、変だけど、頭から離れないメロディ。いい。シブすぎる。
ここのハンバーガーが美味しくて、おかわり。

2006年9月28日(木)

今日は移動日。午前中に買い物を済ませて、そのままタクシーで空港へ。
さらば、バンクーバー。次なる目的地はモントリオール。
VANCOUVER JOURNALだけど、モントリオールも一緒に書きます。
残り4日。

モントリオールまでは5時間ほど3時間の時差があるので、着いた時にはもう7時過ぎ。
タクシーで直接、ホテルに向かう。
モントリオールはバンクーバーとは全く違う雰囲気。
家族全員完全に西海岸モードになっていたので、ふっと気が締まる。

気温もかなり違う。
ここモントリオールでは、僕はギャラリーまわりなどはあまりない。
当初、ジュリエット美術館でバンクーバー美術館の巡回を提案する予定だったが、
アンソニーのおかげでヴァンフとウィニペグの二都市での巡回がもう既に決定している。
それで、今回は次の4次元ガーデンの展覧会を提案しようと原さんと話になった。
あとは、sherynが紹介してくれたギャラリーにも話しにいく。

ホテルに着く。
予想通り凄くいいホテル。こりゃいいな。
なんでも日本人は初めて宿泊するそうで、新入生のような感じで宿泊の手ほどきを受ける。
丁寧でやさしいオーナー。
すぐ近くのうまい安いイタリアンを紹介してもらった。
そこがうますぎて、ワインボトルに、パスタおかわり。

ネット接続がうまくいかないのが落ち着かなかったが、それ以外は完璧。

2006年9月27日(水)

朝9時に起きて、家族が行きたがっていたガスタウンに連れて行く。
ののか用の子供用品を物色。ここの店、無茶苦茶かわいい。
母ちゃん、なにやら面白そうなオブジェ発見。
これはお楽しみだから、あんまり話さないでおこう。
僕は原さんと美術館で待ち合わせだったので、早めにおいとまする。
今日は、美術館のスタッフみんなに挨拶。
ウルルン滞在記絶頂状態。勿論泣く。久々に泣く。
みんなと抱き合う。jim, rory, wade, monika, mike,angelとにかくみんな。
本当に良くしてくれた。ありがとう。
彼らはただ作業をするのではなく、
0円ハウスの坂口恭平という人格を理解してから僕と付き合ってくれた。
そのリスペクトには感動した。
こっちも返さなくチャと思ってくるのだ。バンクーバーマジック。

さらにカフェでbruceとこれからの予定の打ち合わせ。
なんと驚く事にまたもや次の仕事が発生した!
それは、バンクーバー美術館が僕の写真のエディションを100部作るという提案。

これはバンクーバー美術館が運営するための資金に寄付される。
そしてぼくは10部はただでもらえる。
これは何人かのコレクターに渡る可能性がかなり高い。
さらに初めての僕がつくる商品でもある。
これはいい経験だ。
しかも、僕の前にそのエディションを作っているロドニーグラハムというアーティストはカナダだけでなく世界で有名な凄いアーティストらしく、その次に僕の作品が並ぶというのはかなり信じられない話らしい。
なにも知らない僕は、来る話をただただ積極的に受け入れるだけだ。
でも名誉な事だというのは理解した。
日本に帰ってからも、バンクーバーとのセッションが続く事になる。

またなんと、原さんがほんとにCENTRE Aの仕事をゲットした!!!!!!
これで彼女は来年からバンクーバーで働く事になった。
これはおおきな変革の年になる。
これからの原さんに大いに期待である。

今日はEMILY CARR INSTITUTEで僕の講義がある。
それで、ポンポン船で、グランヴィルアイランドへいって、sharynの経営しているかわいい紙屋さんに行って、gregがやっているギャラリーに行く。
そこではいろんな雑誌が一堂に集められた展覧会が開催されていて、僕は見たかったのだが、講義が迫っていたので,ちょっとだけ。

講義は中くらいの教室。
でも、満席になるほどの大盛況。
僕はマックを使ってのスライドショー。また僕一人で英語。
凄く興味を持ってくれていて、多くの質問が飛ぶ。
さらに、辛口の質問も飛ぶ。頑張って答える。
でも、まだまだだ。自分の英語力を上げる必要がある。
それでも、よくぞ一時間半英語で喋り続けた。
今回は自分を褒めよう。
次回はもっとうまくなる必要がある。
もっとかれらには伝えたい事がある。
もっと細かい事まで、英語で伝えられるようにしなくては。

タイガさん、トモヨさん、キョウコさんもまた来てくれる。
母ちゃん、ふう、オヤジも勿論。

今日はその後joelleの家でfinal party。
paul,gary,joelle,hank,keith,makiko,オヤジ,母ちゃん,ふうと僕。
ぼくはサラダとフルーツ盛り作った。
joelleはローストラム。
paulはよいワイン。
みんなで最後の夜を楽しむ。
しかも、なんと今日はオヤジの相撲甚句歌謡ショーまで付いてきた。
みんな聞きながらジーンとしていた。
おかげでオヤジたちも溶け込んだ。
今回の旅はオヤジと母ちゃんにとっても刺激のある、価値観の変わるような旅だったろう。
でも、こんなに人と会う旅はナカナカ経験できない。
なんか最後には結構旅慣れて、頼もしくなった両親。
ふうも今回の旅を体験して、みんなに対して、感動している。
しかも今回、ふうのアクセサリーがどんなリアクションがあるのか作品を持っていけといって、持ってきた。見せた。
みんな大興奮。これは脈あり。
もっと作って、日本ではなく、バンクーバーでデビューだ。
みんなこれをアクセサリーではなく、アートと呼んだ。
いつか美術館にも並ぶかもしれない。
ふうの作品には未知の可能性がかなりある。

2006年9月26日(火)

10時に出発、オヤジ、母、ふうと4人で、歩く。
サーモン屋さんで、日本語が書かれている変な土産屋みたいなところにいく。
ところがどっこい、変な土産屋どころか、かなり気合い入れた、品揃え。
サーモンは自社で加工もしているようで、相当なこだわりよう。
恐れ入ります。メイプルの仕入れもかなり上質の編集がされていた。

今日は観光デー。こてこてしてやるぞ。
朝食は、blue horizon hotelの一階のレストランでパンケーキ。
普通にどこのもうまい。でも香咲みたいなパンケーキはさすがにない。
やっぱり日本は凄いよ。
その後、スタンリーパークという国立公園まで海岸沿いを歩いていく。
これがまた気持ちがいい。
オヤジと母もしっかりついてくる。
なんでこんなにバンクーバー気持ちいいのか。
遠いと思っていたら、すぐ到着。
馬車に乗り込んで、スタンリー公園散策。
気持ちよくて寝てしまう。
一時間の森の中の馬車移動。観光もいいもんだ。

それからまた大好きなmail streetに行く。
27th aveからのアンティークショップめぐり。
そして、行きたかった本屋、chroma booksにも行く。
他のカナダの店とは全く違う。セレクトされた空間。
でもこれじゃあ日本って凄すぎるなとも思う。空間の編集は。

ベーグル屋、solly'sでランチ。
ここのベーグルうまいんだよ。ほんと。
エッグベーグルサンドとツナサンドウィッチとシーザーサラダ、チキンスープ。
なんか喰ってばかり。

その後、chroma booksの姉ちゃんに教えてもらった、店に行く。
eugene chooという服屋が一番よかった。
あとumeboshiという靴屋が凄く良かったし、靴買った。

そんな感じでうろうろしていたら、ハンクと原さんとの約束の時間が来たので、バスでガスタウンに向かう。家族で、centre Aへ。
ハンクが出迎えてくれる。
そして、そのままハンクの案内でガスタウン周辺の歴史と現状についてのレクチャー。
しかも、予想通り!原さんがcentre Aに受かった。!!!!
とてもうれしい。原さんもこれからはバンクーバーを拠点に面白すぎる活動を繰り広げていくのだろう。
わくわくする。僕も関わっていきたい。

ハンクの紹介された、石焼ピザ屋さんで夕食。
マルゲリータ、カプリチョーザ、とペペロンチーノパスタ。
うまい。安い。満足。
歩いて、ホテルまで帰る。
家族も肌でバンクーバーを感じているようだ。
あんまり観光地、僕とだったら行けないけど、それなりに楽しんでいるようだ。

ブルースから僕の作品をエディションにして、販売したいとの話。
面白そうではないか!僕の作品が売られる事になる。
明日打ち合わせになる。

2006年9月25日(月)

今日はふうとオヤジと母ちゃんが訪ねてくる日。楽しみだ。
午前中、VANCOUVER ART GALLERYにいく。
朝飯は,カフェでフレッシュフルーツ。ゴージャス。
アーティストフィーを受け取り、領収書等を出す。
午後のギャラリートークの打ち合わせを少しして、僕はホテルに戻る。
ゆっくり日記を書く。
昼過ぎに家族集合。なんか不思議な感じだ。
こんな風に旅行をしたのははじめてだ。
部屋で、少し乾杯をする。
その後、お昼ご飯を美術館のカフェで食べる。
パニーニ、サンドウィッチ、サラダ、フルーツ、プディング盛りだくさん。
BRUCE, DIANAと挨拶をする。
angel, WADE,にも会う。お土産を渡す。

4時45分から今日は僕の展示室で、ビリーの連れてきた学生にギャラリートークをする。
それにあわせて、僕の友人も何人か来る。
PAUL,タイガーさん、ともよさん、きょうこさん。
はじまってみたら、凄い人数だ。
トークをはじめると、無茶苦茶真剣に聞いている学生。
この学科は建築学科とランドスケープが混じっているクラスらしく、少し複雑な感覚を持っているはずだ。
予想通り、凄い食いついてきた。
全て英語で、ほとんどヘルプ無しで、45分間話し続けた。
終ったとき、生徒からワンダフルと握手を求められた。
成功したかもしれない。
ビリーも喜んでくれた。
なんせ原さんがオーケーサイン出していた。
まぁ英語を勉強する課題はなくなったわけではないが、自分の事ならだいぶ話せるようになったのは収穫だ。
さらにこういう場を体験する事で自信になっているようだ。
コレが一番大きい。
家族が来て、一発目がこれでとても楽しんでくれたのではないか。
オヤジも眠たかったのが、一瞬で取れたようだった。

でも、みんな体が疲れているだろうから,今日は家族水入らずで過ごす事に。
ロブソン通りではやはり物足りないので、メインストリートにいった。
ここは最近発展中の場所で、最新のカフェから、古い中華料理屋、アンティークショップ、おしゃれな食事屋が並ぶ新しい街。
そこに、いくが、行きたいと思っていたところは閉まっていた。
しかし,一軒アンティークショップを見つけそこは収穫だった。
ふうはへんなブローチ買っていた。
ふうのスカートはテーブルクロスを転用しているもので、それをみたカナダ人がしきりに反応して、どんどん話しかけてきたのは驚いた。
これはふうの感覚もここでは行けるかもしれないと思った。

夕食はfoundationでベジタリアンフード。
ここハマってきた。うまいよ。家族も満足の様子。
ツアーではない慣れないたびに疲れながらも充実した時間が過ごせているのでは。

でも今日はたくさんのカナダ人に英語で喋っていたら疲れた。
充実はしていたが。

2006年9月24日(日)

今日は日曜日。
全てをオフにして遊ぼうじゃないかい。
バンクーバーだけん、山に行こうじゃあないかい。
と、いうことでなんとブルースが家族を連れて、カルマナプラザ、つまり僕が泊まっているところまで迎えにきてくれる。原さんも一緒。
僕と原さんとブルースとブルースの娘のアリスと4人で午前中はバンクーバー市街から30分ほど行ったところのlynn vareyまで。
30分行っただけで信じられない事に、熊野の森のようになる。
本当にバンクーバーには何でもある。
ここ最近は、勿論楽しすぎたが、毎日、作業しまくっていたら、やっぱり少しは疲れた。
昨日は寝まくっていたからね。
で、今日はスペシャルホリデー。
で,本当にスペシャルになった。ブルースのおかげ。
森はほんと、もののけ姫状態。 苔がむし、杉の切り株からは新しい樹木が生まれている。自然のまっただ中。
こんなところが無料で、クルマでさっといけて、、、。
いいな、バンクーバー。
吊り橋をわたる。
原さんは高所恐怖症らしく、大変な事になっていた。
ブルースの娘のアリスは12歳。
なのに、大人っぽく美しい。
しかも、何でも知っていて、今日は森の木の事を色々教えてもらった。

最高にリラックスする。

そして、今日のメインイベント、シャリーンがオーガナイズしてくれてみんなでピクニックをしようという事になった。
スタンリーパークというこれまた素晴らしい公園の海辺でピクニック。
こんな風景、僕はおとぎ話の中でしか見たことありません。
みんなで食事を持ち寄ってピクニック。
ピクニックなんて何年ぶりにしただろう。
それとともにピクニックのもたらすリラックスを実感できた。

16人、と犬が5匹、総勢21の大家族状態。
なんか凄い事になってきた、バンクーバーコミュニティ。
夢の中にいるようだ。というか、うちの家族、早く来い来い。
幸せになった。
さらにみんなはそれぞれ素晴らしい、アーティストであり、キュレーターの人もいる。
色んな話をしてくれる。
建築の考え方、作品の売り方、次にやるべき場所など、さまざま。
それぞれ真剣に話してくれる。
それでいて、日本にありがちな芸術っぽく振る舞うという僕が苦手な雰囲気がない。
コレが僕が日本でしたかったけど、できなかったことであった。
人間として振る舞い、自称芸術家がビックリするような斬新な事を、きちんと自分のバックグラウンドとフィットして、シャレにならないぐらいする。
それがあふれている。ここには。
日記を読む人は日本人が多いだろうから、もしかしたらこれはやたらカブレテいるようにみえるかもしれない。
本当に違うんだよな。なんだろうこれは。
原さんと話す。一体コレはナンなのだろう。
幸せと顔を合わせて言い合える瞬間があるだろうか。
祭りで汗をかきまくった時のような、そんな時がリラックスしたまま味わえる。
ソンな場所だ。

企画してくれたシャリーンに感謝。
しかも、彼女は僕の家族を火曜日クルマで連れて行ってくれるそうだ。
なんでここまでしてくれるのだろうか。
楽しいからだ。
ここではそういう回路がコンフューズしない。
ただただ、楽しいのだ。 それで、彼らは人と会いまくる。話し続ける。忙しい。
この忙しさに充実感を感じる。

今日はそのあと、原さんとjoelle, paulとjoelleの家に帰り、今日は僕がお礼に、夕食を作る。
オクラとしめじの和風パスタ、トマトとなすのパスタ。
paulの庭で取れた、オーガニックハーブのサラダ。
赤ワイン。
桃と洋梨。

タクシーでホテルに帰る。
タクシーの運転手とやたら盛り上がる。
写真が好きだったらしく、以上に盛り上がる。
なんだ、この素晴らしい休日は。
日本に慣れている僕はすこし今日が楽しみすぎて、大丈夫かと思ってしまったぐらいだ。
明日は家族と合流する。
楽しみだ。

2006年9月23日(土)

今日は、完全フリーの日。
でも、9時に美術館に行かなくていいのもなんか寂しい気もする。
10時に原さんとロビー集合。タクシーでjoelleの家に向かう。
新築のマンション。メインストリート沿い。
dinaの作品を見せてもらう。彼女はジュエリーデザイナーだと思っていたが、それだけではなくその他にもたくさんの作品があった。
そのオリジナリティは、ちょっと他では見る事ではできないかなり独特のもの。
今,アルゼンチンにいっていたので会えなかったのが残念。
ジュエリーも凄くいい。ふうが作っているのにも通じる所あり。
月曜日来たら連れて来なきゃいかんな。

ブランチはjoelleの家からちょっと行ったところにある、サンフランシスコから来たオーナーが作った店でjoelleの知り合いらしい。
joelleはパワフルガールで、いつも元気。
人との付き合いもノリノリで、さらに、いつもburanaとrudyという二匹犬を連れていて、さらに建築構造事務所で働きながら、メインストリート沿いのジュエリーショップ&ギャラリーを運営しながら、自分はアーティストで横浜トリエンナーレに出品をするなど、パワフルすぎる。
アナヤンシにも似た勢い。懐かしい。

ブランチはpancake with bacon。
ここのスペースはホントにサンフランシスコの香りプンプンで、凄くいい雰囲気。
うまいし、ここ、メインストリート付近はまた街がバンクーバー中心地とは全然違う。いいねぇ。

その後、joelleの店を見にいく。
小さいスペースに6人のアクセサリーデザイナーが作業をできるよう、工房まで併設されている。
小さいが、魅力的なスペース。
joelleの積極的で前向きでいいものはいい、という姿勢そのままの店。素晴らしい。

店を開け、彼女はマテ茶を作ってくれた。
マテ茶はアルゼンチンの茶で瓢箪の中身をくりぬいて、その中にオチャッパを入れて、お湯を入れて金属製のストローで呑み回すモノ。
緑茶に似ている。野生の匂いがもっとする緑茶。

色んな人間が出入りするウェブデザイナーのTJ、80年代バリバリのちょっと危ないターミネータみたいな男、そして、なんとericが久々現れた。
いつもの弾丸トークをまき散らして去っていった。
そして、建築家だけど、建築家ではないという二人に会った。

一人は何をやっているか説明ができないそうだ。
でも、明日のバーベキューに来るといっていたので聞いてみよう。
もう一人はPAUL。good person。
彼の作品は本を一ページづつ切り取って、建物を作っていく。
なんと説明すればいいのだろうか、全部閉じた時に中に建物ができている。
VANCOUVER JOURNALに写真載せておこう。
彼は非常に有名なアーティストである。
展覧会も数多く開催している。それでいて、やさしい素晴らしい人間だ。
なんと0円ハウスも事も知っていて、とても共感してくれていた。語り合う。
話は盛り上がって、そのままPAULと行動を共にする事に。

今日はHANKのところ、CENTRE Aで小さな図書館がオープンするので、そのオープニングに行く。
程よい人たちが集まり、緑茶を飲みながらのいいオープニング。
いい午後。そこで、日本人アーティスト、タイガさん、トモヨさん、キョーコさんと会う。
なんと紹介していたら、「えっ、もしかして0円ハウスの人?」といわれビックリ。
とても興味を持ってくれているらしく話が弾む。
PAULの知り会いらしく、ギャラリーまわりがすんだら遊びにいらっしゃいとお誘いを受ける。
どんどん繋がっていく。

ギャラリーはgastownまわりを中心に今日は見て歩く。
刺激的なギャラリーが並ぶ。
しかも、その並び方は東京のそれとは全く違い、なんだろう気持ちいい。
尾道のようかもしれない。それに、作品が凄くいい。
欧米のそれとも違う、独自の天然力。

ART SPEAK, ACCESS ARTIST RUN CENTRE などを回る。
その後、タイガさんたちのアパートへ。
テラスで麦酒とチーズとナッツとサラミの宴。
僕も盛り上がり話しまくる。気持ちいい。
その後、仕事をしていたjoelleも合流する。

その後は僕と原さんとPAULとJOELLEの4人でJOELLEのクルマで移動。
まず公園でburunaとrudyの二匹と戯れる。
走りまくって、ボールの取り合いをする。
コレがたたって後で寝まくるハメに。
公園で遊んだ後は、中華街にいってしっかり食べて、PAULの家で作品を見せてもらう。
家は無茶苦茶かわいい。ガーデンがまた凄い。
みんないい生活していてちょっといいなぁと思った。
知らない間に眠い僕はPAULの家のソファで麦酒飲みながら獏睡していた。
疲れがたまっていたか。
そりゃそうだ寝てないもんね。

2006年9月22日(金)

今日も眠らずに、パソコンいじっていた。
VANCOUVER JOURNALに対して、いくつかよい反応が返ってくる。
いじらずにはいられない。
vancouver art galleryでこの前、dianaのキュレーターで開催された、brian jungenの展覧会のカタログを見せてもらった映像が頭から離れない。
この人は1970年生まれのスイスとネイティヴの間に生まれたアーティストで、
この人は、ナイキのエアジョーダンを使って、
haidaとよばれるネイティヴのお面を模したものを作ったり、
よくあるプラスティックの椅子を使って、鯨の骨格を作ったりしている。
よくわからんだろうから、ウェブを参考にしてほしい。
すごい。というか、少し嫉妬した。

僕は段ボールで今度はハウスではなくて、お面を作ろうと思っていた。
ゴミからそういうものも作ろうとも。

しかし、かれは完璧なコンセプトでしかも、ナイキのエアジョーダンに絞って作り続けている。
bruceはそのカタログをくれると言っていた。なんと!

朝は8時に起きて、美術館へ。今日は製作最終日。
しかも、他の展覧会も今日がオープニングなのでどこも忙しい。
今日は、いよいよ大判プリントの配置。
少し手間取ったり、うまくいかないところもあったが、無事貼り終わる。
キャプションを全部の作品につける。
今回はイメージに描いていたものをさらにそのままなぞるのではなく、進化できたと思っている。
ディテールが全て収まっていく。
いよいよ自分の展覧会が初めてはじまる。
今回が初めてでよかったと今は思える。これからだ。これからはじまる。
その興奮がウェブにも乗り移ってくれたなと思う。

ランチはジムたちが地下でみんなにうちのボスがランチを作っているから君らも行こうと呼んでくれて、お言葉に甘えてランチを頂く。
サラダとサンドウィッチ。
これが、うまいのよ。
コレで、みんなとの作業も終るかと思うと、ウルルンの最終日らしくなってきてこちらは少しウルウルンしてくる。
今回は本当に色々考える事が多かった。
今までは考えてばかりだったが、今回はさらに考えたことをその場で瞬時に具体的な事物に変化させていく事ができた。疲れたが、充実していた。
まだ、なかなか日常の会話も分からないところも所々あるが、自分がしゃべりたい、表現したい、0円ハウス関連の事は英語でかなりの勢いで喋れるようになってきた。

午後5時にすべて終了。
みんな展示を手伝ってくれた人たちは週末休みに入るので、とにかく目一杯お礼しといた。
wadeは最後まで付き合ってくれて、もう本当にこの人には感動させられた。

その後、一回ホテルに帰って、着替えて、また美術館へ。
今日は6時半から、0円ハウスのオープニングプレビューとして招待者が訪ねてきてくれた。
bill,hank bull,sharyn,greg,elizabeth,alison,diana,joelle,gin me,
そしてbruce, makiko,僕の13人。
みな興味津々で見てくれる。
勿論ヴィデオにも興味を持ってくれた。
展示は成功したようだった。
みなに説明もする。
とにかく一生懸命聞いてくれる。

BILLは今年のベネチア建築フェスティヴァルにカナダ代表で出品したアーティストであり、建築家でもある。
彼が教えている学校の学生をこの美術館に連れてくるから教えてくれないかとのこと。
こちらからお願いします。
25日の夕方に決まった。

hank bullはこの前いったcenter a のディレクター。
僕の本もヴィデオも、手作りの本も写真も全て気に入ってもらえたようだ。
爆笑していた。

sharynは中華系のカナディアン。
プリティーな笑顔。かわいいおばちゃん。
紙の店をやっているアーティストらしい。
今度、両親とふうを連れて行く事を約束する。

greg はベネチア建築祭のディレクター。
alisonはパートナー。

dianaはvancouver art galleryのチーフキュレーター、ここのbossである。

gin meはアーティスト。
僕の隣でやっている展覧会に出品している。

joelleは一昨日も会った。
和紙を食べながら、その噛み砕いた紙で巣を作るという、むちゃくちゃ可愛い顔して無茶苦茶クレイジーな女性。

elizabeth はbruceの妻。
彼女は自分で手作りの本を一杯作っているらしい。
無茶苦茶僕の手作り本に興味を示してくれた。

なんかvancouverファミリーみたいになってきた。
10人も仲間が増えた。
しかも、全員異常に好奇心旺盛のタフガイ,タフガールばかり。大変だよ。

その後ディナー。
場所は美術館近くの焼肉屋。日本風の店。うまい。会話は弾む。

そのうち、得意の酔っ払って、「英語喋っているような気分になっている攻撃」が効いてきた。
むちゃくちゃ語り始めた。
elizabethは僕の隣に座ってくれて、僕とたくさん話してくれた。
joelleもしかり。
途中からbillとのセッションにエンジン始動してしまい。
終らなくなる、sharynもそれに加わる。

こんな宴会を開いてくれたbruceに感謝。
いい仕事をし続けようと思った。

呑み足りない、 bill,sharyn,makiko,僕の四人はタクシーにのって、暗いバーで呑み続けた。

ようやく落ち着いた。
作業が全て終ったのだ。
これでリラックスして、後はオヤジ、母ちゃん、妻を待つだけだ。
楽しませたい。みんなも会いたがっている。
面白くなるだろう。
楽しみだ。

2006年9月21日(木)

昨日も結局よる11時頃帰ってきてから、ウェブ更新していたら3時になってしまう。
もう寝れない。
というか寝たくなくなって来ている。
ふうから「寝てください」メール。

今日も9時に美術館現場入り。
今日は相当地味な作業。大判写真のジョイント、そして、裏側にマジックテープを貼る。
つまり、大判は大きすぎるので普通のテープで貼るのはかなり難しいし、綺麗に仕上げる事が困難だ。
そのため、子供用の靴のようにマジックテープを紙の裏側にはって取ったりはめたりできるようにした。
しかし、この作業が結構大変で、これは結局一日仕事になってしまった。

写真の取付などの技術担当はパウラ。
彼女はとても几帳面。
几帳面すぎて凄すぎた。
紙の空気などまでが彼女にはしっかり見えるようで、僕の雑さに驚いていた。
しかし、僕はマイクという助っ人と一緒に技術をパウラから習得し、6枚分の作業を5時間ほどで仕上げた。

原さんは試験を受けに行った。受かると思う。
そしたらまた色んな事が動くだろう。

その後,ようやく4階の自分のスペースを見にいった。
もう大分仕上がっている。
みんなこの空間が大スキのようだ。
よくみんな用もないのに集まってくる。
これはとてもうれしいことだ。
原さんが言っていたが、こんなに技術者たちと仲良くなって休憩時間も一緒に過ごすナンて普通では考えられないらしい。
でも、僕の場合は大学時代から大工のところで修行していたし、あのオヤジたちのたわいもない深い話が大好きで、それはここバンクーバーでも変わらない。
そして、それがかれら技術者のモチベーションあげる事にもなるはずだと僕は分かっているつもりである。
しかし、入り込みすぎてしまってコレじゃあ完全に「ウルルン滞在記」状態である。

絶対に泣きそうで嫌だ。
もう美術館は友人だらけ。
こんな空間、日本にもそうないよ。
強いて言えば築地ですね。ここは。
築地で働いていた頃を思い出す。

もうほとんど仕上がった。あとは大判の写真だけだ。

その後、美術館内の書店に行く。
バイヤーのスザンナと打ち合わせ。
なんとまだ本がリトルモアから届いていない。
船便なので結構時間がかかる。
しかも、輸送代が相当かかっているらしく本の値段が跳ね上がってしまう。
うーん。仕方ないが。

しかし、0円ハウスは巷でもちょっと注目を浴びているようで、本の問い合わせもあるようだ。
これはいけるかもしれない。
だって、バイヤーのスザンナが大好きみたいだ。

しかも、あたらしいDIG-ITALを先行発売しようと思っているのだが、それも大歓迎してくれた。
というかブルースから見せてもらった!
とかいっていてアレはいい!
と気に入ってくれているようだ。
日本価格500円のところ10ドルで売りたいといってきた。

取り分は50パーセントづつ。
だから一部につき僕が500円もらう事になる。いい。

よしよし色んな事がまだまだうまくいっている。

明日はいよいよオープニング。
バンクーバー中のアートに携わる人が集まる事が予想される。
がんばってうまくいけば次がある。
でもきょうの展示見ていたら多分大丈夫。

意外とすぐ心配してしまう僕もバンクーバーではそんなことない。

人は喜ぶために生きているはずだ。うんそうだ。
その後、今日はゆっくりしようと原さんといいながら、歩いてホテルに戻ろうとしたが、ちょっとパブ寄って行こうよといいながら二時間ぐらいのんで熱く語る。

久々二人で話したな。色んな話。
でも結局グッドスタッフの話。
自分で考えながらやっぱり今回は彼らに救われたし、かれらに持ち上げられたし、彼らがスペースを作ってくれた。
勿論結果を出すのは自分だが,今回はなにか他人からの力が尋常ではないほど効いている。
それが無意識に人々に影響を与えてしまっているんじゃないかと話す。

その力は目に見えないが、鑑賞者の心に必ずや響く。
その確信を明日確かめる。

2006年9月20日(水)

今日も朝8時に起きて、9時にバンクーバー美術館。
相当充実した毎日が送れている。
毎日が次の日のエネルギーになっている。
もうこうなると浪費する感覚がない。
全ての行動が次の行動のためにある。
連続的な行動。
まぁ体には用心を重ねたほうがいいが。

今日は0円ハウス実物を完成させる必要がある。
しかし、屋根部分の強度の問題が頭に重くのしかかる。
コレまでの方法では3ヶ月という長い期間は持たないという事が分かってきた。
しかし、それを作り替えるのには時間がかかりすぎる。
悩む。久々の壁が出現。
いいじゃあないか。
原さんにちょっと考えたらと時間を与えられる。
まわりのスタッフがいつもいつも他の仕事も忙しいにも関わらず、
ちょくちょく様子を見にきてくれて、

「足りないものはないか?」
「うまくいっているか?」

などと話しかけてくれる。
色々考えた結果、きちんと補強しようという事になって、
地下の彼らの作業場に行く。
材料を調達する。
欲しい材料があったら、そのまま欲しい長さに一瞬にしてカットしてくれるジム。
もう本当にここのスタッフは心強い。
その後,無事屋根部分完成。
さらにジムはソーラーシステム部分の接続も手伝ってくれた。
みんなのおかげで凄いものが出来上がってきている。

ブルースも見にきてくれる。
ワシントンのスミソニアン博物館の学芸員も来て興味を持ってきてくれた。
ここは本当にメトロポリタン。話もデカイ。
とうとう0円ハウス完成。自信のいくものができた。
みんな見て、

「エクセレント!!!」

である。

満足が行き、ランチ。
今日はタイフード。といってもチャイニーズみたいだったが。

お昼後は落ち着いて、次は写真の展示。
巨大写真はまだ地下でスタッフによる作業が完成していないので、
レイアウトができないので、それは明日に仕上げる事にした。
8枚ある、中判の写真のレイアウト。
ここでも原さんのアドバイスが僕を駆り立てる。
なんか最近、人に任されるようになってきたように思える。
自分に自信がついてきたのであろう。
人に対しても自信が出てきた。
大丈夫この人ならと。

色んな話を原さんとしていて、彼女はまだ売れっ子になる前の、村上隆さん、杉本博司さんなどとも仕事をしていたらしく、とにかく、先見の目がありすぎる。
キチンといい仕事を見極められる人。
その人に「いい」がgoodを出してる。
多分この展示はうまくいくだろう。
そして、新しい何かを掴むでしょう。
凄い事になるでしょう。
興奮したまま、5時過ぎに作業を終る。
スタッフたちとの世間話。
この美術館でも僕と原さんは名物みたいになってきた。
みんな話しかけてくる。
気持ちよい。とにかく気持ちよい。

その後、ギャラリーのカフェで一服し、そこにちょうどいたブルースに挨拶し、
そのまま原さんとまたまた帰らず、タクシーでチャイナタウンの方へ。

今日は僕じゃなく、原さんにとってかなり重要な日で、
バンクーバーのアート界の重要な人物、ハンク・ブルというディレクターがやっているCENTER Aという電気工場を改造した重要なギャラリーがあり、
原さんは彼にそこのキュレーターとして働いてみないかといってきているのだ。
そのために打ち合わせで、CENTER Aに行く。

ハンク・ブルは、しかも我らが紅の古い友人でもあり、
むしろ、紅さんはハンクの恩人であるようだ。
彼女から預かった手紙を見せると、ハンクは両手を上げての大喜び。
これはまたまた繋がってくるぞ、絶対に。
波が今日もまた高くなってきている。
ハンクは信じられないほど、0円ハウスに興味を持っていて、
僕のウェブサイトもすでに見てくれていたようだ。
とにかく何から何まで、ここではうまく繋がり、進んで行く。

そのまま、メインストリートのベジタリアンレストランへ。
ジュエルというアーティストも混じり、原さんと僕とハンクとジュエルの4人でディナー。
本当に毎日、会う人がたくさんいる。素晴らしい。
レーモンルーセル、デュシャン、熊楠など興味深いディスカッション。
ハンクと僕は相通じるものがあった。
彼は小島に自分でセルフビルドで家を建てていて、
今度はそこに連れて行ってくれるという。

食後、ジュアンのギャラリーとジュエリーショップを覗いて、
ハンクの住む、ウエスタン・フロントへ。
ここは1972年に設立した、カナダで初めてのアートアソシエイションで、
ハンクとこの間会った、エリックとハンクの妻であった故ケイトの3人で立ち上げた場所だ。

僕は、その中の二人と会ってしまっていたのだ。
そこの最上階は、ハンクの家になっていて、そこがたまらない。
言葉では伝えられないので、VANCOUVER JOURNALで写真で説明する。

とにかく、今ここで何か起きている。
体全体がそれを感じ取って、ざわめいている。
明日も、朝9時から美術館で作業。
その決まった日課が僕を幸せにする。

バンクーバーに住みたい。
僕の力を最大限に引き出せる場所であるなと思った。

2006年9月19日(火)

昨日は酔っ払いまくっていたのに、麦酒飲みながら、眠たくなったらシャワー浴びて、パソコンの前で作業。
VANCOUVER JOURNALの表紙、一日めの日記を書いていたら、午前3時になる。
急いで寝る。

朝8時15分起床。
今日は9時から美術館で作業。現場に着くともうスタッフのみんなは仕事を始めている。
今日は、0円ハウス実寸模型の製作。
日本から送ったパーツをひとつひとつ確かめる。
ひとつも壊れず無事に着いたようだ。製作に必要な道具を設置スタッフに借りる。
このスタッフたちはまさにカナダの大男というようなガッチリしたカーペンターが揃っている。
しかも、一人一人自身に満ちあふれている。
僕の意見を少しも嫌がらず聞いてくれ、さらにこちらの気持ちも読み取ってうまく事を運んでくれる。これがプロフェッショナルの仕事であるのかとしばし呆然。
原さんに聞くと、ヤノベケンジさんもここで展覧会をやった際にここの技術と心意気に感服していたらしい、やっぱりここは特別なのだと実感する。

ワイー、ジム、ローリー、グレン、など全てのスタッフが素晴らしい。
いずれVANCOUVER JOURNALの方で彼ら素晴らしいスタッフを紹介しようとアイデアが出る。誇りのあふれた、でも少しも威張らず、よくこんなに生きれるなとこちらが感動した。
しかも、僕の展示を喜んでくれている。仕事を一緒にできて楽しんでくれているようだ。
それがまたいちいちこちらを痺れさせる!

そんな彼らのおかげで仕事は順調に進む。道具もしっかり整っているために仕事が早く進む。
さらに、昨日ディナーを一緒に食べた、偶然出会った、アンソニーとジョアンの二人が美術館に訪ねて来てくれた。
ブルースとも久しぶりに会うそうでちょうどタイミングよかった。
タイミングといえば、アンソニーは今「informal architecture」というテーマの展覧会を企画していて、つまりはフォーマルじゃない建築。
色んな意味がとらえられるだろうが、僕の0円ハウスも完璧にフィットしている。
以前から興味を持っていてくれて、日本で会った時は僕の本を買ってくれていた。
その展覧会は15人ぐらいのグループ展だそうで、僕も参加してみないか?ということだった。
かなり注目される展覧会になると思う。
まずは、来年の6月から10月にカナダの避暑地ヴァンフ、そして2008年の2月からはウィニペグという最近熱くなってきている。
これまたカナダの都市でやることが決まった。
フランスの文化大使も見にきてくれる。

初日で二つも決まってしまうとは、うまくいきすぎるかもしれない。
かれは本当にすべてを気持ちよく受け入れることのできる素晴らしい人間。
カナダにはこういう人が本当に多くて驚く。
気持ちいいのだ。一緒にいて。
しかも、僕の作品にコレまで見たことがないくらい真剣に興味を持ってくれている。
んー、すごい。気持ちいい。
こんなに自然に展覧会が決まっていく。
面白いから当然なのだと、僕まで思えてくる。
ここにきて、本当に自信が嘘じゃなくなった。
僅か1日で。
無論油断は禁物。
しっかり作品を作ることに集中するよ、後は。

今日は無事0円ハウスは予定通りに部品を全て組み立て終わる。
後は細部に明日時間をかける事にする。
ブルースからテレビの出演も可能性出てきた事を知らされる。
よし、いいぞ。もうどんどんいけよ。
フェラクティ聞くと、その実感が確信に変わる。ユニティ。

昼は美術館のカフェ。
ここがまたすごくいいのよ。
今日はパニーニとペリエ。
勿論外でランチ。
原さんと,ブルースと。
ブルースは次の展覧会を漫画で行こうとしているので、誰か面白い人はいないかと聞かれた。
古谷実と黒田硫黄と岩明均の3人を挙げておいた。
彼らの展覧会が海外であるとなるととても興奮すると僕は思うがいかがなものか。

街のぴあみたいな情報誌にも0円ハウス展覧会がピックアップ情報として写真付きで紹介されている。 ラジオ番組もくるようだ。
よしよし,どんどん来い。
ここで、この前会った、辛島サンの言葉を反復する。
“褒める人間”と“いいねと言う人間”と一緒に仕事を思い切ってしろ。
人間は否定的な感情がなくなればすべてを自分の思うままに動かす事ができる。
しかし、自分勝手ではいけない。
自分のためではない、何かのためにやろう。
建築のためでもアートのためでもなく、それをも含めた全てのもののために。
そこには自分も含まれているのだ。
辛島サンありがと。
80歳の彼女にはエネルギーが漲っている。

夜は、ブルースがバンクーバーの最近発展してきた表参道のようなところでお洒落なインド料理やで連れて行ってくれた。
ごちそう。
原さんと僕とブルースと、インド系カナダ人キュレーター、シャディーラの4人。
食べまくる。
話は建築と空間について、かなり深いところまで入って行った。
でも僕はまだそこまで喋る事ができない。
それだけは納得いかないところ。
帰ってからの課題は語学。である。

美術館側からの完璧なもてなしはすごい。信じられない。
これは日本とは大違いである。
日本が普通と思っているので、ここでは勘違いしてしまいそうだ。
今日は朝、いきなり生活費の1000ドルを渡され、昼食、夕食もごちそうである。
それほどリスペクトしてくれている。
こんなのは初めてだ。
この体験は僕は海外でやるべきなのかなと色々考えさせられる。
ここには僕の考えている事を理解してくれている人が居る。
その感じ方は日本とは雲泥の差だ。
なんなんだ。これは。
それはでもしょうがない事なんだとも思う。
日本にはないものなのだ。

2006年9月18日(月)

今日はいよいよ出発当日。一年半の作業の集大成だ。
午前中にバルタザールにいく。西荻ともしばしの別れ。しっかり、パスタを食っとく。
ほうじ茶豚肉煮とほうれん草のパスタ。
その後、亮太の家にジャケットを借りにいく。
そのまま成田エキスプレス。
午後5時に原さんと成田空港第二旅客ターミナルで待ち合わせ。
小倉サンも来てくれていた。
夜7時に出発。夜出発は気持ちいい。
麦酒飲みまくって,飯食いまくって、ねる。
起きたら朝、二時間後バンクーバーに到着。
バスでダウンタウンに向かう。
ホテルはCARMANA PLAZA HOTEL。
ここがまた凄くいい。3部屋と、キッチン。19階で窓からはバンクーバーと海が一望できる。ううっ!!!
しばし、休憩後、バンクーバーアートギャラリーへ。
またまたびっくり。これデカすぎです。一番いい場所に建っていて、人も来るし、
建物も凄くいい。のっけから興奮する。
一階の従業員入口にブルースが迎えに来てくた。一年半ぶりのブルース。
とうとう来たねこの時が。
そのまま展覧会場へ案内してもらう。そういえば、到着したのが同じ日の午前中だ。
また同じ一日がはじまっている。長い一日。
展覧会場は完璧でした。僕たちが伝えた通り、むしろプラスαで、僕たちの意見を汲み取って、もっとよくしてくれたという感じ。
本当にブルースとは感覚が合う。
ここではたくさんのスタッフが僕の展覧会のために動いてくれていて、その担当ごとに
ブルースが紹介してくれた。
彼ら一人一人が誇りをもって仕事に取り組んでいる事を喜んで感謝しながらも、
ということはこれは一丁やったらなあかんと責任も同時に発生。
その事に感動し、ひさしぶりに泣きそうになる。
さらにグッドニュースが舞い込む。
以前会った事のあるアンソニーというキュレーターが僕の展覧会をやりたいといってくれたのだが、彼が具体的にやれそうになって来たという事だった。
これはいいニュース。なんかいいぞバンクーバー。
さらに不思議は続く。
その後、五時でブルースは用事で出掛けて、僕らは疲れているから帰ろうとして道を歩いていたら、本当に偶然でアンソニーとパートナーのカップルにばったり遭遇してしまったのだ。もうここまで起きれば不思議も糞もない。あとは身を任せるだけだ。
そのまま、彼に連れられて、橋向のキャンデスとエドというカップルの家でホームパーティーに参加させてもらう。チャイニーズ系のエドの手作り。うめぇ!!!!
そこに元気な気違いオヤジが大声で喋っている。かれはエリックというカナダではとても有名なパフォーマンスアーティストだった。7人でワイン飲みながらの初夜。
興奮した。
そして、こんな調子じゃうまくいくよなと、無責任だが、確信のある自信を得た。
明日からはいよいよ作業開始。気合いを入れなさい。

2006年9月17日(日)

朝起きて、朝飯食べて、
ロスアンジェルスのfaddaに雑誌用の写真7枚送る。
と、いくつかの向こうの質問に答える。
日本ではどういう反応なんだ?と聞かれたので、
建築の世界では完全に無視である。と答えた。
まぁそれ以外でもそこまで注目されているわけでもないが。
それには驚いているようで面白かった。
LAの美術館で展覧会が決まっていない事に驚いていた。
そして、できるだけサポートしたいといってくれた。
LAの現代美術館MOCAと南カリフォルニア建築研究所SCI-ARCHを挙げていた。
なぜか最近ロスアンジェルスの反応が著しい。
その他海外のメディアにはちょっと気になるのがある。
これなんか僕は全く知らされていない。
しかし、かなり詳しい。翻訳をどうにか読んでくれて理解してくれているようだ。

朝パソコン作業で、その後六本木のクミチャンの元へ。
髪きり。マッサージされにいった。
なんであのシャンプーはあんなに気持ちいいのか?
ちょっと長めにお願いする。
クミチャンに展覧会の様子を伝え、ウェンディーズのバリュー100円BBQバーガー。
体に悪いのにうまい。じゃあうまいって感覚はまちがっているのか。

今日は9時から日曜美術館で
石田徹也という画家の特集をやっていた。去年31歳という若さで電車事故でなくなった
彼の作品に、今までの絵というものから受ける感情とは違う種類のものが出てきた。

夕方に新宿ベルグで待ち合わせ。
明日に必要なもの幾つか揃える。
予想外に服を買った。A.P.Cでカシミアのセーター。色にやられた。
一応揃う。
夜亮太がそれいゆで珈琲。待ち合わせ。
家で飯を食べる。クリームシチュー、鶏肉つくね、タカモト鮭(タカモトへ。おいしかったよ)

食後、DIG ITALをみんなで折って、袋詰め。
カナダに持っていってみよう。
いよいよ明日だよ。少しも緊張せず。不思議。

2006年9月16日(土)

目黒の紅女史の家へ。テラスへ。
テラスでは七輪がセットされている。見たこともないようなボロボロの七輪。
相当ここでBBQなされたんだろう。出土品のような七輪。
僕は目黒駅ビルで上質な牛肉を買っていく、豚トロ、シャンパンも。
福岡からは、ショウが就職活動で紅さんの家に居候中。
無茶苦茶広いテラスでBBQ.
テラスには様々な植物が自由に育っている。
育てる人によって植物は生育力が変化する
ここは凄い、どんどん育つ。紫蘇が木みたいに育っていた。
肉うまい。久々の牛肉。
紅さんお手製の特別ソースWITHマダガスカル。辛いうまい。
展覧会について,応援をしてもらう。
思えば、2002年頃まだ本になる予定もなく、ぶらぶら血迷っていた頃に
青い顔してゴッドファーザーシミにいきなり紹介されたのが
事の始まり。
その時から同じ事を言われ続けている。
今のうちはノーギャラでもなんでもとにかくなんでもやれ。
それだけだ。常にそれは頭の中を巡っている。
今回行くにあたって、また知人を紹介してくれた。手紙付きで。
目黒川沿いのこの家は回りに高い建物がなく,テラスからの眺めが素晴らしい。
アフリカのBGMがかかっている。不意に、
カンボジアのプノンペンの夜が思い出される。
アイスクリームを食べて、エスプレッソ飲んで帰る。

2006年9月15日(金)

最近コーネリアスの新譜「MUSIC」が出た。
これがまた凄い。前作のPOINTの流れとも言えるが、
僕はあえて全然違うと思う。
前回はエレクトロの視点でアコースティックを見ているというコンセプトで
音を作っていたが、今回はだんだんとそのエレクトロのところがいい感じに削れて、
アコースティックの新解釈にまで到達してると思う。
さらにプロモーションヴィデオもやばい。
団地と百手観音の合体バージョン。
何気ない日常のなかの涅槃ニルヴァーナ。
団地での悟り。そこでの普通の音たちはもはや普通ではない。
何気ないもの全てに対する新しい五感の存在。
+1で6ッ感である。
全ての音が「MUSIC」である。
この流れはWATARIDORIにも顕著だ。

ある婦人と話していると、あなたどこの人?と質問。
えっ、熊本ですけどというと彼女はガッツポーズ。握手。
彼女は大分。
何やら話していると感覚があっていたのでそう思ったのだそうだ。
そういうところで九州は繋がる。
彼女はなんと80歳。
現在は神奈川の日進工業というスーパーマーケットなどに設置されている冷蔵庫を
売っている会社の相談役だった。
話があう。さらに彼女の方からどんどん助言が飛ぶ。
「批判する人の意見は耳に入れてはいけない。」
「盛り上がる意見をいう人と一緒にいなさい。」
「不安なんかいらない。」
「前向きな姿勢だけで必ずうまくいく。」
これは最近の脳に関する興味の中で発見できた事実と同じことを言っている。
そうである。ネガティヴ思考は一切いらない。
うまくいっているというイメージしか必要じゃないのだ。
まぁそうはいっても、、難しいとか、、
そんなことはただ無視して前進あるのみ!
とにかく前へ!と辛島サンに励まされ、こちらはとにかく前へとただ思った。
カナダから帰ったら、遊びに来なさいとまで言ってくれた。

そして、家に帰るとポスターが1000部届いていた。
開けて見ると、仕上がりは完璧である。
よし、行けると思い、マレーシアカレーと野菜のおかゆで乾杯をした。

またスイスの雑誌からリアクション。
バンクーバーの展覧会を紹介したいといって来てくれた。
なんだかよく分からんが、すこし確率変動状態が訪れている。

2006年9月14日(木)

オノウエ印刷よりメール。
'DIG ITAL'印刷仕上がったみたいだ。今日発送してくれたようだ。
明日には届くだろう。いよいよだ。
まずは100部位つくってバンクーバーに持っていく予定だ。
美術館で0円ハウスと一緒に売ろう。

原さんと出発前の打ち合わせ。
ぎりぎりで考えたテキストも迅速に翻訳してもらった。
今回は美術館側とのメールのやり取りも全ておまかせしたので助かった。
翻訳も何回してもらっただろう。
ぜひとも素晴らしい展示になるようにやらんとね。
エミリーカーデザイン研究所での講演の話も詰まった。
ギャラまで出るのはありがたい。

キンコーズでロスの雑誌用のデータ作り。
最近少しづつまたいろいろ繋がりだした。
こういうときはどんどんやったほうがいい。
茂木健一郎氏の本の中で興味深い話があって
「将棋の棋士は直感で次手が分かる」らしい。
名人戦などであんなに長考するのは、
もう直感で分かっている手がどんなに確かなものかを
確認しているだけのようだ。そして、その直感は大抵の場合当たる。
これを読んで僕は思った。
直感は正しい。これだけを実行しよう。ということだ。

2006年9月13日(水)

かま玉が食いたくなったので食べる。日本のカルボナーラ。

フランスの雑誌からお金が振り込まれないので、
電話したら潰れていた。こうなったら手の打ちようはあるのか。

夏目漱石のエッセイ「変な音」を読む。
これは彼が大病したときに静養していた修善寺でのエッセイ。
襖を隔てた隣の病室から毎日聞こえてくる変な音についての話。
漱石はそれが何の音なのか分からない。
大根をおろした時のような音という見当はつくが、それではない。
しかし、それを詮索しようとはせず、それがなんであるかと思考することに
集中している。そこが面白い。
答えを見つけようとしているのではない。
そのことを考えていることに注目している。

これと同じようによくみるのが、
白と黒で書かれた模様がある。ここでクイズ。
「これは一体何の絵でしょうか?」
はじめは全く分からない。どうやっても何か浮かんでくるようには見えない。
しかし、次第に目が慣れてきて、今まで黒に焦点があっていたのが、白に焦点が
写るといきなり、牛の絵が見えたりするあのクイズに似ている。
牛が見えてしまうともう牛にしか見えない。
でもあの「この模様は何の絵か」と皆目見当がつかない時の方が、
凄く思考しているわけである。あそこは非常に不思議な空間である。
そこを漱石は楽しんでいる。できることなら何も分からないでいたいとも思う。

今度のカナダ行きはエコノミーじゃなくて、ファーストクラスにしなさいという
声が聞こえてきた。冗談で済めばよいが。

2006年9月12日(火)

夏目漱石の本幾つか古本屋で購入。
茂木健一郎氏の「脳と創造性」読了。久々に脳のある部分を精力的に使う。
今日はタンゴ、ふうと、カーピー4人で「のらぼう」へ。
相当久しぶりののらぼう。
カーピーは広島の島人。プリティー。
店員ケイジロウ氏と古谷実のことについて話す。
会話がやっぱり一番。会話が一番の仕事のような気がした。
スルメイカと夏野菜のチャンプルー、
茄子と鳥そぼろの炊き込みご飯。
トマト入り卵焼き。
奄美大島のラム、「るりかけす」ロックで頂く。
白ワインボトルでたのんで、エーデルピルス。
途中から亮太が参戦。
黒豚の生姜焼き。
じゃこのチャーハン。
そして最後にわらび餅食べたら、これが凄い。
ワラビに小豆を練り込んでいる。こんなのないよ。
うまい。うまい。
ここは本当にいい店。
僕たちを受け入れてくれる。
ココにも不確定性の空間がある。

2006年9月11日(月)

中野でDVDを頼んでいたものが出来上がる。
そこでイデア機器のオヤジがかなり熱く出てきた。
たぶん僕の映像をよく見ていてくれたのだろう。
とにかく頑張れと分かっているかのように激励される。
ここはふつうの店ではない。人肌の感覚が漂っている。
たまにはあるもんだ。こういう店も。
ここには不確定性の要素がたんまりある。

原さんと電話で展覧会の打ち合わせ。
ぎりぎりにきて僕が色々変えようとしているがそのことについての話。
色んなことをやりたくなっている。しかし、それが展覧会のテーマがぶれることには
なりはしないか?等の議論。
それはとても自分にとって面白い。ギリギリまで考えたい。
今回は特化させる所をソーラーバッテリーハウスに集中していった方がよいだろうということになり,それでひとまず進めることに。

研究所での講演も詳細が決まったようだ。
あと、モントリオール郊外のジュリエット美術館での巡回の可能性が
ここに来て急浮上している。
今回バンクーバーの後に3日間滞在することになっているので、
そこで決まれば面白いが。どうか。

そろそろエンジン全開でいかねばね。

茂木健一郎氏の「脳と創造性」購入。
脳とコンピューターについての話で興味深い点多し。
しかも、彼はウォルフガンフ・ティルマンスなんかにも言及しており、
読み手はキチンと興奮するようになっている。

脳とコンピューターは全く違うものであると氏は言う。
脳にはコンピューターが特化している処理能力が弱い。
しかし、創造に関してだけ恐ろしい力を持っている。
脳とコンピューターは全く違う方向に進んでいると。
しかし、だからこそそれらが合わさるととてつもないパワーを出すのではないか。

その中のたとえで面白い所があった。
コンピューターは例えばフォトショップで作った画像をイラストレーターで処理して
それをウェブ上にアップする、、というように全くアウトプットせずにコンピューターという
「脳」の中ですべてを統一して行えるのに対し、
人間の脳は、一つ記憶したり、会得したものは、頭で考えているだけでは駄目で、
一度、言葉にしたり、それよりももっと効率的なのは文章に書いたり、絵で表現したり
することによって次に進めるということ。
その時に文章にする作業は頭の中の思考に少しノイズが入るのだが、それがないと
発想が成長したり、飛躍したりしないというのだ。
それはとてもなるほどと思いながら、それって、カセットテープやコピー機なんかに似ていると思った。
今はデジタルの音は全て統一され、接続されているので、ノイズが入る隙間がない。
しかし,カセットテープは直接テープをこすって録音するので、音と音の間に空気が入り込む。
多少聞きづらいところがあったりするが、それが逆に立体的な音に聞こえるからいいという人もイル。それはインクジェットじゃなくて、コンビニのコピー機でもそうだ。
「直接」であるからだ。「直接」は実はそれを手で行うから手とモノの間に隙間がある。
その隙間の間には,不確定要素が蠢いているということだ。
その隙間は創造なのだ。
自分がなんか的確に説明できないな、でもこう思っているんだけどなということを
キチンと説明されたような気分。

よる「それいゆ」で白ワイン飲んでいてもそれが頭から離れない。

モントリオールの宿泊先を決めた。けっこういいB&B

2006年9月10日(日)

今日は朝五時から起きて、作業。
今日はなんかいつもと違う。無茶苦茶気持ちいい。気持ちよすぎたので、
部屋、玄関から全開で風を通す。
そして、VAN MORRISON聞く。
日曜日にヴァンモリソン。これがいい。
彼のまた面白いアルバムを見つけた。
COMMON ONEというアルバム。70年代後期の作品。
その中のSUMMERTIME IN ENGLANDという曲の朝っぱらからノックダウン。
ファラオサンダースのヴォーカルヴァージョンのような感じといえばよいか。
凄い。全部長い。
彼はなんにもカテゴライズできない。
ライブはアヴァンギャルドとポップが結婚したようなパフォーマンス。
アルバムはまたそれとは顔が違う。複雑な宇宙。
でも,聞きやすい。
ずっと聞ける。
聞くほどに変わる。
聞いているこっちの耳が成長していく。常に教えてくれる。
日曜日にヴァンモリソン。これがいい。

ロサンゼルスのネットマガジンPOLAR INERTIAから掲載依頼のメールが朝一届く。
気持ちよかったから、即答。
11月に載るらしい。
カナダの後は西海岸を視野に入れていたので、これは不思議とタイミングがいい。
最近はほんと海外からの意外なリアクションに驚く。
まだそこまで具体的に何か進んだものはないにしろ、ちょっと面白くなりそうだ。

あとこの van morrisonライブ。もいい。
こんなライブが聴けるテレビがあったら、そりゃテレビを見たくなるよ。
なんで,日本にはこんな番組ないの。ベースの音が,キーボードの音が、、、。
たまらんと思うのに。

2006年9月9日(土)

ハザマから朝方電話。ウェブのベースとなる形が出来上がったらしい。
早い!
これから少しづつ手をかけていく。
これからこっちに移動していきます。

スペクテイター用の原稿書く。
後,展覧会用のテキストの残りを書かなくちゃいかんのだけど、
ヘッドフォン大きくして、ハウスかけて踊ってしまった。
駄目だよ。風呂上がりなのに、Tシャツ濡れている。

pinkfloydのファーストとsade聞いている。最近、またいつもは聞かない方に向かっている。
sade の love is stronger than pride.無茶いいよ。

書かなくちゃいけない時に、なぜか、いつも新しいこと浮かぶ。
それは、当然か。


自分で今度は0円ハウスじゃなくて、リズムボックスじゃなくて、
リズムハウスという家みたいな、スピーカーみたいな、DJブースみたいな、
ミキシングルームみたいな、それでいて、ライブハウスみたいな空間の中で
自分で演奏するというもの。全部アナログ機械を改造して、
音の出る家を作るというもの。
でもこれも、手を変え,品を変え、僕の頭にいつも浮かんでくる事ナンだけど。


ウェブ上に絵で描いた一つの町を作る。
そこに訪れた人は、町の中を探検する事が出来るし、また自分で描き足す事もできる。
町の中の看板は実際に広告として機能し、商店街には店がある。
家それぞれは誰かのホームページに繋がっている。

町の中で噂が出回っていて、どこでライブがあるとか分かる。
ぴあとかがない町。口コミで分かる情報。

とまぁ、また脈絡もなく浮かんできた。

2006年9月8日(金)

押井守監督「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」を観る。
こんなのあるなんて知らんかった。
ナンだろうこの感じ。「うる星やつら」自体はこの際、どうでもよくなっている。
むしろ「うる星やつら」自体をパロディ化して、漫画から映画化しているようだ。
しかし、映画の主題には、うる星やつらの登場人物の限りない「あっけらん」が
完璧にフィットしている。そういう意味ではやはりこれは「うる星やつら」なのだろう。

舞台は友引高校舎内。文化祭前夜で各クラスは大騒ぎ。毎晩泊まり込みで作業を行っている。
とうとう明日は文化祭当日。しかし、ここで不思議なことが起きる。
次の日と思っていたら。気づいたらまた文化祭前日になっている。
しかも、みんな気づかず文化祭の準備に忙しい。
サクラ先生がその異変に気づき、調査し始める。
知らないうちに高校のまわりは焼け野原へと変貌している。
しかし驚いた事にラムちゃんが居候している諸星家だけには、
電気、水道が通っていて、無傷だ。
そして、みんなはこの世界がラムちゃんの夢の中であると気づく。
と、まぁ書いていると何の事やらさっぱりであるが、
1シーン1シーンごとにやたらと変な描写が続く。
お茶の間とサイケデリックの中間。
家族で居間でいっしょにヤバいもの見た時の感覚に似ている。
この監督、遅まきながら、気になってます。

さらに登場人物のサクラ先生が、宮崎駿監督のタタラバにそっくりだった。
というかそっくりさんというか同一人物のようだった。
それもなんかデジャ・ヴを呼び起こした。

デジャ・ヴについてだが、最近アメリカの研究者が発表したのをみると、
デジャ・ヴを実際に見たという可能性は低いらしい。
記憶を整理する脳の器官はかなり間違えやすいらしくて、そのせいで
勝手に昔みたようなとおもってしまうようだ。
そんなこと解明されても、こっちとしてはちっとも面白くないなぁとふてくされていたが、
「脳のある部分はすごく間違えやすい」
という事が逆に気になってきて、立ち直った。 
記憶を呼び戻す時に、完全に合致したデータではなくても、
「これ、もしかして合致してるかも」
と、ちょっと不安な材料まで審査会に持ち込めてしまう脳はやはり、デジタル以上だ。
というかいつも言うようにデジタルは突き詰めると、脳に行き着くはずだ。
一番完璧だと思われている脳は、ある部分は間違いをする。
この事はとても意味のあるように思える。

僕たちはもっと間違えてもいいのかもしれない。
今日ベルグで早稲田文学立ち読みしていたら、寺山修司の言葉が目に入った。
「答えはこの世にはたくさんあるが、質問は一つしかない。」
これは、さっきの脳の話と全く別に見えるが、僕はそうは思わない。
最近は何となくそういう相反するフレーズが同時に頭に流れてくる。

sadeのkiss of lifeを聞く。
複雑な動きが自然な動きである。
全ては単純ではない。
しかし、その動きは少し距離を置いてみると、とてもシンプルに見える。
テレビの画面を見てもそうだ。距離を置かないとテレビはキチンと見えない。
インクジェットだってそうだし、人間の体もそうだと思う。

2006年9月7日(木)

古谷実の最新刊「わにとかげぎす」第一巻発売したので購入。
またまた面白くなりそうな予感のする漫画である。
と、いうか今となっては僕はこの人の漫画の新しい世界が始まったというだけで嬉しい。
中身はどうだっていいかもしれない。その空気感がすばらしいのだ。
この人の漫画は物語を体験するのではない。昨日のホントは反対に。
その空気を体験するのだ。その漫画の中の空間を。

ル・クール・ピュで食事。今日も旨い。
店に入る時におじいちゃんが出て行き際に
「あー幸せ」とぽつんと口から漏らしていた。
そんな店幾つあるだろうかとおもった。

新しいウェブに関するアイデアを幾つか練る。
もっと連載を増やそうとしてる。
僕だけじゃない人の話も入れようかと思っている。

2006年9月6日(水)

「キャラクター小説の作り方」読み終わる。
これは、一見、小説の書き方、HOW TO本のようでもある。
まぁ題名はそのまんまだから。しかし、それは仮面で、中身は
限りなくHOW TO本に近い、けれど、冒険小説なのではないかと思った。
最後の話は千と千尋と伊豆の踊り子と日本昔話の婆皮という3つの話の
神話的構造の比較がなされ、もうジャンルなど全部とっぱらって、
人間の無意識に飛び込むスペクタクル状態であった。
いつの時代も何も変わらないはずだ。無意識の欲望は。

と電車の中で読み終わると疲れて寝た。

で、恵比寿でオヤジと待ち合わせのはずが乗り過ごし,浅草橋。
30分遅刻で合流。
近くの中華料理屋「天童」へ。
ここは丼ものがうまい。
でも今日は麺がアタリだった。
肉細切りやきそば940円絶品。ついついジンロボトル注文。
バンクーバーなどの話。
亮太が9時過ぎに合流。そのまま並びの田吾作へ。
ホイスというロシア(?)の漢方酒というお酒飲む。
途中からふうが合流。今日は家族デー。

帰りにうる星やつらの押井守監督の作品をレンタルシップで借りる。
が,酔っ払ってそのままバタンキュー。

2006年9月5日(火)

今日は展覧会用の映像のDVD製作。
iMOVIEで作業。英訳を付けた。
それをDVDに焼くために中野ブロードウェイのイデア機器という店に行く。
ここがまたおかしくて、狭い部屋に映像機器が研究所みたいに並んでいて、
オジさんが一人で作業している。
小学校の放送室のような香り。
持っていくとすぐ作業してくれた。なんというか店に頼むというよりは、
近所のメカに詳しいオヤジに頼んだような感じ。

その帰りにたまたま本屋に寄ったら、一冊の本が目に入ってきて、
大塚英志氏の「キャラクター小説の作り方」という本。
中身は、映画やアニメや小説の大ヒットしたものというのは
大抵、万人の無意識に通じている神話的構成の物語が背骨になっているというものだ。
スターウォーズの脚本は神話学者が絡んでいるという話や、
木更津キャッツアイの神話的構造など、話が面白い。
中沢新一氏と似ているような箇所もあるが、
題材がかなり具体的なので、どんどん入り込んでしまう。

キンコーズで出力作業。
digital用。これで全部材料が揃ったので発送。
長野のオノウエ印刷。
9月中旬には家にdig ital1000部が届く。
果たして、大丈夫か?
考えるな。行動しろ。である。

2006年9月4日(月)

以前からウェブをどうにかしたいと思っていて、
ハザマに電話してみた。彼は高校生の時の同級生。歩いて5分ぐらいのところに住んでいた。
それで、よく3年のころ、受験やらでいろいろストレス溜まっている時に、
よく二人で近所をただ目的もなく歩いていた。昨日のように。
人は問題が起きた時に歩きたくなるもんである。
その時はホント馬鹿みたいに人生とはぐらいの勢いで語っていた。
趣味も好きなものも違うのに、本質的な感覚だけはきっちり合っていた。
そんな彼は今はウェブ関連の仕事を一人で興して、成功を収め続けている。
で、久々に話さないかということで電話すると、ハザマも最近色々考えていたようで、
それと僕の電話がシンクロしたらしい、すぐのってきて、今からクルマで行くといって、
電話を切った。

僕の家で4年ぶりの再会を感じさせないトークセッション。
やっぱりそういうやつとは本当に時間は関係ない。
いろいろ勉強になる話も聞く。確実にハザマはリアルに動いている。
それが問題なのだ。何がしたいのかではなく,今何をやっているかだけだから。

8時半から12時まで話しまくる。
いろんなウェブについての意見もデル。あたらしくウェブ作りをしていく協力をしてくれる
ことになった。本当にありがたい。おたがいで盛り上げていきたいと思っている。

2006年9月3日(日)

朝五時にジョンウォーターズが終わり,朝の銀座を歩く。
カラス無茶苦茶多い。一匹こちらに向かって、飛んでくる。
カラスは道路も占拠していて、トラックも止まっている。
7時前に自宅に着く。
そのまま、ネラズに,朝食をつくる。
NOVとFOOを起こして、朝飯。

昼過ぎに高円寺で原さんと小倉サンと会う。
喫茶店で打ち合わせようと思ったが、原さんが、歩きたいという。
ここ最近展覧会の話がかなり事務的処理ばかりが続いたので、
原さんがリアリティを取り戻したいから、歩いて話をしたいとおもったようだ。
それには僕も賛成。そういう行動の電気的効果は僕も知っている。

高円寺駅前から、僕の昔の家、そして、そこから歩いて、
僕が今取り掛かっている4次元ガーデンの取材した家々を見学。
その中に、昔撮ったジャングル集合住宅があったのだが、
そこがすごいことになっていて、家のまわりにかなり大規模に
金網で鳥小屋というか、鳥のためのディズニーランドのようなものが
作られていることに今回初めて気づいた。
あと、僕の昔の家の隣の庭にはミニチュアの、といってもかなりでかい五重塔が現れていた。

やはり東京の庭はなんだかおかしくなってきている。
それも全然悲観的ではない。楽観的に「可笑しく」なって来ている。
そのまま阿佐ヶ谷について、100円均一居酒屋なるかなりアヴァンギャルドなるもの
発見。そこが5時オープンだったので、一時間ぐらい阿佐ヶ谷探索、
ヤバメの「しんかい」という刃物、ナイフ屋さんを見つけた。
ナイフ業界でかなりの老舗であると即座に感じることが出来るような店構え、オヤジ構え。
ナイフ業界ってあるんですね。ぼくはこういう今まで気づかなかったような名前の業界
があると気づいた瞬間、世界の広さに至福感に包まれることがある。みなさんはありませんか。

でも、麦酒が欲しくて、酒屋で円熟買って公園で呑むが、蚊に刺されて死にそうになり,
薬局に入り、試供品のウナコーワを塗りまくり、原さん小倉サン僕といい年になった
人間、3人、何やってんだか状態のママ、5時100円居酒屋オープン。
若い人がやっているかと思ったら、おじさんたちが共同でやっていた。
明治時代の夏目漱石の香りがぷんとする。でももっと労働クサいが。いい。
麦酒100円。冷や奴100円。しめじの煮物100円。
赤ワイン100円。枝豆100円。もう一回麦酒100円。
原さんとは展覧会についての話盛り上がり、これはうまくいきそうだということになり、
来週日曜日もう一回打ち合わせをすることにして、大塚に向かう。

大塚は駅前、welcome backというライブハウスでふうのライブ。
すこし、mancusoの香りしたが、質問したら知らなかった。
最後のバンドはお客が一人も居ないから。こっちも意地になってみていたら。
凄いよかった。そういうもんだ。残り物には福がある。これは真理だと思う。
人が誰も選ばないものというのも、リッッパな選択されたものだと思う。
そんなこと考えながら、駅前プロントで、3人で熱く語る。
ブレインストーム。

2006年9月2日(土)

築地本願寺で何やらライブが行われているとの情報。
チケットを並んでもらうようになっているらしく,僕は持ってないが
とにかく行ってみた。夜のライトアップされた本願寺はなんか変な感じだった。

行ってみるとZAZEN BOYSの向井秀徳さんのライブがいきなり始まった。
適当に入り口から入ると、普通に入れた。やった。
本堂は天井が異常に高く、広い。寺なのに、パイプオルガンが完備されている。
6時からはジム・オルークがこのパイプオルガン弾いたらしい。見れんかったけど。

向井氏は一人でのライブ。エレキギター一本。
全然聞いたことがなかったが、ギターの音一発目にきいてわかった。
こりゃやばいぞ。
一曲目はthe days of nekomachi
これが凄い曲。カントリー調の曲なのに,諸行無常サイケ。
うん、やっぱりこれはサイケの新解釈。キャプテン・ビーフハートだね。
日本語のラップのようなものを歌うのだが、これはヒップホップというよりは、
吟遊詩人のようだ。エレキ琵琶。
同じフレーズを繰り返していうところは、日本の噺とヒップホップのそれぞれが持つ
同じ匂いを的確に狙い打っていた。キチンと新しい領域に行こうとしていた。
本能の興奮ではないが、これもある種の興奮状態。

最後は一番後ろで聞いていた僕も、いつもの恒例で、
知らない間に一番前にいって、仏の前で興奮して踊り狂っていた。

そのまま銀座までノヴと風と3人で歩いていく。
途中、長浜ラーメンの山ちゃんで替え玉して腹ごしらえ。
銀座の古いカフェでアヴァンギャルドカフェラテのパフォーマンスを体験し、
パンケーキを口に入れ、
二人と別れて、僕は一人、銀座に残る。
今日は、ジョンウォーターズ監督の3作品がオールナイト上映。
誰も行かないから、一人で行った。銀座テアトルシネマ。30人来ていた。
セシルBデミル、I LOVE PEKKER、ピンクフラミンゴの3本立て。
終ったのは朝5時過ぎていた。銀座のカラスに襲われそうになって、逃げながら
丸ノ内線に潜り込み、西荻へ直帰。

2006年9月1日(金)

カナダからメールで、エミール・カー・アート&デザイン研究所というところから
講演会の依頼が入っている。そうそう。そういうことがうまく連鎖していくと、
面白くなりそうだ。展示をして、はい、終わりではなくて、色んなところでせっかくだから
喋りまくってきたい。トークショー。スライドショー、講演。なんでもやろうと思っている。
そういうことでバンクーバーを旅したい。心の観光。
展示用の翻訳付きDVDを作らなくてはいけない。
なんとなくではあるが、僕の場合は作品を展示しただけでは伝えきれないようだ。
それでは自分の中で完結されない。
説明が足りないっていうのとはまた違う。作品自体はそれだけで十分だと思う。
でも僕の表現と考えると、作品+自分のアクションで完成されるっというか、
それがないと落ち着かないのだ。

京都精華大学で喋った時はそんな自分の思いが少し叶った気がした。
しかも、全く無名のよく分からない人間の話を聞くために200人もの人が集まった。
あのときは、音楽もマックから流せたし、(スケッチショウのtake me to the river)
自分の写真に関する自分の意見をかなり詳細に説明することが出来た。
いつも、自分の作品を人伝えている時が一番違和感がない瞬間だと思っている。
今度は海外だ。これは僕の語学力ではもちろん太刀打ちできない。
そこら辺はきちんと対応していかなくては。

今日は夕方、ル・クール・ピュにいって、プリン2個、チーズタルト2個、
シュークリームを2個お土産に買って、フゥのおねえちゃんの家へ。
メイとユメに久々に会う。二人とも元気だ。
ポケモン人生ゲームして遊ぶ。
最後、僕がイカサマして、一位になって喜んじゃってた。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-